【遊戯王デッキ紹介】並んだだけ融合MAGIC

本記事は、以下を前提とした内容となります。

  • 執筆時点(2023/2/15)のリミットレギュレーション

  • マスターデュエル用

  • ファンデッキ

1. これは何のデッキ?

今回のテーマは【ブラック・マジシャン】です。
マスターデュエル1周年記念でストラクチャーデッキが発売され、爆発的に組みやすくなったことで構築に至りました。
元々次に組む予定だった所に、新規まで加えて実装されたので、非常に良いタイミングでした。
遊戯王の原作に於いて、主人公である武藤遊戯(正確にはアテム)、およびパンドラが使用したテーマで、青眼に並び好んで組んできたテーマです。

  • 小学生の頃 … 紙束(黒魔術のカーテンで直接出すデッキ)

  • 遊戯王タッグフォース2~6、SP … ブラック・マジシャンズ・ナイト軸

  • 遊戯王LotD(現構築に近い軸)

ファンの多いテーマであるためか、マスターデュエルでは必要なUR・SRが著しく多く、これまでは構築が非常に困難でしたが、1周年を機に発売されたストラクチャーデッキ「ボルテックス・オブ・マジック」で、必要なUR・SRのほぼ全てが簡単に揃えられるようになり、構築が非常に楽になりました。

今回は「ボルテックス・オブ・マジック」に収録されているカードを中心に、パンドラよりアテムを強くイメージした構築としています。

2. デッキレシピ

メインデッキ(40枚)
エクストラデッキ(15枚)

3. デッキコンセプト

  • 《黒の魔導陣》を置いた状態で《ブラック・マジシャン》にフィールド/墓地間を自分・相手ターン問わず反復横跳びさせることで、相手のカードを除外してアドバンテージを得てゆくデッキ

基本的な動きは上記に尽きます。

3-1. デッキの強み

・息切れしにくい
キーカードの殆どがフィールド魔法、永続魔法、永続罠といった使い切りでない毎ターン利用可能なリソースであり、継続戦闘能力が高いです。

・モンスター・魔法・罠を問わず対処可能
《黒の魔導陣》も《マジシャン・オブ・カオス》も、除去できるカードの種類を制限されておらず、相手の任意のカードを除去することができます。
《黒・魔・導》《黒・魔・導・爆・裂・破》で全体除去の種類も選べます。

・除去手段が除外である
除外は対戦相手のデッキを機能停止させてしまう性質が強く、ファンデッキとしては過剰であり避けたい性質の強さではありますが、最も基本的な除去手段が《黒の魔導陣》による除外であり、キーカードを機能停止させます。

3-2. デッキの弱み

・手札事故
サーチ要員は比較的豊富ながらも、盤面を完成させるまでに必要なパーツが多く、盤面完成前に決着がついてしまうこともしばしば。
肝心の《ブラック・マジシャン》を引き込めずに負けるケースもあります。

・除去
永続系の置き物に著しく依存している関係で、除去に極めて脆いです。
耐性付与手段としては《竜騎士ブラック・マジシャン》が存在します。

・対象を取る
除去の手段は対象を取る前提のものが多く、《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》などの対処に難があります。

4. 採用カードについて

4-1. メインデッキ

《ブラック・マジシャン》
このデッキのエースです。3積み確定。
このカードでトドメを刺すことで特殊な演出を見ることができます。

《イリュージョン・オブ・カオス》
ストラクで追加された新規カードです。
このカード自体を儀式召喚することはまずなく、サーチ要員としての活用が主となります。
手札のこのカードを自慢することで《ブラック・マジシャン》関連モンスターをサーチすることができ、初動を引き込む為に3積みしています。
手札に来てしまったカードを戻す役割も同時に果たします。
このカード自身も《儀式の準備》でサーチが利きます。
基本的には《マジシャンズ・ロッド》《マジシャンズ・ソウルズ》をサーチするのに使用します。

《マジシャン・オブ・カオス》
エースカードの1つです。1枚活躍すれば充分なので、1枚の採用です。
魔法・罠が発動した時、場のカードを破壊することができます。
基本的にはバトルフェイズに攻撃を済ませた《ブラック・マジシャン》を素材に、速攻魔法《黒魔術の秘儀》で儀式召喚します。
儀式召喚後は《永遠の魂》で蘇生させることもできます。
《儀式の準備》でサーチするか、《マジシャンズ・ソウルズ》《永遠の淑女 ベアトリーチェ》で直接墓地へ送り、《イリュージョン・マジック》でサルベージします。

