見出し画像

野生を探求する男達が謎パワーを感じた山で一晩泊まる前日談「再野生化の魔法」vol.2

「再野生化の魔法」と言う言葉をきっかけに生まれた高宕山合宿企画

春、千葉県富津市豊岡にあるちんたら村で開催したリトリートイベントでひょんなことから早朝にイレギュラー的に参加者の方と登った「高宕山」

その登山道にある巨石や洞穴、山々の景色に何かしらのパワーを感じ「この山で一晩過ごしてみたい。ここで滞在してみたい。そして自分は何を感じどうなるんだろうか」という謎の欲求を持ってしまった3人。3人の中で共通するのかしないのかも怪しいけれども何かを感じるその感覚を頼りに「野生」とは何か「再野生化とは何か」そして「再野生化の魔法とは何か」をそれぞれで感じ語り合う山合宿を行うこととなりました。

今回の収録はその正体のわからない欲求を山合宿開催前の3人がちょびっとだけ共有しあう談話となっております。

この記事は2023年10月14日(土)に開催されたzoom
談話を文字に起こした内容です。

トークしているのは「ラーニングビレッジ」代表の澤正輝(さわ・まさき)さんと「カイタク団」団長の滝沢久輝(たきざわ・ひさてる)さんと「ちんたら村」村長の山本和志(やまもと・かずし)の3人。

2023年11月11.12日に開催される高宕山合宿に向けての心境や期待を語り合う前日談となります。

自らの感覚と身体性を頼りに「再野生化の魔法」を探っていこうとする3人の話を楽しんでいただければと思います。



山本(以下、かずしさん):
いきなりであれなんですけど、収録前に実は「野糞」について話をしてました笑

滝沢(以下、チャーリーさん):笑 確かに野糞がキーワードでしたね笑

山本:「野糞」というキーワードの他に「怖さ」というのもありましたね。

滝沢:今回は山に登って籠って一日過ごしてみようということを考えていて、僕が真っ先に頭をよぎったのは「これは野糞コースか」ということなんですよね。

息子を連れて行くというところもあって、大人だったらちょっと我慢できるけど、子どもってうんこの計画性ってないから、普段便利な生活で安全で綺麗なトイレしか経験してない子どもがいざとなったときに大自然の中で用を足すということができるのか結構懸念として考えていたんだけど、実は人間的に大事な成長点なんじゃないかという気もしていて…まさに野生化のテーマの根幹にあるような気がしているんですよね。

山本:僕は今回大人の人たちにも野糞を経験してほしいなと思っていいるんですよね。

ちんたら村を作り始めた最初の頃はトイレもなくってみんなで山の敷地に野糞していたんですけど、ここでしないでよ^^;っていうところで野糞する人がいたり、しっかり埋めない人が居たり、野糞はどこでするか場所を選ぶ必要があるんですけど、お二人どうですか、今回実際にあの山でうんちすることを想像した時に場所についてどうですか?困りませんか?

滝沢:確かに、ちょっと道は外さなければいけないね。

澤(以下、澤さん):視界から外れていたり、崖とか危険な場所じゃダメだし、ちょっと斜面になってる場所がいいのかな?

山本:地元の人に聞いた話だと、茂みになってるところって隠れて野糞できるんだけど、そういうところはマムシがいて噛まれちゃったり、マダニがいたするそうで、どこで野糞をするかって安全管理の面もありますし。

一方で他の人に自分のうんちの匂いって嗅がれたくないし、マーキング的な意味でもどこでしようか考えてみてほしいんですよね。きっと協力しないとできないと思いますし、他の人と被ったりすることもあるかもしれないですしね。

そういう意味で大人にも野糞は是非してほしいなと笑

滝沢:ちなみに澤さんは前回(4月)朝あの山に登ったじゃないですか?あの時以来ですか?


春に開催されたちんたら村リトリート

:山はあの時以来ですねぇ。

滝沢:今回あの山で夜通し過ごしてみるってことに対して今どういう気持ちですか?ワクワク?不安?

