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15年の歴史を持つサロングループが、業界参入3年目の会社への参画を決めた理由とは。

関西エリアで急成長を続けてきたFERIAグループが、2023年8月よりシェアリング・ビューティーにジョインしてくださいました。熱い思いを持ったFERIAの皆さんが掲げるビジョンにシナジーを感じ、今回の合併となりました。
それぞれの経営陣がどのような思いで今回の決断に至ったか、その背景に迫ります。(オンラインインタビュー:2023年8月末日)

■参加者: ※FERIA役職は取材当時のものです。
株式会社FERIA 
野島 悠介(代表取締役社長)    
中石 敬太(副社長)    
里深 圭吾(執行役員)

株式会社シェアリング・ビューティー  
坂本 幸蔵(代表取締役社長)
西 仁史(執行役員)

人の可能性を引き出すことを目指した経営

ーまずは野島さん、FERIAグループはどんなサロンか教えていただけますか?

FERIA 代表 野島悠介さん

(野島さん)
はい、FERIAという社名はイタリア語で「バカンス」という意味です。
「お客様に美と元気を」「『ありがとう』と『大好き』がいっぱいのお店へ」という理念を掲げながら、「人の可能性を引き出す」ことを目的に15年間やってきました。

人の可能性を引き出すためには、特に若い人にできるだけ早く活躍してもらいたいと考えています。
スタイリストとしてお客様を担当することが最もモチベーションも高く、パフォーマンスも上がると思っているんです。入社した美容師にはだいたい入社から1年半でデビューしてもらっていますね。
管理職に関しても同じで、サロンを良くしたいという意欲や意志があれば、20代前半から任せます。メンバーからしたら、FERIAのチャンスの多さというのは、魅力に感じてもらっているんじゃないでしょうか。

ースタイリストデビューまでの期間、早いですね!関西エリアのデビュー期間の平均はどのくらいですか?

(野島さん)
関西は2年くらいが平均という印象です。
この期間を定めた7年前は、早くても2年半くらいという印象でした。

(里深さん)
自分も21歳で中途採用で入社して、1年3か月でデビューさせてもらいました。その後、もっと驚いたのが23歳で、未開発エリアの新規オープンサロンの店長を任せていただいたことです。20代前半で管理職を任せていただいて、そのおかげで考えることがあまりにも多くなって、成長できた、という実感があります。

FERIA 執行役員 里深 圭吾さん

ーすごいですね。なぜそれが実現できているんでしょうか?

(里深さん)
業務時間中も練習時間をとっていいことになっています。営業時間中に抜けることで、その日の生産性は低くなりますが、「生産性」を大きくとらえると、メンバーのモチベーションも高まり、結果スタイリストがたくさん在籍している方がお客様を多く担当できると思うんですね。
サロンワークにおいては若干痛いのですが、経営的に美容師本人たちをより豊かにしていくために、舵を切っています。


ー創業者の野島さんの思いが現場にも浸透されていますね。野島さんはどんな方ですか?

(里深さん)
野島は美容業界に携わる人を豊かにしたいっていう思いを大切にしてくれています。本当に厳しさも愛情も盛りだくさんのハートフルな人間だと思いますね。

(中石さん)
野島は僕にとってはTOPと2番手でありながらも、プライベートな相談もできるお兄ちゃん的だったり、厳しい親父的な存在だったりします。フランクな仲間でもあり、チャーミングな一面もあって、ここまで引っ張ってきてくれたのは間違いなく野島のおかげです。

公私ともに仲のいい経営陣のみなさん

人として高みを目指せる美容師という仕事

ー皆さんは、「美容師」という仕事に関してはどんな思いをお持ちでしょうか?