《クロニクル・マジシャン》
《マジシャンズ・ナビゲート》でデッキからリクルートし、特殊召喚成功時に効果を発動する、☆7以下の闇属性・魔法使い族として採用しています。
自由枠に近く、1枚です。

《守護神官マハード》
デッキからドローした時、自慢特殊召喚できる効果を持っています。
《魂のしもべ》の採用理由です。
《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》が場にいる状態で《魂のしもべ》を発動し、デッキトップに《守護神官マハード》を置いた後、《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》の効果でドローします。
1枚採用だというのに高確率で初手にいることで有名です。
《イリュージョン・オブ・カオス》で戻しましょう。
ストラクには収録されていない為、生成が必要となります。

《幻想の見習い魔導師》
《マジシャンズ・ナビゲート》で特殊召喚する筆頭です。
特殊召喚成功時にデッキから《ブラック・マジシャン》を手札に加えます。
戦闘を補助する役割も担います。
枠の都合で1枚の採用です。

《ブラック・マジシャン・ガール》
《師弟の絆》《マジシャンズ・サルベーション》で活躍します。
早い段階で《ブラック・マジシャン》とセットで場か墓地に送っておきたいカードです。
1枚で充分な活躍が見込める為、1枚の採用です。

《マジシャンズ・ロッド》
初動です。本デッキの通常召喚権は全てこのカードが使います。
最優先で引き込みたい為、3積みです。
初動においては召喚後、相手ターンに墓地効果を使う為、《聖魔の乙女アルテミス》のリンク素材とします。
毎ターン手札に戻して使い回します。

《マジシャンズ・ソウルズ》
初動の1つです。極力引き込みたいので3積みです。
《ブラック・マジシャン》《ブラック・マジシャン・ガール》の特殊召喚に使用します。
既に墓地に《ブラック・マジシャン》がある場合に、《マジシャン・オブ・カオス》を墓地に送って《ブラック・マジシャン》扱いにし、《イリュージョン・マジック》で手札に戻すような使い方もあります。

《儀式の準備》
《イリュージョン・オブ・カオス》《マジシャン・オブ・カオス》のサーチ札として使用します。
儀式魔法は入っていない為、儀式魔法をサルベージする効果は使いません。

《黒・魔・導》
魔法カードの全体除去。
《永遠の魂》《師弟の絆》でサーチできます。枠の都合により1枚。

《師弟の絆》
場に《ブラック・マジシャン》がいる場合に、《ブラック・マジシャン・ガール》を特殊召喚しつつ、《黒・魔・導》《黒・魔・導・爆・裂・破》をセットできます。
基本的には《マジシャンズ・ロッド》からサーチします。
1枚で充分な活躍をしてくれる為、1枚です。

《黒・魔・導・爆・裂・破》
表側表示モンスターの全体除去。
《師弟の絆》でサーチできます。1枚。

《マジシャンズ・サルベーション》
発動時にデッキから《永遠の魂》をセットできるフィールド魔法です。
《ブラック・マジシャン》の特殊召喚成功時に《ブラック・マジシャン・ガール》を墓地から特殊召喚できる(逆の組み合わせも可)効果を持つ為、《永遠の魂》は極力このカード経由でセットしたいです。
《黒の魔導陣》でめくれる可能性を極力高めたい為、3積みです。
《マジシャンズ・ロッド》からのサーチも可能です。

《黒の魔導陣》
本デッキの最重要除去手段であり、初動でもあります。3積みです。
《マジシャンズ・ロッド》から最優先でサーチします。

《イリュージョン・マジック》
《ブラック・マジシャン》2枚を手札に加えるカードです。
《マジシャンズ・ナビゲート》の発動準備、および《マジシャン・オブ・カオス》のサルベージ手段として採用しています。使って1度なので1枚です。
《マジシャンズ・ロッド》からサーチ可能です。

《魂のしもべ》
《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》との併用を前提として、《守護神官マハード》での追撃を目的に採用している速攻魔法です。
《ブラック・マジシャン》《ブラック・マジシャン・ガール》《守護神官マハード》が揃っていれば、最大3ドローが可能です。
事故回避にも活用できるため、3積みとしています。

《黒魔術の秘儀》
融合召喚、儀式召喚の好きな方を行える速攻魔法です。
攻撃後の追撃に使用します。欲しい場面が非常に多い、デッキの要である為、3積みです。

《マジシャンズ・ナビゲート》
《ブラック・マジシャン》展開の要であり、墓地効果も優秀です。
《儀式の準備》投入の折に枠の都合で1枚となりましたが、できれば増やしたいカードです。

