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【シェア街インタビュー】新しいことを一緒に始めてみませんか?「SHIBA CURRY」を運営する志波有里枝さん

今回は、シェア街のシェアキッチンで、スパイスカレーのお店「SHIBA CURRY」を運営する、志波有里枝さん(しば・ゆりえ)さんにお話を伺いました。「シェアキッチンでスパイスカレーを提供するきっかけは?」「これからの展望は?」などを聞いてみました。

スパイスカレーを作るきっかけはルームシェアの友達から

現在の活動内容を教えてください。

志波有里枝さん(以下志波さん):
毎月第三日曜日に、「SHIBA CURRY」という名前のスパイスカレーのお店をやっています。ラッシーや紅茶、お菓子なども提供しています。

色鮮やかな「キーマカレー&梅酒漬けポークと大根のしみしみカレーのあいがけ」
Photo by Fumiya Watanabe

「SHIBA CURRY」でカレーを作るようになった経緯は?

志波さん:
私、ルームシェアをしているんですよ。高校1年生時の同級生3人で、旅がきっかけで。

学生時代に1年間休学して留学したことがあって、同じように1年卒業が遅かった3人で卒業旅行として1か月くらいヨーロッパを周遊したんです。それだけ長く旅をしていた3人なら、一緒に暮らしたら楽しそうだなと思って、社会人になって少ししたタイミングで、ルームシェアをして一緒に住まない?と、私から声をかけました。

2020年4月ごろ、コロナ禍で緊急事態宣言が出て家にいることが多くなったんですが、同居している友達がスパイスカレーのレシピ本を見てカレーを作っていたんです。こういうカレーが自分でも作れるんだっていうことが驚きでした。食べてみたらおいしいし、私も一緒に作りたい!と言ったのがはじまりです。

作り始めると、徐々においしくなっていくのが面白くなって、コロナ禍が落ち着いたころに友達を呼んで、一緒にカレーを作って食べる会をやってみました。
そうしたら、「自分で作れるんだ!」「こんなに綺麗に盛り付けできるんだ!」と友達が喜んでくれたんですよね。
「こんなにおいしくできるならお店出せるよ!」と言われて、その気になっちゃったんです(笑)。

基本のキーマカレー。色のバランスが美しい。

「挑戦できるならやってみよう!」

シェア街のシェアキッチンを選んだ理由は?

志波さん:
そんなときに、Twitterでシェア街のシェアキッチンのツイートが流れてきたんです。「1時間500円で間借りしませんか?」との文字に、これなら自分でもできそうと思いました。

それから2か月後、2021年11月からさっそくお店を始めました。なんでも「やってみよう」っていう気持ちが強いんですよね。挑戦できるなら、とにかくやってみようと思いました。

あと、以前からぼんやりと、人生のどこかのタイミングでカフェをやるのも楽しそうだなと、思っていたということもあるかもしれません。

「SHIBA CURRY」を運営する上で、どんなことを大切にしていますか?

志波さん:
一番こころがけているのは、自分自身が楽しんでいること。
楽しくやっている姿をお客様に見てもらって、楽しいお店だな、居心地いいお店だな、と思ってもらえたらと思っています。そして、「自分も何か挑戦してみようかな」と思ってくれたら嬉しいです。
自分の姿が、何かを始めたい人の背中を押せる存在になれたらいいな。

そして、カレーに関して言えば、旬の食材を使ったおいしいカレーを提供したいです。なので、月替わりでメニューを変え、旬の野菜を使って季節を感じられるようにしています。

あとは、いろいろな人にお店に関わってもらうこと。
ポスターをデザインが得意な友達に作ってもらっていたり、写真が得意な友達にカレーの写真を撮ってもらったり、いろんな人に助けてもらいながらやっています。

自分一人だとやれることは少ないけど、友達の力を組み合わせると色んなことができるんだなというのを実感しています。協力しながらサービスを提供するというのも楽しいなと思うんです。

季節の野菜が盛りだくさんの「キーマカレー&春キャベツと筍の和風チキンカレーのあいがけ」
photo by Daiki Sugiyama

 お店に行きたいときはどうしたらいいですか?

志波さん:
基本的に、毎月第三日曜日にLittle Japanのシェアキッチンでお店をやっているので、直接お店に来ていただければと思います。
詳しい開店時間やメニューはInstagramでお知らせしています。

https://www.instagram.com/shibatabi_trip/

キーマカレーは毎回作っていて、もう一種類は季節のカレーにしています。豚バラ肉と大根のしみしみカレーや、夏野菜の素揚げは好評でしたね。
お値段はキーマカレーが800円、季節のカレーとのあいがけが1,000円になっています。

お菓子もお出ししているのですが、こちらは友達のお母さんが作っているもの。お料理教室の先生をやっていて、お菓子作りが上手な方なんです。

お出ししている紅茶も友達がつなげてくれた縁。
熊本県の小さい村の地方創成のプロジェクトに関わっているのですが、どう広めようかと農家さんと一緒に考えて、まずは東京で飲んでもらいたいということでお店で売ることに。

