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『ランボー6 怒りのタリバン』(2021) 風刺画から見る中東情勢#34

『ランボー3 怒りのアフガン』(1988)のラストシーン、米兵ランボー(シルベスター・スタローン)1人 vs ソ連兵1000人(戦車+ヘリ)。

そんなランボー絶体絶命の境地に助けに現れたのは、アフガン・ゲリラ(ムジャーヒディーン)たち。。馬に乗った彼らが地平線にズラッと並んで現れたシーンは、非常に胸が高まる。

ランボーはアフガン・ゲリラ(ムジャーヒディーン)と協力し、ソ連兵を壊滅させる。そんな胸熱のラストシーン。

そして最後には「この映画を勇気あるムジャーヒディーン兵士に捧げる(to the brave Mujahideen fighters)」というテロップが出て映画は終了。

歴史的にも、この時期ソ連はアフガニスタンから撤退し、ソ連は崩壊を迎える。

しかしご存じの通り、この後アフガン・ゲリラ(ムジャーヒディーン)の間でアフガン内戦が始まり、その中でタリバンが台頭。またムジャーヒディーンの一人だったビンラディンはサウジでアル=カイダを結成し、国外追放された後アフガニスタンに拠点を移しタリバンの保護下に。そしてその後アル=カイダによる9.11テロへと繋がる。皮肉にも「ランボーが結果的にテロリストを生んだ」ということになってしまう。

なお9.11のあと映画最後のテロップは「勇敢なアフガンの人々に捧げる(to the gallant people of Afghanistan)」に変更されている。(ランボー3の英語版Wiki参照。)

9.11後に米国はテロ撲滅を掲げアフガンに軍事介入。20年後のバイデン政権で、アフガン撤退。そこで、今話題になっている再度タリバンの台頭ということだ。

(話はそれるが、2つ目の動画。タリバンがカーブルを制圧した際、大統領オフィスでコーランを唱えている。武器を持った人々がいる空間の中で、読誦が美しく響いている。印象的な瞬間である。)

タリバンについて、本日の風刺画、Emad Hajjaj氏。

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参照:Tweitter/ Emad Hajjaj Cartoons/20210831

風刺画は明示的なので説明は不要だろう。

アフガニスタンの首都カーブルをタリバンが制圧してから、いやその少し前からアフガニスタン情勢に関するアラビア語風刺画は数多く見られた。

ここに、同Emad Hajjaj氏の風刺画をいくつか紹介しておく。


特にKabul Airportの風刺画は、”うまいな”といった感じがする。(SNSなどを通して現地のアフガン情勢を目の当たりにしてそんな表現で形用するのもあれなのだが。)

また、2枚目の風刺画のようにアフガン情勢についての「米国風刺」は、他の風刺画家の画でもよく見られた。またまとめて紹介しよう。インシャアッラー。

それでは。

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