《永遠の魂》
《ブラック・マジシャン》反復横跳び大作戦を可能にする最重要カードであり、初動も同然である為、3積みです。
発動後に除去された場合のデメリットが重いのが難点ですが、デメリット相応の強さを持っています。

4-2. エクストラデッキ

《竜騎士ブラック・マジシャン》
《星杯竜イムドゥーク》と《ブラック・マジシャン》を素材に《黒魔術の秘儀》によって融合召喚します。
魔法・罠に対象・破壊耐性を付与でき、墓地でも《ブラック・マジシャン》扱いとなる為、《永遠の魂》で蘇生できます。1枚。

《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》
お馴染み並んだだけ融合です。
《ブラック・マジシャン》or《ブラック・マジシャン・ガール》と任意の魔法使い族を素材に《黒魔術の秘儀》で融合召喚できます。
魔法・罠の発動に反応してカードをドローできる為、アドバンテージ獲得の面で非常に優秀です。
複数回融合召喚したい場面があったので2枠取っています。

《超魔導戦士-マスター・オブ・カオス》
《ブラック・マジシャン》と「カオス」儀式モンスターで融合召喚します。
融合召喚成功時に墓地の《ブラック・マジシャン》を蘇生させて追撃させることで高い打点を発揮することができるフィニッシャーです。
このデッキでは《イリュージョン・オブ・カオス》が手札にある状況が多く、出せる機会は少なくありません。

《永遠の淑女 ベアトリーチェ》
《ブラック・マジシャン・ガール》《幻想の見習い魔導師》の2体を素材にエクシーズ召喚します。1枚です。
《マジシャン・オブ・カオス》《魂のしもべ》まどを落とします。

《No.11 ビッグ・アイ》
ランク7の魔法使い族で、相手モンスターのコントロールを奪います。
1枚です。

《幻想の黒魔導師》
ランク7の《ブラック・マジシャン》サポートで、除去手段を増やせます。
ただ、デッキからの特殊召喚は基本的にできて1度です。1枚。

《星杯竜イムドゥーク》
《ブラック・マジシャン》を素材に出せるドラゴン族です。
《竜騎士ブラック・マジシャン》の融合素材とするのが目的です。
1枚。

《聖魔の乙女アルテミス》
《マジシャンズ・ロッド》を墓地に送れるリンク1、かつ魔法使い族。
枠の都合で3枠は設けられませんでしたが、1枚では足りないので2枚です。

《I:Pマスカレーナ》
通常モンスターでも気にせず素材にできることに加え、相手ターンに《閉ザサレシ世界ノ冥神》をリンク召喚可能とする為のカードです。

《魔導耀士 デイブレイカー》
アニメで遊戯(アテム)が使用していた《魔導戦士ブレイカー》の派生カードであることを意識して優先的に投入しています。
リンク素材の用意、リンク先への特殊召喚共にこのデッキでは条件を満たしやすく、《超魔導戦士-マスター・オブ・カオス》の要求する光属性モンスターの条件も同時に満たしています。

《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》
原作で遊戯(アテム)が使用していた《カオス・ソルジャー》の派生カードであることを意識して優先的に投入しています。
《ブラック・マジシャン》を素材にすることで耐性を付与できます。

《破械雙王神ライゴウ》
素材に効果モンスターを要求するリンク4が多い中、《ブラック・マジシャン》を素材にできる貴重なカードです。
《マジシャン・オブ・カオス》による破壊をトリガーとして、更なる除去を行えます。

《閉ザサレシ世界ノ冥神》
相手モンスター1体を巻き込んでリンク召喚できます。
《I:Pマスカレーナ》経由で相手ターンに展開することもできます。

5. 不採用のカード群

《千本ナイフ》
原作ではアテムでなくパンドラが使用したカードで、劇場版THE DARK SIDE OF DIMENSIONSでは、海馬くんが考えた最強のアテムが使用しています。
除去できるのは1体だけですが、あると《永遠の魂》からモンスター除去と魔法・罠除去を状況に応じて呼び分けることが可能になります。
デッキ枠を40枚に収める都合上、外れました。

