【遊戯王デッキ紹介】青葉あげは@キルンベルガー第3法

本記事は、以下を前提とした内容となります。

  • 執筆時点(2022/12/26)のレギュレーション

  • マスターデュエル用

  • ファンデッキ

1. 青葉あげはって誰?

かつてPSPで発売されていた「遊戯王タッグフォース」シリーズの、4~6+SPに登場するモブキャラクターの1人。
最近はクロスデュエルにも登場している。

青葉あげは(タッグフォースSP)

タッグフォース6で専用グラフィックを獲得し、ヘアバンドを装着した。

【参考】
遊戯王タッグフォース4 青葉あげは

【参考】
遊戯王タッグフォース5 青葉あげは

【参考】
遊戯王タッグフォース6 青葉あげは

2. どんなデッキを使う?

使用デッキは【チューナービート】。
チューナーモンスターをシンクロ素材を行う為のパーツとして採用するのではなく、チューナーサポートを活用しながら、チューナーモンスター自体を戦力に組み込んだタイプのデッキ。
相手モンスターのコントロール奪取や、罠モンスターの展開によってチューナー以外のモンスターを確保し、EXデッキからの特殊召喚にも繋げてゆく。

※例外として、タッグフォースSPではシンクロ召喚の存在しないDM次元に配置された為に【チューナービート】でなく【チェーンバーン】を使う。

デッキ名の変遷(4~6)は以下の通り。

  • ウェル・テンペラメント

  • 改良ミーントーン

  • 完全純正律

チューナー使いゆえか、音楽の調律に関係する用語から取られている。
今回のデッキ名は同じく調律に関係する「キルンベルガー第3法」から取ったもの。

3. デッキレシピ

メインデッキ(40枚)
エクストラデッキ(15枚)

4. デッキコンセプト

【チューナービート】からは離れた、【相剣】デッキの亜種となる。

  • チューナーモンスター自体が活躍すること

  • コントロール奪取したモンスターを素材に展開する動きがあること

  • 罠モンスターを活用する動きがあること

  • 相剣Sモンスターはファンデッキとしては制圧力が高く、それ単体で完封しかねない為、コンセプトを逸脱した制圧目的での採用は行わないこと

  • 相手の妨害自体を目的として、本来のコンセプトから逸脱した汎用妨害札や汎用全体除去を採用しないこと

上記を構築時の基本ルールとしている。

元となるデッキは「メインデッキのモンスターのほぼ全てがチューナーモンスターである」前提があったが、本デッキでは大型チューナーモンスターにして、チューナーをコストとしたコントロール奪取を駆使する《獄落鳥》をエースモンスターとして採用する前提をまず置き、それを効率よく展開しつつ、継続的にコストを確保できる構築を目指した。

奇しくも【相剣】は「チューナーモンスターを内蔵し、メインデッキにチューナーを採用せずともシンクロ召喚が行えるモンスター」で構成された、言わば正反対とも言える性質のシンクロテーマでもあった。

5. 回し方

本構築は《獄落鳥》の展開に向け、複数のターンに亘ってパズルのようにシナジーを掛け合わせて準備を整えていくデッキとなる。

  1. 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》と《憑依解放》を揃えた状態でターンを終える

  2. 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果で相手メインフェイズに自身と相手のカードを破壊し、《憑依解放》で《白の聖女エクレシア》をリクルート、そのままリリースして《妖眼の相剣師》をリクルート

  3. エンドフェイズ、このターン融合モンスターである《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が墓地へ送られている為、墓地の《白の聖女エクレシア》は手札に戻る

  4. 《相剣師-泰阿》から《相剣大師-赤霄》をシンクロ召喚、《相剣師-泰阿》が《獄落鳥》を墓地へ送り、《相剣大師-赤霄》が《大霊峰相剣門》を手札に加える

  5. 《大霊峰相剣門》で《獄落鳥》を蘇生、手札の《白の聖女エクレシア》をコストにして《獄落鳥》がコントロール奪取を行う

というのが本デッキでやりたい基本的な動きとなる。

5-1. 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の出し方

手札:《黒き森のウィッチ》

  1. 手札から《黒き森のウィッチ》を通常召喚

  2. 《黒き森のウィッチ》を素材に《聖魔の乙女アルテミス》をリンク召喚

  3. リンク素材として墓地へ送られた《黒き森のウィッチ》の①が発動、デッキから《デーモン・イーター》を手札に加える

  4. 奇遇にも場に魔法使い族(聖魔の乙女アルテミス)がおり、召喚ルール効果である《デーモン・イーター》の②は《黒き森のウィッチ》の制約を受けない為、手札から《デーモン・イーター》を特殊召喚

  5. 《聖魔の乙女アルテミス》《デーモン・イーター》の2体でオーバーソウル、デッキから《憑依覚醒-デーモン・リーパー》を覚醒召喚

  6. 《憑依覚醒-デーモン・リーパー》の②で墓地から《黒き森のウィッチ》を特殊召喚

  7. 《憑依覚醒-デーモン・リーパー》と《黒き森のウィッチ》を素材に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》をリンク召喚