:そうですねぇ。あの時、事前のスケジュールにない中、急に早朝起きてみんなで登って数時間過ごして、すごい楽しかったなぁという記憶がめちゃくちゃ残ってるんですよね。その中でいろんな景色を見て「これは過ごしがいがある場所だなぁ」と思って「通り過ぎるには勿体無い、滞在してみたい」と結構思ったんですよ。


山の頂上で時間を過ごす澤さん

滝沢:うんうん。

:あとは山は自分の心理状況もそうだし、晴れてる時や雨の時、その日の天候とか季節とかで姿を変えてゆくから、あの場所にいまの自分が滞在したらどんな状態になるんだろうと言う思い。

そういう純粋な楽しみもあるし、一人で過ごすのではなく同じ興味であの山に何か惹かれている人たちと同じように過ごした時に何が生まれてくるんだろうかという気持ちですね。

怖さよりも何が生まれるんだろう?というワクワク感、期待感がある。何も生まれなくてもいいし、何が起こるのかというところに大きなモチベーションがある。
山自体も純粋に好きなんですよね。

滝沢:澤さんは今まで山で寝泊まりってしたことあります?

:素人だと自覚してやってますけど、3、4年くらい前にみんなで寝泊まりしたことがあったり、ソロで一晩過ごしたこともありますね。

人と峠一つ分離れた距離で、動ける範囲も何メートルとか決められてるような制約のある環境で夜一晩過ごすちょっと独特な体験もしましたね。

滝沢:その話気になるんですけど、そういう環境下で夜一晩過ごすと当時の澤さんはどんな状態になりましたか?

:当時は基本笑ってました笑

山本:澤さんらしい笑笑

:楽しくって笑ってました。だんだん感覚が研ぎ澄まされていくから鳥の声の違いやそのミュージック感が楽しくなったり、どっかで退屈してくるのもわかるんだけど、その時には踊ればいい、歌えばいいんだとか、足を鳴らせばいいんだとかアリの目線になって考えてみようとか、色々考えて基本的には楽しかったです。

一回だけめちゃくちゃ恐怖を感じた時もありました。
何時かわからない。時計とかも持ってない状況で、一瞬「ガサガサ」って音がしたことが気になったんですよ。多分何もいなかったんですけど、ひとたび警戒モードに切り替わると全てがそう見える。
一瞬なんですよ。
そうすると背中がすごい気になったり、360度いつどこから襲われるかわからないと思ったり、崖が近く見えたり、一瞬で安全な場所から不安全な場所に変わる認知の変化にびっくりしましたね。

滝沢:めちゃくちゃ面白い話ですね。

でもなにかのきっかけで「全然大丈夫じゃん。」と思ったり。それこそ魔法が解けるじゃないけど。でもそういうことも起こりうるんだなって学習した上で楽しい場所になる。そんな経験でしたね。

滝沢:かずしくんはどうですか。今回の山籠りに向けての今の感情や期待とか思ってることとかは。

山本:さっき澤さんが何が生まれるのかみたいなワードがあったんですけど、「多分僕もう妊娠してるんですよ笑」

滝沢:どういうこと笑笑

山本:多分五つ子とか妊娠してる気がするんですよね笑
なので多分出産するんですかね?笑
チャーリーさんはどうですか妊娠してる(何か新しいものが生まれる予感)とかの実感はありますか?笑

滝沢:僕は妊娠なのかもしくは脱皮なのか。
実は僕はまだ山で夜泊まるっていうのが初めてなので本当に純粋に初めての試みなんですよ〜。

:ほぉ〜羨ましい。

滝沢なので絶対に今まで経験してなかったことをするので、初めましての感情と経験と物凄いいろんなことを感じれる。今の自分が予測できていない物事を感じることになるんだろうなという期待があるので「脱皮」することが確定しているような気配ですかね。



高宕山調査中に見つけた洞穴に浸るチャーリーさん

山本:殻が柔らかくなって破けそうみたいな?笑

滝沢:脱皮前という期待感がありますね。

山本:話は変わるんですけど
さっきの澤さんの楽しかったんだけど急に怖くなって、不安になりだすといろんな不安が襲ってくるっていう感覚を僕も経験あるんですよ。

なんかその時の不安とか楽しさって日常じゃ感じられない類な気がして、そういう普段感じられない感覚や感情が自分に何かを及ぼしてくれる。
思ってもみない影響があるっていう予感があるんですよね。またそういう経験ってずっと覚えてる気がするんですよね。

