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私と"2020"/2020 TOUR 2021@京都磔磔

運命の1枚とそのリリースツアーのはなし。

"2020"
a flood of circleの10枚目のフルアルバム。2020年10月21日リリース。
フラゲでお迎えした2020年10月20日。
とんでもないものに出会ってしまったと思った。12曲ずっと鳥肌が立ちっぱなしで、こんなに感情が揺さぶられたのはこのアルバムが初めてだった。何回も聴いた。リリースされてしばらくの間、"2020"の12曲を1周できる約45分、それが私の時間の基準になっていた。1秒でも長く"2020"を聴くために早起きして夜更かしする生活になった。睡眠時間は減ったけど、圧倒的な高揚で、ずっと元気だった。仕事をしてるときも、頭の中ではずっと"2020"が鳴っている日々だった。

"2020"というアルバムから、a flood of circleというバンドのすべてから伝わってくる、「いつだって、"今"を生きている」「ほかの誰でもない、"俺"が、"お前"が、やる」「どんな時だって止まらない」そんなメッセージにぶん殴られてしまった。
「今までやってこなかったから」「現実的じゃないから」「コロナだから」「私なんかがやったって」言い訳たちを、全部掻っ攫われてしまった。
言い訳なんか、してたまるか。もう、ほかの誰でもない、私が、私が選んで、やるんだ。全部ぜんぶ私がやりたいから、まだまだ生きてやる。そう、思うようになった。今までは「はやくしにたい」と思ってた。でも「生きてやる」に変わってしまう、そのくらいの衝撃を受けた出会いだった。

そんな衝撃の出会いを経て、しばらくは"2020"とa flood of circleの楽曲しか聴けない日々を過ごしていた。
"2020"は、12曲あって、1曲1曲が猛烈に好きで好きでたまらないのはもちろんのこと、曲の順序や、前の曲との繋ぎ、ってとこも含めて、12曲すべてを通して聴くのが好きだ。
「この曲が好き」よりも、「このアルバムが好き」という気持ちのほう強い。だから、シャッフル再生したり、プレイリストに入れたり…ということを余りしてこなかった。そんな妙な拘りが生まれてしまうくらい、"2020"というアルバムが好きで好きで堪らなかった。(過去形で書くけど、もちろん今も好き。)

リリースから約4ヶ月が経って、そろそろその拘りが少し薄れてきて、プレイリスト組んで他の曲と混ぜながらも聴けるようになってきたこの頃。
2021年2月12日。"2020"のリリースツアー、"2020 TOUR 2021"の京都磔磔公演を、配信で観た。先に率直な感想を言うと、「本当に最高だったし、1秒でも早く生の音を聴きたい一方で、生の音を浴びるのが怖くなった」というところ。怖くなってしまうぐらい、いいライブだったんだ。

自宅で観ていたんだけど、ライブが始まるとすぐに、自宅がライブハウスに変わり果ててしまった。"2020"を買ったときに少しでもいい音で聴きたくて買ったヘッドフォンで大音量で観た。気づいたら跳ねていたし、拳を突き上げていたし、一緒に歌っていた。
(近隣住民の方々、本当にごめんなさい)
でも、彼らが鳴らす音が。伝わってくる、熱気が。あっという間にライブハウスという、私が求めてやまない、非日常に連れてきてくれてしまった。

ライブでは、アルバムの曲順ではやらなかった。始まりが"2020 Blues"じゃなくて、一瞬落胆しかけた。だけど。"ファルコン"、アルバムでは3曲目、一瞬で持ってかれてしまった。テツさんのゴリゴリギターが鳴るロックナンバー。あんなにあの順序しか嫌だと思っていたのに、"2020 Blues"じゃない1曲目、なのに、"2020"を初めて聴いた時と同じ衝撃が走った。また、とんでもないものと出会ってしまった、感覚。
2曲目、別アルバムの曲で、私がa flood of circleにのめりこむきっかけになった、"ミッドナイト・クローラー"。また、持っていかれた。ビリビリきた。大好きな曲だから、「"2020"の曲と一緒に聴けるの嬉しい!」という気持ちが1番、でもその合間、こんな序盤でか!という気持ちも少し。
でもその後3曲目、"ヴァイタル・サインズ"。えぐい歪むベースにもう1回持っていかれた。あれ、ずっと持っていかれてんな?
ここで、確信した。"2020"の曲たち、こんなに過去曲とも親和性が高くて、"2020"で聴くときとまた違う、どうしようもないカッコよさをまだまだ持っていたことに!
そしたら、余計な考えはすべて消えて、彼らのパフォーマンスにのめりこんでいた。ずっと夢中で観て、楽しませてもらった。

a flood of circleのライブは、熱量が、すごい。全力でロックンロールを鳴らしているのが、ビリビリ伝わってくる。それでいて、ときどき優しくて可愛いMCが挟まっていて、頬がゆるんでしまう。でもまた音が鳴れば、拳を突き上げてしまう。彼らしか目に入らなくなる。
周りのすべてが消えてしまう。配信ライブを見るたびに、そうなる。生で観ているわけじゃ、ないのに。

私はまだ、出会ってからの日も浅く、(好きになったきっかけは、"2020"リリースの約1ヶ月前の、UNISON SQUARE GARDEN Presents "Fun Time HOLIDAY Online"だったりする)そしてこのコロナ禍の中、ライブ遠征を少し控えているのもあり、まだ、a flood of circleを生で観たことが、ない。
だから、1秒でも早く、彼らのライブを生で観たい。そう思ってるけど、でも今日のライブで熱量に圧倒されて、アルバムで聴くのとはまた違う"2020"の良さを知ってしまって、急に、怖くなってしまった。配信ライブでこんなに情緒が揺さぶられてしまうのに、本物のライブハウスで、爆音で、彼らの鳴らす生音を聴いたら、私はどうなっちゃうんだ?って。

だけど、やっぱり。だって、だって、まだ、足りない!
大好きで演って演って演ってるバンドに、ぶつかれないなんて、嫌嫌嫌嫌嫌!!
情緒不安定上等、私が大好きなa flood of circleが演ってる全部の音、聴きたいんだもん。もっともっと、揺さぶられて、わけわかんなくなりてぇもん!
怖いなんて感情の何百倍も、彼らの音に救われて腕を引かれて、生きてるんだから。

ああ、本当にいいライブだった。本当に"2020"はいいアルバム。そして何より、a flood of circleは、本当にかっこいいロックンロール・バンドだな。
絶対生の音を聴きたい、これからもたくさん追いかけ続けたい、もっともっと魅せられたい!WANNA WANNA

また、最高の音にまみれながら、生きてく。

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