子供たち大困惑。藤子不二雄コンビ解消!の衝撃

子どもの頃から藤子不二雄がコンビでのペンネームであることは知っていたが、まさかその二人が作品を全く別々に書いているとは思いもよらなかった。

「まんが道」を読めばわかるように、二人は机を並べて、ひとつの漫画を二人で書いている、とそのように思っていた。

なので、二人がコンビ解消の発表を聞いたときは、心から驚いたものだ。

今となってはF先生とA先生のタッチや作風は全く違うことが一目瞭然で、どの作品をどちらの先生が描いたかはすぐにわかる。でも子供の頃は全くその違いに気が付かなかった。

なぜ、気が付かなかったのだろう?

ひとつは人気作品の物語構造が同じだったからだ。「ドラえもん」に代表される「居候型」作品は、A先生の「忍者ハットリくん」「怪物くん」などにもみられるし、アニメになったりすると絵柄もかなり似通ってくるので、区別ができないのだ。

また、藤子マンガでは、劇中に作者が出てくることが時々あるが、その場合常に二人で登場させている。これはコンビで描いている印象を強く持たせるのに効果的だった。

もう一つは、二人の作品がクロスオーバーしてくるからだ。映画大長編の併映で上映された「忍者ハットリくん+パーマン」では思いっきり共演しているし、F先生の作品で「プロゴルファー猿」の真似をしたりするシーンがあったりする。

なので、コンビ解消と同時に、これまで「藤子不二雄」名義だった作品群が、「藤子・F・不二雄」「藤子不二雄Ⓐ」名義にかっちり分かれることを知って心底驚いたのである。

で、その分かれた作品群を眺めるたときに、自分はF先生の作品がとても好きだったことに気が付かされた。ここから、F先生作品への探求が始まることになる。

もっとも、A先生の作品も大好きである。「まんが道」「プロゴルファー猿」「少年時代」「シルバークロス」「魔太郎がくる」・・・。こちらも考察がきちんとできるくらい読み込んでいる作品ばかり。

どうしてもF作品と比べて評価の低いイメージのあるA作品だが、今上げた作品などはどれも一級の作品であり、しかもテーマが幅広い。これを長く描き続けていることについては、もっともっと評価されていい。

それでいれば、F先生の評価ももっと高くあるべきだ。生きていればノーベル文学賞の対象にしてもよいレベル。本気でそう思う。

F先生の評価を高め、それによってA先生の評価も高めていく。そんな思いを込めながら、noteでの執筆を続けていきたいと思うのである。

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