  8. 《憑依覚醒-デーモン・リーパー》の③で、デッキから《憑依解放》を手札に加える

  9. 《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の②を発動、デッキから《フュージョン・デステニー》を墓地へ送り、デッキの《D-HERO ディシジョンガイ》《D-HERO ダッシュガイ》を素材に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を融合召喚

  10. 《憑依解放》をセットし、ターンエンド

5-2. 《獄落鳥》の出し方

手札:《龍相剣現》

  1. 手札から《龍相剣現》を発動、デッキから《相剣師-泰阿》をサーチ

  2. 手札の《相剣師-泰阿》を通常召喚

  3. 場の《相剣師-泰阿》の①を発動、墓地の《龍相剣現》を除外し、☆4チューナートークンを特殊召喚

  4. ☆4《相剣師-泰阿》に☆4トークンをチューニング、☆8《相剣大師-赤霄》をシンクロ召喚

  5. シンクロ素材として墓地へ送られた《相剣師-泰阿》の②を発動、デッキから《獄落鳥》を墓地へ送る

  6. シンクロ召喚した《相剣大師-赤霄》の①を発動、デッキから《大霊峰相剣門》を手札に加える

  7. 手札から《大霊峰相剣門》の①を発動、奇遇なことに場にシンクロモンスター《相剣大師-赤霄》が存在しており、幻竜族モンスターを対象とできる状態であるため、墓地から《獄落鳥》を特殊召喚

5-3. 《憑依解放》の使い方

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果の発動にチェーンして発動するのが基本となる。
《D-HERO デストロイフェニックスガイ》による自身の破壊を③を発動させるトリガーとして利用するのが主な使い方となる。

③の効果は「守備力1500の魔法使い族モンスター」をデッキから特殊召喚することが可能であるため

  • 《白の聖女エクレシア》

  • 《絶火の大賢者ゾロア》

の2種類のチューナーをリクルートしてくることができる。

中でも《白の聖女エクレシア》は、②で相手ターンであっても自身をリリースして任意の「相剣」モンスターのリクルートに繋げることが可能であると共に、③の「このターンに融合モンスターが自分の墓地へ送られている場合」を、トリガーとした《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が既に条件を満たしている為、エンドフェイズに手札に戻れるという点で非常に相性が良い。

  • 《白の聖女エクレシア》の②はメインフェイズにしか発動できない為、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の破壊はメインフェイズの内に行っておく必要がある

  • 《憑依解放》で特殊召喚する際の表示形式は「攻撃表示」にする必要がある(「守備表示を選択した場合、裏側守備表示で特殊召喚されてしまう為、効果を発動できない)

上記の2点については注意が必要。
なお、メインフェイズ中でのを怠り、エンドフェイズに《白の聖女エクレシア》を特殊召喚してしまった場合も、墓地の《デーモン・イーター》の効果で破壊して墓地へ送ることで回収を行うことは可能。

なお、本構築には枠とコンセプトを外れる関係で入れていないが、《憑依解放》のリクルート先としては

  • 《教導の聖女エクレシア》→《教導の騎士フルルドリス》

  • 《お注射天使リリー》

などが有用な候補として存在する。

5-4. 《邪竜星-ガイザー》の使い方

後攻等で相手の場にカードが存在する場合の展開パターンの1つ。

手札:《龍相剣現》

  1. 手札から《龍相剣現》を発動、デッキから《相剣師-泰阿》をサーチ

  2. 手札の《相剣師-泰阿》を通常召喚

  3. 場の《相剣師-泰阿》の①を発動、墓地の《龍相剣現》を除外し、☆4チューナートークンを特殊召喚

  4. 除外された《龍相剣現》の②を発動、トークンのレベルを1下げる

  5. ☆4《相剣師-泰阿》に☆3トークンをチューニング、☆7《邪竜星-ガイザー》をシンクロ召喚

  6. シンクロ素材として墓地へ送られた《相剣師-泰阿》の②を発動、デッキから《獄落鳥》を墓地へ送る(任意)

  7. 《邪竜星-ガイザー》の②を発動、自身と相手フィールドのカード1枚を破壊する

  8. 破壊された《邪竜星-ガイザー》の③を発動、デッキから《タツノオトシオヤ》を特殊召喚

  9. 《タツノオトシオヤ》の効果を3回発動、トークン3体を特殊召喚

  10. トークン2体を素材に《I:Pマスカレーナ》をリンク召喚

  11. トークン1体を素材に《リンクリボー》をリンク召喚

  12. 《タツノオトシオヤ》と《リンクリボー》を素材に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》をリンク召喚

  13. 《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の②を発動、デッキから《フュージョン・デステニー》を墓地へ送り、デッキの《D-HERO ディシジョンガイ》《D-HERO ダッシュガイ》を素材に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を融合召喚