(中石さん)
僕が美容師を目指したのは、「モテたい」「カッコいい」という多少不純なところはあるのですが(笑)、実際にやってみると、技術だけではなく、人との応対力・人間関係など身に着けるところが多いです。
谷も山も経験する中で 人として高みに行ける職業かなという風に思います。

FERIA 副社長 中石敬太さん

(里深さん)
僕は実は18歳まで美容室に行ったことがなかったんです。
就職のときに、兄のように慕っていた理容学校の学生だった親類の突然死について思い出して。彼が熱中した仕事はどんなものなんだろうと思って美容師に興味を持ったのがきっかけです。

それから店長指名で何十店舗もサロンで髪を切ってもらって、美容師の思いを聞いて回りました。皆さんの沢山の思いを知った上で決めたのは、お客様と長い関係を築いていく美容師になろうというものでした。それにはやはり、お客様に信頼していただかないとだめだと思いますし、技術的な部分も絶対必要です。とにかく人間力をすごく大切に美容師をしようと決めて、今までやってきましたね。

(野島さん)
お客様の「こうなりたい」を叶えていく、美を提供していくことが僕らのお仕事ですが、それらを通して、お客様が元気になって自信を持っていくことを実現したいと思っています。
「流行りの髪型にしたい」などその時におっしゃってくださるオーダーはあるものの、実際にその言葉の裏に、何を望んでいるのかという思いを見て形にすることが大事かなと思っています。
自信が持てたり、恋人ができたり、結婚したり、相手の人生のプラスになることに関われることが喜びですね。

ーここまで順風満帆にサロン展開をされてきたFERIAさんだと思うのですが、今回の協業に対してどうお感じになっていますか。

(野島さん)
僕らの創造できなかった世界があり、僕ら社員のチャンスが潜んでると思っています。特に時代変化への対応の早さに期待したいと思っています。僕自身、今後もサロン展開を続けていくという「横への成長」はできると思っていたのですが、「縦への成長」に対して頭打ち感を感じていました。
今日の営業には関係ないよね、ということから逃げていては成長はありません。
デジタルを活用した取り組みもそうですし、我々が追いついていないところをぜひご一緒させていただきたいです。
また、メンバーが東京に進出したい、海外にチャレンジしたいとなったときに、その未来を提案できるスピード感は、2倍・3倍と違ってくると思います。

(中石さん)
僕も今回の出会いをとても嬉しく思いますし、美容業としての新しい可能性を感じています。
“美容師“が活躍をしていくために求められるスキルは、幅広くなっていることに課題を感じていました。
待っていたらお客さんが来てくれているわけではない時代。
技術力、接客力に加え、SNSでの発信、集客、自己ブランディング力など、待ちの美容師から攻めの美容師へとマインドも含めて成長させて、様々なニーズに応えられる一人前の美容師に育成したいと思っています。

時代の変化を感じながらも若い人材の気持ちや気分、心をキャッチしながら、鍛錬をサポートすることは容易ではないと捉えています。


ー現場ではどんな時代の変化を感じていますか。

(中石さん)
僕は教育の責任者もさせていただいてます。最近の子たちは、器用で卒なくこなすことができると思います。ただ実際にお客様とマンツーマンで対峙したときの対応が、どうしても経験がない分、弱くなってしまうと感じます。
お客様の表現1つで凹んでしまうこともあるので、自分の集客したい客層を自らつかんでいって、強いメンタルを培ってもらいたいです。

ーありがとうございます。シェアリング・ビューティーでは集客のためのWEBサービスや店販の支援など多面的にサービス展開しています。その点にご期待いただいたということで、うれしく思います。

(中石さん)
先日、坂本社長、西執行役員とお会いした際に、“美容師がより現場に集中できる環境にしたい“と言われてたのがとても印象的で、これまでのFERIAの環境を作ってきた自分達と同じ想いだと言うことが、その目を見て想いを強く感じました。
約15年間、野島や仲間と共に時間も想いも共有してFERIAを築いてきましたが、今の時代には珍しいウェットな人間関係の組織です。
ただ、その密着度合いがあるからこそ温度のあるDXサービスや新しいお客様満足を創造していけると確信しています。想いが強い人は引き寄せ合うんでしょうね。

お店を出すことでその町の質が上がるか

ーFERIAの皆さんありがとうございます。今までシェアリングビューティーとして実現しようとしてきたこと、そして今回の協業にて取り組んでいきたいことについて教えていただけますか。