《黒・爆・裂・破・魔・導》
《師弟の絆》からサーチ可能な全体除去です。
速攻魔法である関係で、《師弟の絆》からセットした場合、そのターン中の発動ができない難点を抱えています。
相手ターン中の全体除去はそれはそれで有用なので十分選択肢に入るカードですが、デッキ枠の都合で外れたカードです。

《黒・魔・導・連・弾》
《師弟の絆》からサーチ可能な打点増強です。
《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》のような、対象耐性持ちの高火力モンスターを突破する手段として有用なカードです。
こちらもデッキ枠の都合で外れています。

《マジシャンズ・コンビネーション》
フィールドと墓地の《ブラック・マジシャン》《ブラック・マジシャン・ガール》を入れ替えることでパーミッションを行える永続罠です。
《マジシャンズ・ロッド》等でサーチも利きますが優先度は低く、引き込む前にデュエルが終わる場面が多いこと、パーミッション自体が好ましい効果ではないこと、発動条件が満たしにくいこと、デッキ枠に余裕がないことなどの要因で外れています。イラスト的には入れたいカードです。

《守護神官マナ》
高橋和希デザインゆえにマスターデュエル未実装です!!!!

《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》
《マジシャンズ・ナビゲート》から特殊召喚する候補の一つです。
《クロニクル・マジシャン》と入れ替わりました。
こちらはこちらで蘇生効果が有用です。

《暗影の闇霊使いダルク》
召喚条件も満たしやすく、展開に寄与し得るリンク2で、候補に入ります。
入れる場合はリンク3も欲しいですが、枠がギリギリの為に外れています。

《神聖魔皇后セレーネ》
ダルクを入れるなら一緒に入れたいリンク3の筆頭候補です。
でも「はいはいアクセスコード」はしたくない…。

《降竜の魔術師》
《マジシャンズ・ナビゲート》から特殊召喚可能であると共に、ドラゴン族に変更可能である為、《竜騎士ブラック・マジシャン》の素材になれます。
素引きしてもペンデュラム効果で素材調達をサポートできます。
直接のサーチが利かないことと、優先度が低いことから外れています。

《マインド・オン・エア》
YOUの手札は丸見えデース!!

《トポロジック・ボマー・ドラゴン》
リンク4の候補の一つです。
効果の発動条件も満たしやすく、モンスターの全体除去としては優秀ですが、デメリットが大きい関係で採用を見送っています。

《ティマイオスの眼》
サーチが利きません!!!!

《切り裂かれし闇》
サポートとしてはかなり優秀な永続魔法でアドバンテージの塊ですが、サーチが利かないこと、デッキ枠に余裕がないことから外れています。
引ければ相当に有力なカードです。

6. 所感

原作主人公の相棒に相当するテーマゆえか、【青眼の白龍】や【真紅眼の黒竜】と較べて縛りが緩く、動きやすい印象の強いサポートが目立ちます。

《究極融合》… バトルフェイズ中には発動できない融合魔法
《黒魔術の秘儀》… 攻撃後に発動しての追撃が可能
《真紅眼融合》… 発動するターン、他の召喚・特殊召喚が行えない

《真の光》… 《青眼の白龍》に対象耐性を付与する
《永遠の魂》… 《ブラック・マジシャン》は効果を受けなくなる
《真紅眼の鎧旋》… 場にレッドアイズを要する上、耐性付与はない

《滅びの爆裂疾風弾》… モンスター全破壊、《青眼の白龍》は攻撃できない
《黒・魔・導》… 魔法・罠全破壊、《ブラック・マジシャン》に制約はない
《黒炎弾》… カードアドバンテージを失うバーン、しかも攻撃できない

【青眼の白龍】… テーマ内のカードでは魔法・罠への対処が困難
【ブラック・マジシャン】… テーマ内でモンスター・魔法・罠に対処可能
【真紅眼の黒竜】… テーマ内に除去できる手段自体を殆ど持たない

など、上位互換に近い動きを可能としており……真紅眼ひどくない……?

展開、除去、盤面の立て直しなど、デッキとして必要となる要素がテーマ内で完結している完成度の高いデザイナーズデッキで、それ故に誰が組んでも似たような構築に落ち着きがちなのではないかと考えています。

ストラクチャーデッキの発売で構築するプレイヤーが多くなると推測され、特に明日から始まるイベント「レジェンドアンソロジー」ではエクストラデッキの汎用枠の一部しか規制がかかっていない為、かなり多くの人が【ブラック・マジシャン】を使ってくるのではないでしょうか。

せっかくの一周年イベントなので、是非とも組んで遊んでみてください。


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