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甘えたがりな方の彼女4


テストを終えた〇〇と山下はあの後夏休みを堪能しようと家に集まることにしていた…
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〇〇:ねぇ美月〜夏休み初日なのに家でゴロゴロとか初日として大丈夫なの…

山下:え〜…まぁ初日だし?お友達来るし〜セーフセーフ

〇〇:何がセーフなのかよく分かんないですけど…

〇〇:てか友達いたんですね…てっきりいないのかと

山下:酷いなぁ君は相変わらず笑 いるよ私にだって2人も!君より多いでしょ〜

〇〇:1も2もどんぐりの背比べですよ で、いつ来るんですか?

山下:ん?後1分くらい?

〇〇:は?

山下:ん?聞こえなかった?1分だよ1分

〇〇:じゃあ何でダラダラしてられるんですか…

山下:まぁ私の家だし?

まぁ確かにそうだ

そう心の中で思ってる時だった。

与田:お〜い!扉を開けろ!もうお前は包囲されている!!

久保:ねぇちょっと!与田ちゃん…人の家だから騒いじゃダメでしょ…

明らかに騒がしい人が1人ともう1人の声が扉の方から聞こえる

山下:あ〜君、扉開けてあげて〜

美月はまだ絶賛ゲーム中だった

〇〇:はい、どうぞ…ガチャ

与田:え…こいつ誰…

久保:す、すいません…家間違えました…

〇〇:いやいや合ってます!山下の家です…僕も呼ばれてきた身なんで…

与田:あ〜なるほど!じゃあお邪魔しま〜す!

随分飲み込みがはやいな

山下:いらっしゃ〜い!あ!紹介するよ

山下:この子〇〇っていう同級生!まぁ友達が全然いない可哀想な子だから仲良くしてあげてね笑


与田:おっけ〜

軽い…しかも部屋入って早々に漫画…この子怖い…

山下:こっちの漫画読んでる方が与田、まぁとてつもなく無邪気な子!

でしょうね

与田:よろしく〜!!!

凄い無邪気にも程がある…

山下:で、こっちが久保!物静かなんだけど面白い子だから!仲良くよろしく〜

久保:よろしく…

〇〇:よろしくお願いします…

自己紹介が終わると気まずい空気が流れ出した。

恐らく久保さんと僕が黙っているからではなく漫画読むやつとゲームしている奴がいるからだ。

久保:あ、やまぁ?で、今日呼んだ理由って何?

山下:あ〜忘れてた忘れてた!そうそう

山下:何と無く何だけどさ〜旅行しない?4人で

〇〇:4人で?

山下:そうそう、花火見に行きたいのよ!有名な所の!

与田:良いけどさぁ〜お金はどうすんの?ホテル泊まるお金とかうちらないよ?

山下:そこでだ…〇〇くんよ…確か図書いいんだったよね…?

〇〇:そうだけど…?

山下:同じ図書委員の岩本ちゃんていたよね?その娘が確か旅館を経営してる有名な家計だったはずだから…

〇〇:いやいや…嘘でしょ?

山下:お願い!〇〇様ぁ…

久保・与田:〇〇様ぁ…

都合がいい時に使われる役目なんだな僕は…

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〜旅行初日〜
山下:きたぁ〜!!綺麗な町…

久保:青い空…!大きな山!

与田:そしてそして…でっかい旅館!

〇〇:おい、1人動く気のないやついたぞ

与田:早く旅館に向かうぞ〜!!

おい無視するな

久保:いや、まだだから…まずは海で泳ぐんだよ!!

〇〇:いや…その前に集合しないと…

山下:集合…?

〇〇:そうそう…実は黙っててって言われたんだけどさ…

岩本:お〜い!!〇〇先輩〜!!

山下:え…岩本さん?

〇〇:そうそう、旅館ただの代わりに一緒に遊びたいって。

与田:おぉ〜仲間は多い方がいいからね〜!いいこと良い事だ!

岩本:こんにちはぁ〜!!1年の岩本蓮加です!今日はよろしくお願いします!!

2人で話した時も思ったが与田とはベクトルの違う元気の良さだ…

岩本:じゃあ4人とも!水着着て泳いじゃってください!!

岩本:うちの子たちばっかなんで楽しめると思います!

そう、岩本さんが人気なあまり ここはうちの学校が貸切状態になっているのだ

山下:じゃあ男女は各々で着替えて!海は自由!12時にはご飯だから着替え終えて集合ね!

与田:は〜い!!!行くぞぉおお

岩本:おぉ〜!

山下:じゃあ解散!


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僕は解散をして1人だったのですんなり着替えを終え海に向かう…

僕は旅に呼ばれたのだが海は苦手なので、ビーチでゆっくりすることにしていた

視界に入る久保さんや与田さんの絡みを見てるので十分だった

与田:ねぇ〜3時間も集合まであるけど何する〜

久保:そりゃあ泳ぐでしょ!

岩本:もちろんお店とかも行きましょ!!映えスポットとか!!

山下:いいねぇ!!撮ろ撮ろ!

いわゆるJKトークをしていた、僕はその会話をラジオ代わりに聞いてビーチで寝っ転がっていた。

寝っ転がって1時間くらいした頃か、1人の女の子から会話を持ちかけられた

伊藤:あ、あのぉ…ずっと倒れてるけど大丈夫ですか

〇〇:ん…あ、大丈夫です…友達が泳いでる間に待ってるだけなんで

伊藤:そうですか…あの、良かったらなんですけど待ってる間に隣いてもいいですか?