シェアリング・ビューティー 執行役員 西仁史さん

(西さん)
私たちの店舗展開は、Lano by HAIRから始まり、ここまでに色々な仲間が増えてきました。今大きく掲げているのは、全国でお店を広げ、その後に世界に出て行くことです。

broocHとby HAIRの2つのブランドを展開

名古屋・福岡・広島・そして札幌と出店し、いよいよ全国にお店を出せている状態になってきましたが、関西エリアに関しては難しさを感じていました。関西は、お客様が求める基準も高く、お客様から非常に吟味される印象でした。東京の美容院が関西に出店しても、うまくいかないというお話を聞くことも多かったのです。

そんな中でFERIAさんと出会いました。関西で歴史あるサロンであり、お店へのこだわりも高く、お客様とのコミュニケーションなども、非常に学びが多かったです。業界に入ってまだ2〜3年目の自分たちには、まだ持ち得ていないものを、今回の協業で色々教えていただきたいと思っています。今回一緒にならせていただくことをうれしく思っています。

ーお店へのこだわりっていうのはどんな点に感じましたか?

(西さん)
普通は同じような店舗を作っていくことが多いのですが、FERIAは個性があるテナントを活かしていますよね。1階から2階に向けてレンガを組んでいるのは…緑地公園店でしたっけ?

(中石さん)
そうですね。緑地公園店です。

(西さん)
どんなこだわりがあるのか、ご担当の中石さんからぜひ伺いたいです。

(中石さん)
店舗内装は、ストレートに言うと丸投げいただいて(笑)。そのエリアの周辺の方が、どんなメンタルで、普段どんな服装してるかとか、どんな美意識で、どんな価値観があるのかっていうのを実際に足を運んでアナログに見ています。

緑地公園オープンの時には、PC作業をするだけでも、緑地公園のスタバに行ったりしました。お店を出すときに大事にしているのは、「そのエリアの質が上がるか」という基準です。「この町にきてくれてありがとう、この町がおしゃれになった」と、地元の方に思っていただけるかどうかを大事にしています。

FERIA 緑地公園
キッズスペースも完備


ー坂本さんは今回FERIAさんとの協業をなぜ決断されたのでしょうか。

シェアリング・ビューティー 代表 坂本幸蔵

(坂本さん)
野島さんとお話していて、とにかく目指す方向性や実現したい未来が似ていると感じました。「可能性を開花させる」という思いを、メンバー・お客様に提供されていて、中石さん・里深さんたち経営陣も同じ思いを持ったチーム力が本当に素敵だなと思いました。

美容室の仕事の意義としても高い次元で共感しています。先ほど中石さんがおっしゃっていた出店の際の、「町を作っていく・活性化させていく」ことや、「人々を豊かにさせていく」という観点が、本当に素晴らしいなと思っています。僕たち経営陣が美容業界出身ではないので、皆さんには僕たちが持っていない力をぜひ遺憾なく発揮していただきたいです。
我々は、デジタル面、経営における自動化などを提供していきます。また我々が型化している励ます・教えるなどのマネジメントに対するスキルも共有し、両社の良いところをマージできればと思っています。

美容師の職業としての可能性をアップデート

ー業界全体に対する提案があればぜひお願いします。

(里深さん)
まだまだ僕が話せるような立場ではないのですが、美容学校から変わるべきかなとは思っています。
2年間美容学校に通う目的は、国家資格をとるためではあるのですが、美容師としての愉しみもわからず、現場では使えない技術を学ぶ、無駄な2年間に感じてしまいます。小手先の技術だけでは現場では使うことができないんです。
現場では営業・技術・接客・マーケティングなど多くのスキルが求められていますが、 国家資格のカリキュラムだけが2年間に詰め込まれているので、3年生にしても良いと思います。

僕たちの現場ではアシスタントの無駄をとにかく省いて、入社したあとの7月からカットができるようにしています。通常のお店では2年下積みをして、3年目からようやくカットを始めるところもあります。1つをクリアしたら次の技術へ行くということではなく、カラーが得意であればカラー専門として極めて、5か月程度でデビューすることもやぶさかではありません。個性を認めることで個々のモチベーションを高め、技術力も高めることができます。いろんな専門医が集結している大学病院のようなイメージを目指したいと思っています。 