その他に、友達のお母さんが作るドライフラワー、友達がアフリカの布を使って作ったイヤリングやブックカバー、友達が始めたアパレルブランドのお洋服などを販売しています。

こんなふうに、知り合いが新しいことを始めたのを見て、やってみたい方の縁が次々とつながっています。ここが「自分もやってみよう」という場になったらいいなと思います。

地域が面白くなるきっかけになれたら

今後のビジョンについて教えてください。

志波さん:
いま、お客様は友達が多いんですよ。なので、このLittle Japanのある地域の方にも気軽に食べにきてもらえたらと思っています。

あとは、「私が他の地域へ行く形の」出張SHIBA CURRYをやってみたい。
それぞれの地域の食材を使ってカレーを作ってみたいです。

実は、10月に2つ実施してみました。
ひとつが宇都宮のカフェ兼本屋さん「書肆ひるね」で、まちづくりの仕事をしている友達から場所や農家さんの紹介をしてもらいました。
もうひとつは、9月に友達が気仙沼にゲストハウス「SLOW HOUSE」を作ったので、一日店長として出店しました。

いつもとは違い遠方での開催になるので、お客さんがどのくらい来てくれるのか不安でしたが、実際には想像以上の方々に足を運んで頂き、お客さんとお話をすることもできたので、大変楽しい思い出となりました。

宇都宮も気仙沼も、会場となる施設自体が地域とのつながりを持っていたので、そのつながりで足を運んでくださったお客様がたくさんいて、地域との関わりがぐっと広がったと思います。

美味しい!と最高のリアクションをしてくれる方や、2日連続で食べに来てくれた方など、よい反応をいただけたのも嬉しかったです。「また宇都宮に来てください」「また気仙沼でカレー屋さんをやって欲しいです」というのが一番嬉しい言葉でした。

私自身がこうして各地での旅を楽しみながら、多くの方々と出会い、そしてカレーを通して喜んでもらえるのは、とても充実感のある体験でした。

次は、2月中に大阪と福岡での開催を準備しています。

他の地域での出店は、旅がお好きなことと関係あるのでしょうか。

志波さん:
はい、旅が好きで、Instagramのテーマも旅とインテリアなんです。
実は、来年の4月からデンマークにワーキングホリデーに行く予定です。北欧を選んだのは、一度北欧4か国に行ったことがあって、その時に直感的に長く住んでみたいと思ったから。インテリアが素敵なのも魅力的です。

ワーキングホリデーに行くと決める前は、不動産会社に勤めていたのですが、それは地方の活性化に興味があって、空き家問題も一軒家を売買する知識と経験があれば活かせると思ったからなんです。

旅は日本中いろいろな場所に行っていて、特に長野県の下諏訪が好きです。移住者もたくさんいて、美味しいご飯屋さんもできています。地域の人と交流が深いお店が多いし、そんなに大きくはないけど面白い町です。
注目はされていないけど、このような魅力のある町が日本中にたくさんあって、面白さに気づいてもらうことができたらいいなと思います。
小学生のころまでは秋田県に住んでいて、有名ではないけど名もなき観光地という感じで、いいところがたくさんあったんですよね。小学3年生から千葉に引っ越して、田舎や自然の心地良さをより一層感じました。社会人になって千葉や東京という都会で働くうちに、様々な地域に関わりたいという気持ちが大きくなっていったんです。

「SHIBA CURRY」は、地域のプレーヤーの一員として貢献できたらいいなと思います。
テーマは地域の食材を使って地域の良さを知ってもらうこと、あとは自分らしさを出すとしたら、旅の要素を入れて「旅するカレー屋」のような、いろんな国の要素を取り入れたいです。4月から北欧に行くので、そのインテリアをテーマにしたお店作りも面白そうです。

キッチンでの作業風景
photo by Haruka Sekiya

最後にシェア街の皆さんに一言お願いします。

まずは何事もやってみることが大事だと思っています。
やりたいことをやってみたら、見えて来るものがあるのかな、と感じています。

シェア街のシェアキッチンは金額的にも抑えられてるし、お試しもあったので踏み出しやすかったです。調理器具もちゃんとそろっていて使いやすいのもいいですね。
そして、ゲストハウスの一階なので、お客様やスタッフの方が興味持って来てくれるのもありがたいです。

一人で踏み出すのはとても勇気が要るけど、ここには仲間がいます。
新しいことを始めたい方、まずは一緒にやってみませんか?

photo by Fumiya Watanabe

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【志波さん Instagram】
@shibatabi_trip
https://www.instagram.com/shibatabi_trip/

【クレジット】
執筆:岩瀬友理
編集:はやかわ英明
写真:提供写真

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