:ほんとすごいよね。ほんとにシミくらいのちょっとした怖いかもとか怪しいかもが瞬く間にブワァって広がって行く感じ。あの時の感じは面白かったなぁ。

山本:僕も同じです笑
あの時は怖かったんだけど、今はおもしろかったなと。

:本能というか、普段必要としてないけどやっぱりそのスイッチが入るんですかね。


山本
:あとそういうのを感じるとその後の日常が今までと少し違って感じられる。みたいな要素があると思うんですよね。怖さから解放された時に安心感と日常の幸せを感じるみたいな、山登りとかも怖さみたいな意味で言うと、そこから解放されたり安心の場に来た時の気持ちってすごいおっきいですよね。

滝沢:「怖さ」みたいな話をしてきましたけど、楽しみって観点から話すと
暗いが故に普段感じられない美しさとか、暗さの美しさみたいなものとか
静けさとか聴覚だけじゃない視覚の静けさっていうのもあるじゃないですか。

何も見えない暗さって静かさを助長するだろうなって

かえって静かさがあるから葉っぱの音がめちゃくちゃよく聞こえたり風の音がよく聞こえたりだとか、そういうことが怖さになる部分もあるけど感じたことのない美しさを感じるきっかけになるんじゃないかって思っていてそれがすごい楽しみですね。

典型的なものだと空とか星とか。あの山から見える夜空ってどういうものなんだろうってめちゃ期待してます。

:今それで思い出したのが明け方がやばいんですよね

滝沢、山本:あ〜〜〜!

:山の上だから全然違うと思うんですけど、明け方が本当に良くて体感的に何時か全然わからなかったけど、やっぱりちょっとずつ明るくなったり、鳥の声とかブワァって広がって行くあの感じは本当に美しいっす。

滝沢:それは楽しみですね。

山本:当日の月の満ち欠けを調べたんですけど、なんと開催日は月の周期で言うと一番最後の三日月みたいです。
月のサイクルで言うと最後の終わり間近ですね。

滝沢:と言うことは当日はかなり暗めってことだね。ちなみに何かやりたいことってありますかね?澤さんどうですか?

:とにかく何もしたくないんですよ。本当に行為しちゃうとやっぱりそっちの行為になっちゃうから、、、できるだけ何もしたくない。

滝沢:へーなるほど。

:居たいんですよ。居るだけをしたいんですよ。居る中で自然と行為が起きたり誰かと話したりはいいんだけど、、、とりあえず居たいです。

山本:僕も一人でぼーっとする時間はすごいとりたいなぁと思ってますね。

滝沢:うんうん。

:二日三日あったらわからないけど、草とってこれでお茶飲めるのかなとか、これで編んだら何かお皿ができるのかなとか、もうちょっと生活の方に移れると思うんですけど、今回は一泊二日だからそれぐらいの期間だったらただ居たいというかぼ〜としたいというか、かずしさんの話わかるね。

滝沢:それが一番贅沢だしいいかもしれないですね。
山の過ごし方として。

:子どもは多分いろんなことしたいよね。そこでこんなことしちゃうんだって言うのもすごい面白い。めっちゃあそびを発明したり、具体的に事件が起こったり、、、

滝沢:面白いですよね。子どもは何もしないができないですから。
そう言う意味で子どもと一緒行くことで「静」と「動」がありますよね。

:チャーリーさんこれはしたくないなってのあります?

滝沢:したくないことかぁ。あんまりないけど、ちょっとあまりにも一人ぼっちになったら超怖い気がする。

:笑笑。そうなんだ。

山本:あまりにもって言うのはどれくらいですか1時間くらいとかですか?