(野島さん)
シェアリング・ビューティーでは、美容師の可能性を引き出すという観点を持ってくれているので、ぜひそこをご一緒したいです。今の市場の中で、限られたパイを取り合うだけの美容師ではなく、美容師の職業としての可能性をアップデートしていきたいです。稼げる美容師になれれば、もっともっと美容師は幸せになれるので、客観的な目線でサポートくださることに非常に期待感を持っています。

(坂本さん)
これから私たちが具体的に目指す未来は3つあります。

1つ目は美容師のキャリアを確立させていくことです。お店を持つということも素晴らしいキャリアですが、それだけでなく、今までの経験を生かして、サロンワーク以外の多くの事業を束ねる本社全体のマネジメントのチャンス、役職者にもなっていっていただきたいです。

2つ目は、西さんも言っていましたが、グローバルにも攻めていきたいですね。世界基準でとらえても、日本の美容における技術力は確立されてきていると思います。現在、出店で台湾・中国の方などと話をしています。

3つ目は、美容師の方々の活躍機会の創出を最大化させるための、講師登用・物販・商品開発・SNSの強化などの支援です。お客様への施術以外のパフォーマンスも僕たちだったらできるなと思っています。

その背景として、美容室は全国25万店舗を抱える日本最大級の店舗ビジネスであり、超オーバーストア化している産業。美容師を目指す人も減少傾向。美容室を通じて、何を提供していくのかということを考えると、まず、現場の方々の持てる可能性を拡大すれば、美容室自体が新しい産業になり得るというふうに思っています。

時代の変化を捉えて産業自体の可能性を広げていきたい。今、美容室は人々のライフラインとして認められるようになっていますが、さらに、この産業があることで人々を豊かにしていきたいですよね。僕たちが参入することで、人が豊かになり、町が豊かになり、社会が豊かになればいいなと思っています。

そして今後も同じ思いを持ってやっていただけるような方々と、どんどん協業していきたいなと思ってます。

ーそれでは最後に、どんな方とこれから一緒に働いていきたいでしょうか。

(中石さん)
シェアリングビューティー”さん”の方針にもあるように・・・やっぱりチャレンジャーな人がいいですね…

(坂本さん)
中石さん!中石さんももう「シェアリング・ビューティー」です!!(笑)

(中石さん)
そうですね(笑) わたしたちの方針にもあるように、挑戦できる人がいいな、というふうに思っています。この仕事は挑戦をやめた途端から、こなす作業になってきてしまうと思います。自分の仕事だけやって終わり、といったように、どうしても利己的になってきてしまう部分はあると思うんですね。

年を重ねていくときに、挑戦していないと自分がやれることの可能性も少なくなってしまいますが、自分も40歳手前でまだまだいろんなことにチャレンジしたいなと思っています。
そして、個人でというよりもみんなで、チームでやりたいですね。
一人で描けるような未来っていうのは、そこそこ知れていると思うので、チームの力を合わせて、何か成しとげた時にハイタッチできるような、そういうことを成し遂げていけてこそ、生きてきた意味があるなという風に思います。

(里深さん)
どんな方でも歓迎なのですが、一緒に働いて楽しめそうなのは、自ら発言する人。やりたいことを口にしないと始まらないので。そして影響力を持ちたいという人とぜひ働きたいと思います。

(西さん)
美容師じゃない私たちから見ると、美容師は職人でありアーティストでもあるんですよね。そのバランスが、他の職業にはない美容師の仕事の魅力だと思っています。
もちろん技術でうまくいかないとか悩むことは多いと思うのですが、そういった悩みをポジティブに考えて、将来をよくしていくことや、お客様をきれいにすることにちゃんと向き合える方と、一緒に働けたらいいなと思っています。


ーみなさん、インタビューありがとうございました。ここから一緒に、お客様に最高に喜んでいけるお店作りをしていきましょう!これからよろしくお願いします!


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