呼んでる、どこかでだれかが/考察エスパー魔美⑧
『どこかでだれかが…』
「マンガくん」1977年9号/大全集1巻
エスパー魔美は、藤子先生の日常マンガの中では珍しく、「成長する」物語である。変化する物語と言い換えてもいい。
主人公・魔美の超能力がパワーアップしていくこともそうだし、人間関係の成熟もある。中学生の魔美は、超能力を通じて大人の世界の周縁に触れて、ちょっとずつ物事を理解していく。調子に乗ったり反省したりの繰り返しだが、少しずつ「動いている」のである。これを成長と呼んでいいのだと思う。
本作は連載9作目。これ