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神戸⇄長浜往還記01

ひょんなことから、神戸と長浜を行ったりきたりすることになった、しばらく、たぶん、それでせっかくなら、なぜせっかくならなんて考えたかにはもちろん理由があるのだが、それは後回しで、とにかく、せっかくならその記録をつけてみようと思った。というわけで今日は

2024.2.9(晴天)

で、長浜滞在二日目、昨日今日と、年始にニュースになっていたように、長浜、滋賀一帯、そのへんだけではないが、記録的な寒波が襲い、積雪量かなにかを更新した、と、妻と、万葉倶楽部という温泉の食事どころで、へろへろ酒を飲んでいるときにテレビで見かけた、今年は頭から能登半島で大地震、その翌日に実家から帰って、ふだんはテレビなど見ないのだが、すわ、昨夜の地震はどうなったかいの、と思いテレビをつけると飛行機が燃えていた。愕然とした。なにかがおかしいと思った。いつからか。だから書きつけておこうとも思っているのか、無意識下で、おれは?
今日書店でランボーの新訳を見つけた、フランス語と日本語が同時に並述(そんな言葉はないので作った。ぴったりきやしないだろうか?)されていた、それでなんとなく、大江健三郎が、たしか師に言われたかなにかで、五年ごとだったかな、それくらいの期間で、一人の人物を研究しなさいと言われたのでそうしてる、と、なにかの本で書いていた、おれがもし研究するなら誰だろう、哲学ならプロティノスかスピノザ、それか禅で臨済をやってみたい、次の誕生日からそうしてみよう、と考えている、それで詩人は誰を研究しよう、と考えて、もう二人目の人物を考えてしまっている。
自分の能力と人生の長さが絶望的なまでにつり合っていない。信じられないがあっというまにおれは死んでしまうのだ! そんな馬鹿な! 道に咲く花の名一つろくに知らないで!
往還記という言葉から連想されるのはたとえば天国と地獄だ、ダンテの『新曲』、あるいは現界と異界、イザナギとイザナミ、そのあいだを、どちらがどちらと定めることもなく幽霊のようにうろつくならば、それはおれのこころにどんな影響を与えるのか?
往還記のルールを決めようと思う。

・一言でもいい、そのかわり毎日記す
・天気と食べたもののことは必ず書く
・1000字をこえたら公開する

この三つ。本や音楽のことも書けたらいい。ちなみに今回の旅の本は西東三鬼の『神戸・続神戸』で、西東三鬼というのは「水枕がばりと寒い海がある」という俳句を作った俳人で、以前から読みたく探していたのを、いつのまにか森見登美彦のあとがきなんてつけちゃって再版されていたのを見つけたのである。稲垣足穂や中島らものテイスト感じる読みやすい一冊。
食べたもの。朝おにぎり二個。梅と昆布。晩、餃子六個、さけるチーズ2本、サンドイッチBOX、細長いの三切。俺の塩。それにかのかの湯割りを何杯か。

この記録はいつかかならず自分の役に立つはずである。わたしはわたしのために書く。

すべて酒とレコードと本に使わせていただきます。