滝沢:えっとね距離的なものかもしれない。1キロくらい離れた場所で一人で過ごせって言われたらすごいビビるかも笑

山本:でもどうなるかわからないですよね。何か感じちゃって本当に怖くなってそんな時に一人で暗い中過ごしてたら無理って思うのは全然ありうる話ですよね。

:あるある。1日でどこまでなるかわからないけど全然発狂すると思う。本当に山月記の世界だと思うんですよ。

滝沢:あーそうですね。だからそのさっきの怖さの話は僕の中でも大事なテーマで自分の許容度を超える怖さの瀬戸際?みたいなところを攻めるとまたちょっと新しい発見がありつつもあまりにも攻めすぎるとちょっと怖そうだなっていう笑

:すごい独特なフェチズムですね笑

滝沢:笑笑。そうっすね笑

山本:でも今回こんなにこの収録で怖さと言うキーワードが出るとは思わなかったですね。

:確かに僕とかずしさんはその言葉をこれまで持ち込もうとしてなかった。多分今までの話題でもほぼ出てないですよね。

山本:そうですね。全然怖さを求めてないわけでもなくて、あるんだろうなっていう気持ちとあった方がいいんですけど、それはなんだろう。ちょっと前菜とかスープ的なメインディッシュではない位置付けなんですよね。

:わかるわかる。

滝沢:それで言うとかずしくんにとってのメインディッシュ感てなんなんだろうね

山本:僕もわかってないと思います笑
それがなんなのか全然わかってなくて、なんか急に感情がグワァってくる景色を生きてきた中で何回かみたこと感じたことがあるんですよね。理由もなくなんでこんな感動するんだ?なんでこんなにエモいのかってわかんないんですけどそう言うような瞬間と出会えたらいいなというすごいざっくりしたのと、、、

僕の中では今回で終わりじゃなくて泊まってからが新しい何かのスタートなので、そいういスタートを切ってみて次に向けてのワクワク感、期待感が盛り上がるといいなっていう。そんなとこですかね?笑

滝沢:なんかメインディッシュみたいな話でちょっと聞きながら僕も思ったのが、あそこの山を初めて登った時からすごくパワーを感じるというか。

:うーん!わかるわかる。

滝沢:前々からパワーを感じていてこの間、かずしくんと周辺の山の整備やっている人たちの話を聞いたり、お寺の住職さんの話を聞いてわかったのが、元々あの山は仏教の寺ができる前から山岳信仰の信者たちが修行していた山で、いつ頃から信仰されていたのかって言う起源がわからないくらいの歴史があると思うんですよね。

多分ずっと昔の人々から何か繋がれてきたパワーがあそこにはあって、みんな感じてきた何かがあって、今回自分がそこに行って過ごすことで、昔の人たちも感じてきたであろうことと一体になれる期待感とか、おんなじようなことをちょっと触れられるんじゃ無いかとか、そう言うワクワク感がありますね。


山本
:いいですね一体となれるって言う。

まさに僕もそれは期待してますね。
仏教とか神道でもなく自然崇拝みたいなところをホモサピエンス前からなのかわからないですけど、本当に自然に対して僕らヒト族が感じてきたものがあそこには詰まってるんだなぁってことは思うので、ちょっと浪漫的な話で言うと本当に昔の人と同じように過ごして感じて一体となれたらいいなっていう。僕は今はこの地域に住んでる移住者で、もっと地域で昔から暮らしてきた人たちと一体になれたらいいなというそんな願望がありますね。

滝沢ヒト族としてのDNAが反応しちゃうようなものを感じ取れたら、自分が人として生きる上での拠り所になりそうだなって気がするので、そう言うものをちょっとでも掴めたらなっていう期待感がめっちゃありますね。



今回の収録はこのような内容でした。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
探究ははじまったばかり。ピンときたら、ぜひ一座に加わってもらえたら嬉しいです。

来月11月11.12日は高宕山合宿当日です。どのように過ごして何を感じ、それぞれにとってどんな時間となるのか。
気になる方や一緒に山に篭りたいと言う方は3人のなかの誰かに連絡を入れてみてくださいね!

山から下山した際には第三回の「再野生化の魔法」の収録をしたいと思います。

今回の収録動画はこちら↓↓↓
https://youtu.be/nQ6rpJzxQjw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?