Live2D初心者が躓きがちな難所をクレバーに乗り越える方法 【#Live2Dアドカレ2021】

はじめましての方が多いかと思います。
フリーの無職をやっているシャークです。

これまで声優をやったりデバッグをしたり
事務職をやったりイベントをやったり
プログラミングをしたり絵を描いたり
物語を描いたり歌を歌ったりして生きてきました。
冬を越せずに死ぬタイプの人間です。

男は度胸! 何でもためしてみるのさの精神を信奉しているので、
いまはLive2Dモデリングをやっています。

Live2D歴は真面目に打ち込み始めてからは正味三ヶ月くらい。
超ド級の初心者ですので、技術的な話は殆どなんにもできませんが
特にこれからLive2Dをはじめてみようかな、はじめてみたけどちょっと難しいなあ、と感じている人をターゲットに初心者視点でモデル製作の流れを追いながら道中の障害となりそうなしんどい場面を楽しく乗り越えていく方法を共有したいと思います。

あなたのLive2Dはどこから?

皆さんがLive2Dに触れたきっかけって何でしょうか。
ネットの海を漂えばVTuberの方々を見かけない日はありませんし、
ソーシャルゲームでも2Dのイラストが動くのが当たり前になってきました。

僕は同人ゲームも製作するのですが、立ち絵やイベント絵が手軽に動かせたら差分作るのも幾分か楽になるかなあ、という邪な気持ちでLive2Dに『入門』しました。

絵を描く人間なら、一度は思いますよね。
自分の絵がアニメーションしたらいいのにな、と。

でも、そんなこと簡単にできるわけない……。
ああいうのは、既に技術もお金もある人がやること……。

そんな風に思っていませんでしょうか?

触ってみよう、Live2d Cubism

そんなあなたに本日ご紹介する商品がこちら、ご存じLive2d Cubism。

ご存じない貴方はそのままダウンロードしてしまいましょう。
なんとこのソフト、いまなら42日間無料でその機能を体験することができるのです。

そう、つまり今すぐダウンロードして、このLive2Dアドカレ2021を読みながら使い方を身につければ、クリスマスと正月が明ける頃にはあなたも立派なLive2dモデラーです。これ言う為に最初の方の日程取らせてもらいました。命を燃やせ、今がその時だ。

実際、付属のマニュアルや使い方のガイドも色んなところにあるんですが、
古い情報のまま更新されていなかったりするので、生の経験談と最新の技術が提供される場が用意していただけるっていうのは本当にありがたいんですよね。

ダウンロードは終わりましたでしょうか?
それでは、実際に僕がCubsimを触ってみたお話に移りたいと思います。

実際の製作中に感じたこと① テンプレート篇

冒頭でLive2D歴は三ヶ月ほどとお伝えしましたが、実はCubismに初めて触れたのはもう少し前で、おおよそ一年前くらいになります。
なにやら不思議な力で自分の絵が簡単に動かせるらしいぞ、というボンヤリした情報でCubismをダウンロードして、一通りマニュアル通りに設定してみたものがこちら。

想像してたよりずっと綺麗に仕上がって驚いたんですよね。
もっと細かい設定がいると思っていたので…。

ですが、それもそのはず。
実はCubismには「テンプレート」という便利な機能があるんです。

これがテンプレートのEpsilonちゃん。
パーフェクトソルジャーみたいな名前ですが、とてもかわいいですね。

このテンプレートというのが滅茶苦茶優秀なので、
絵柄の相性は多少ありますが、きちんとパーツ分けできてれば
適用するだけで基本的な動作はこなすことができます。すごいですね。
一にも二にもまずは自分の絵を動かしてみたいよ! というせっかちさんには特におススメの機能となります。そう、私のことです。

実際の適用方法はこんな感じ。僕は愚かで軽率なのと尺の都合で焦って適用してしまった為にこのあとお見せ出来ないレベルの作画崩壊を起こしてしまいましたが、各パーツの適用する位置をちゃんと調整してあげれば、ここの精度はかなり上げられます。

一度で決めようとか思わず、ちょうどいい塩梅になってくれるように何度か試すと、後々の作業が楽になります。
またこの時、同時に公式サイトで配布されているサンプルモデルの切り身(テクスチャアトラスって言うらしいですよ)も見ておくと、
どこがどう動いているかわかりやすいですし、以降の作画の参考にもなるかと思いますので一度は覗いておくと良いかと思います。

ここまでやると、身体や顔の動きはかなり自然なラインにまで持っていってくれます。ここからは実際の作業中に記録していた映像があるので、そちらを見ながら工程を追っかけていきましょう。

テンプレートが上手くいくとグッと楽になります。
リセマラのつもりで祈りながらトライ&エラーを繰り返そうね。

こちらがテンプレートを適用した直後の様子。
最初のモデルを作った段階である程度満足してしまっていたのですが、
ある日唐突に「もう一度やってみるかあ」と思い立って、それ用に作画作業からLive2D用にやり直したものになります。作業に取りかかる前に一度、完成品のテクスチャアトラスの構成を見ておくといい、と書いたのはこの時の経験によるもので、各パーツを最終的にどう動かすかを想定・把握できているのといないのとでは最終的な仕上がりにかなり差が出ます。……出てますよね?