  14. ターンエンド

  15. 相手メインフェイズに《I:Pマスカレーナ》の①を発動、《I:Pマスカレーナ》と《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を素材に《双穹の騎士アストラム》をリンク召喚

※《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を経由せず、《ヴァレルロード・ドラゴン》を展開してもよい。

5-5. 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》の使い方

※本カードは汎用妨害札としても悪用できてしまう為、基本的には採用したくないカードでもあるのだが、以下の動きを可能とする☆8シンクロ名誉マギストスはこのカードしか存在しない都合上、採用されている。

墓地:《聖魔の乙女アルテミス》(5-1. 展開の後)

  1. 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をシンクロ召喚(《相剣師-莫邪》、《相剣師-泰阿》などによる展開を想定)

  2. ①の効果で《聖魔の乙女アルテミス》を装備

  3. 装備されている《聖魔の乙女アルテミス》の②を発動、デッキから《結晶の大賢者サンドリヨン》(または《絶火の大賢者ゾロア》)をサーチ

※《結晶の大賢者サンドリヨン》の召喚・特殊召喚で《三賢者の書》をサーチすることができる。
《三賢者の書》があれば《黒き森のウィッチ》《白の聖女エクレシア》を召喚権を使わずに展開可能となる為、恩恵が大きい。

6. その他のカード

6-1. 《イージー・チューニング》

実際に青葉あげはが愛用していたチューナーのサポートカード。
墓地のチューナーを除外し、モンスター1体の攻撃力を除外したチューナーの攻撃力分だけ永続的に上げる速攻魔法。
コストとして使用するカードには《タツノオトシオヤ》を想定している為、期待される上昇値は2100と大きく、コンバットトリックとして優秀。
デュエル中、使えて1度、かつ使って1度であった為、1枚の採用。

6-2. 《精神操作》

実際に青葉あげはが使用していたコントロール奪取。
個人的に「青葉あげはと言えばこのカード」の印象が強い1枚。
相手モンスターを取り除く手段としても展開補助としても非常に優秀。

6-3. 《憑依覚醒》

《憑依覚醒-デーモン・リーパー》のサーチ先の分岐。
単純な打点増強カードとして非常に優秀。

6-4. 《死者蘇生》

実際に青葉あげはが使用した墓地からのコントロール奪取。
展開力の底上げに寄与するシンプルなパワーカード。

6-5. 《メタモル・クレイ・フォートレス》

青葉あげはが罠モンスターを用いた戦術を使ったことから採用した枠。
元々の罠モンスターの用途はシンクロ素材の確保の一環であったが、本デッキではそうした用途での採用はあまり必要ない為、役割が異なる。
本カードの役割は追撃であり、打点が足りなかった場合のフィニッシャーとしての活用にある。
また、コントロール奪取したモンスターの返却を踏み倒す際にも活躍する。

6-6. 《大捕り物》

永続罠カード版の返さない《精神操作》。
タッグフォースの時代にはそもそも存在していなかったカード。
相手ターンに出てきたモンスターの起動効果を使われる前に奪って壁にしたり、足りないリンク素材を賄ったりと用途は幅広く、非常に優秀。
但し、ピックアップのないURカードである関係で入手が困難。

6-7. 《闇の増産工場》

コントロール奪取したモンスターや、回収したもののそのターンに使わなかった《白の聖女エクレシア》、素引きしてしまった《タツノオトシオヤ》などをドローに変換できる永続罠であり、フェイバリットカード。
必須ではなく、複数引いた場合に事故となる為、1枚の採用。

6-8. 《真血公ヴァンパイア》

本デッキ唯一のエクシーズモンスター。
コントロール奪取したモンスターを☆8扱いとしてエクシーズ素材に利用することができ、《獄落鳥》でコントロールを奪えばそのままエクシーズ召喚に繋ぐことができる為、採用している。
相手モンスター2体のコントロールを奪った場合、その両方を素材としてエクシーズ召喚を行うことも可能。

7. 所感

青葉あげははタッグフォースをプレイしていた頃の推しの1人であり、【チューナービート】は当時でも珍しいデッキタイプだったこともあって印象の強いキャラクター。
よく《緊急テレポート》から特殊召喚された《クレボンス》に耐えられた覚えがある。

現代では相手モンスターを巻き込んだ特殊召喚はシンクロ召喚に限らず、エクシーズ召喚やリンク召喚の素材として活用することができる為、コントロール奪取からの巻き込みコンセプトは非常に達成しやすくなっている。

反面、チューナーで統一する意義は薄くなってしまったこともあり、純然たる【チューナービート】としての構築ではなく、自ら戦えるチューナーと、チューナーサポートを採用しつつ、コントロール奪取を主体としたコンセプトに主眼を置いた構築となった。

レアリティの高いカードが多く、ピックアップされるシークレットパックのないカードばかりで構成されている関係で、構築コストが非常に高いものとなってしまっているのが難点ではあるが、テーマ外のカード同士でシナジーを形成し合う動きは楽しいものがあり、是非試してみていただきたい。


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