〇〇:いいですけど…

しばらく話しているとこの子の名前は伊藤理々杏、同じ学校の後輩で岩本と同じクラスということが判明した。

伊藤:〇〇さんは誰と来たんですか?

〇〇:えっと山下・久保・与田の3人で岩本も一応?

伊藤:え!?すっご…その3人ってうちの学校の四天王って呼ばれてる方じゃないですか…

〇〇:四天王?

噂では△△から聞いたことがあったが、女子だとも思わなかったし…まさかあの3人とは…

伊藤:聞いたことないんですか!?

〇〇:まぁ噂だけって感じで…

伊藤:〇〇先輩は悪さとかされてたりしないんですか?

〇〇:いやいや悪さも何もされてないけど…

四天王には悪い噂が多く、避けられてることが多いらしい…

伊藤:まぁならいいんですけど…何かあったら私を呼んでくださいね!武術にはちょっと自信あるんで!LINEも交換しましょ!呼んでください!

〇〇:お、おう…

ちっちゃい体でそう言われてもなぁと思いながらも伊藤の意気込みに負けて僕はLINEを交換する

伊藤:じゃあまた!

僕は手を振って伊藤が海に行くのを見送る

〇〇:また変なのと絡んじゃったかもな…

別れた直後だった、4人が帰ってきたのだ

山下:〇〇〜!!ただいまぁ〜!

〇〇:お、やっと来た…お帰りなさい〜

久保:〇〇くん、ずっと1人でここにいたの?

〇〇:そうそう、1人でずっと寝転がってた〜

久保:え〜大丈夫だった…?

〇〇:まぁ大丈夫も何も普通よ

与田:あ!〇〇嘘つき!さっき小さな女の子と話してるの見たよ!

げっ…多分伊藤さんといたのを見られたのだ

〇〇:あぁ〜なんか友達が見つかんなかったらしくてね?見つけてあげてたんだよ!

苦し紛れの言い訳だが与田には効くと思い嘘をつく、流石に四天王のことは言えない…

と思っていた時だった

伊藤:〇〇さん!!大丈夫ですか!

〇〇:最悪なタイミングだ…

久保:誰…?この子

与田:知らな〜い身長低いね

伊藤:知らないって…わ、私は貴方達の事知ってるんだからね!

伊藤:あと…貴方の方が身長低いです!

山下:私たちのこと…?

伊藤:そう!うちの高校の四天王の3人ですよね!!

与田:してんのう…?

伊藤:そうです!隣の高校のヤンキーを全員倒したとか!

山下:ごめん…それ多分勘違いだと思う…もう1人の子がやった事だね…

伊藤:え…じゃあ貴方達は?

久保:まぁ一匹狼の集まりっていうか…?

与田;ぼっちの集まり!!

ぼっちって言い方…

伊藤:そうだったんですね…勘違いしてごめんなさい…岩本から聞いたもので…

え?岩本さん?

〇〇:岩本さん?そうなの?

岩本:あ、いや珠美が言ってた事なんで…勘違いだったかもです笑

伊藤:なるほどね笑 珠美ならあり得るね…

珠美という子も恐らく岩本さんと同じクラスなのだろう…とりあえず話を聞く限り変な子っぽいな

岩本:ま、まぁ!気分転換っていうか!与田さんのお待ちかね!ホテル行きましょうか!理々杏も確か近くなんだし一緒に行こ!

伊藤:あ〜私は後で行くよ!葉月達待ってるから!

そういうと僕と四天王(笑)の3人と岩本さんはでかい旅館の部屋へと向かった…

部屋割りを僕は確認する…

〇〇:えーと…山下、久保、与田がペアで僕は岩本さんと同じ部屋か…

僕は階段を上がり部屋に入る

〇〇:うわぁひっろ〜!!ベットも2つ!岩本さんはこっちかな…ん?

ん?岩本さん?

岩本:うわぁやっぱ広いですね!!〇〇さん好きな方のベッド選んでいいですよ〜!私あんまりこだわりないんで!

〇〇:ちょ…ちょっと!

岩本:なんですか…?

〇〇:いやいや、なんで同じ部屋なの!?

岩本:あ〜まぁ事情があって…

話を聞くと学校の人でえよ感がいっぱいで唯一枠が空いているのが僕の部屋だけだったらしい…

〇〇:いやいや…あり得ないでしょ…

岩本:えぇ…折角〇〇さんとお泊まりできると思ったのに…グスン💦

〇〇:ちょ…泣かないでって…言いすぎたって…ごめん

僕が謝った時だった

岩本:いいですよ♡許します♡ぎゅ〜♡

岩本さんが急に抱きついてきたのだ

しかも最悪な事に…

久保:ねぇ〇〇くん〜いるかなぁ?ちょっと散歩でも…え?

〇〇:ちょ、違うんだ久保さん!

久保:〇〇さんってそういう人なんですね…最低っ…

最悪な状況を久保さんに見られてしまった…
しかもいつもの久保さんとは思えないほどの冷たい目で貶されてしまった

久保さんは恐らく部屋へと向かい山下や与田に言うだろう…僕は流石にやばいと動こうとするが岩本さんが離さず、久保の方に向かうことができなかった…

多分これは終わったって感情なんだう…岩本さんに抱きしめられているのに絶望しか感じなかった。

〇〇(これからどうしようか……)


この時は気づいていなかった…岩本さんが、なぜ抱きしめてきたのかも
僕にバレないように有り得ない程僕に対して笑っていた事も

『そしてどれだけ岩本さんが久保さんが与田さんが自分の中で大きな存在になるか…』


甘えたがりな方の彼女〜学生編〜
to be continued……

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