個人的には、「一度作ったら終わり」ではなくて、作品の手直しやバージョンアップみたいなのが受け入れられやすい業界なのも嬉しいですね。時間さえ許せば無限に可愛く・かっこよくしてあげられますし、ちょっと時間ある時に少しずつ手を入れてあげてもイイと思います。

実際の製作中に感じたこと② 目と口の動き篇

ここまで簡単だよ、みんなやってるよ、などと耳触りのいい詐欺師みたいなことばかり言ってきましたが、目と口の動きを付けるパートに入ると、チュートリアルは終わったとばかりに難易度が跳ね上がります。
実際には、あとから思い返せばそこまでの脅威ではなかったと気付くのですが、この段階での製作者(当時の僕、ないし今読んでいる未経験のあなた)からすれば、相手の力量は全くの未知数です。
ネフェルピトーに初めて遭遇した時のゴン達みたいな顔になっても不思議ではありません。

常に画面上でモデルを動かしながら作業できるのでつい失念しがちですが、
全ての処理はプログラムされた記述の通りに行われています。小人や妖精が動かしてくれているわけでないのです。
プログラムというのは融通が利かないものなので、ちょっとした勘違いや思い込みでつまづいてしまいます。

具体例としては、クリッピングの指定先が間違っているとか、
CtrlとShiftを間違えて押してるとか。
しょうもないミスですが、人間の目は前に二つしかないのでどちらも注視しながら作業はできないのです。間違えたってイインダヨ。
大きく変形をさせるパーツは一個抜けてる箇所があるとそこから一気に崩れてしまいがちです。皆も初めてのモデル製作の時は項目をひとつずつ確認しながら、焦らずゆっくり進めていこうな。

また、一口にまばたきや口パクと言っても様々な手法があるので、
行き詰ってしまっても自分に合ったスタイルに出会えたらすんなり解決したりするものです。一つのやり方に固執せず、まずは色んな人のサイトとか動画に顔を出すといいでしょう。

まばたきの実装。
まばたきに関してはクリッピングの仕組みさえ覚えてしまえば割とすんなり。閉じた際のまつげの位置笑顔にするときの位置だけあらかじめ決めておくとよいです。

口パクの実装。
流行りのグルーを利用して自在に動かす手法に挑戦、そして失敗
ある程度まで縮小・変形させたら閉じた状態の口に差し替える形に。
用途次第ですが発声に応じた形に対応、とかじゃなければこれでも十分いけるかな、と思って変更しました。
この判断については最後のまとめでもう一度触れたいと思います。


実際の製作中に感じたこと③ 新たなる願望篇

2個めの作品となるモデルが完成を迎えた頃、もっとこうしたかったな……。
この動かし方なら、ベースのイラストも工夫した方がよかったかな……。
といった弱い気持ちが首をもたげてきました。
けど、今更手を加えることなんて―――できるんです、Live2Dなら!
他のを知らないんであまり大きなことは言えないですけど。できました。少なくともLive2Dでは。

途中からベースとなるPSDの差し替えにも対応しているので、
大きくシルエットが変わらない限りは簡単に変更できしまうんです。
小物の追加とかも簡単にできて便利です。これが、かがくのちから。

完成したモデルで気に入らなかった部分は

こうして、

グルーを使った口の開閉にに再挑戦、そして失敗。
結局この時もシンプルな形に落ち着きました。

こうして、

物理演算? ぜんぜんわからない。俺たちは雰囲気でLive2Dをやっている

こうじゃ!

髪揺れなどの物理演算も対象をつまんで揺らすような感じで設定・確認ができちゃいます。手直しに取り組んでから1週間くらいで、かなりそれらしい仕上がりにできました。
今日は目の動きを仕上げよう、とか口を弄るだけにしておこう、とか時間を区切りやすいのもぶっ通しで作業するのが苦手な意志の弱い民には優しい世界でした。

実際の作業の流れとその感想については、以上になります。
このまま、ふわっとしたまとめに入りますのでもう少しお付き合いください。


前に進むための選択をしよう

別にLive2Dに限った話ではないのですが、
今回イチから新しいことをはじめてみて、いちばん大事だなと強く感じたのは理想を求めてその場で停滞するより、回り道になっても先に進む選択をしていこう、というきもちです。
絵の描き方講座なんかでよく語られる「まず完成させなさい」って言葉に通じるものがあるかもしれません。

先述の口パクの動きで言えば、グルーが上手く使えずに立ち止まるくらいなら、シンプルな画像の差し替えとか、拡大縮小で開閉を表現してみる……など、まずは自分の手が届きそうな技術を身に付けてしまいましょう。どこかで役に立つかもしれません。
ほら、グルーの使用が国際法で禁止されるかもしれないし。

簡単な方に逃げてしまった、妥協してしまった、なんて気に病む必要はないのです。その判断で、僕が(あなたが)ひとつ先の工程に進めたことにこそ価値があるのですから。

足元には、歩みを止めてしまった者たちの無数の屍が転がっています。こわいですね。
なので、せめて僕らは前を向いていきましょう。

口をすぼめる動きができると、表情付けのバリエーションがひろがりんぐ

そんな僕の最新の成果がこちら。
三度目のチャレンジで、無事グルーを使った口の開閉・変形もできるようになりました。
継続こそ力なんだ。


さいごに

いかがだったろうか。
アートメッシュはきちんと閉じているだろうか?
体は、緑色に発光しているだろうか?

動き出そうとしているあなたの後押しができたら幸いです。
立ち止まりかけていたあなたの助けになれたら嬉しいです。

もしわからないことがあったらコメントなどでお知らせください。
きっと僕にも分からないけど一緒に考えることはできます。

共にに楽しいLive2Dライフを送りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

さて、明日の担当は Ren Kannazuki さんです。
気になる内容の方は―――。

"Explanation of the VTubeStudio API and how to use it for interactive Live2D."

アッ、大丈夫です。英語でも怯えないでください。
主に僕自身のために和訳しておくと、
『VTubeStudioのアプリとLive2Dのインタラクティブな使い方』を記事にして下さるとのこと。
易しく簡単な言葉、しかも動画付で教えてくれるそうです。
大丈夫、怖くないよ。

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