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開催内容 2023年 7月16日(日)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

暑いー!
梅雨が明けましたね。
すごく良い天気なのは良いのですが、灼熱のような天気に会場に行くまででも大変でした。
それでも来てくださった参加者のみなさまに感謝。
今回は一つ読んで気になったからもう一冊。気になるニュースから一冊読んでみた。この作者の作品が面白かったからもう一冊など、拡がっていく形で読書を楽しまれた方が多くて、今回は参加人数少なめだったんですが、時間いっぱいお話できました。

では、対象的なミステリー作品から。

名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―

病気も怪我も治すという奇跡の教団。しかしカルト教団として世間の批判を逃れるように田舎へ活動場所を移して独自の自治区のようなものを作ります。
探偵は取材団の一人なり本拠地へと乗り込みます。
奇跡を信じる信徒たちの不可解な言動、そしてはじまる連続殺人。ジェットコースター的にストーリーは続きます。トリックの謎解きも幾度も含まれ内容の濃いものとなっています。
本格ミステリ大賞を獲った作品ということで評判の作品です。
思ったのですが、携帯などの文明の利器をすべてとっぱら状況してのトリック作りというのはなかなか難しいなぁと。舞台設定だけでも色々工夫されているのが面白かったです。


自由研究には向かない殺人

こちらもミステリーですが海外産。
犯罪学が好きな女子高生ポップは5年前の殺人事件を調べ直すという夏休みの自由研究を始めます。
過去の記事を整理し、当時に関わっていた人物にインタビューしてくんです。この女子高のすごい行動力。
トリックを謎解くというより、過去では解けなかったものをデジカメやSNSを使うことで今までとは違うアプローチで新しい事実を発見していきます。
こちらはこちらで現代風だなぁと思いましたし、アメリカのSNSの使い方とかは日本とはちょっと違ってて楽し方ですね。
続編も発売されているそうなので、ちょっと次も読んでみたいです。
この作品もこのミステリーがすごい!で評判になった作品です。


鬼の研究

現在、語られる作品の鬼の原型を端的に古典を紐解いており、著者の馬場あき子さんが歌人ということっもあり芸能の方からのアプローチが多いとのこと。例えば能の小面(美しい女性)は、その微笑みは「般若」を内包しているとか、目に見えないものとして、例えば死者であったり、時には鬼神として神のよう扱われたり。最初は「鬼」という名称ではなく、いっぱいる怪異の中の一つであったのが、平安自体あたりで「鬼女」として鬼としての概念ができ始めたのではなど、時代、社会の変化によって性質を変える鬼。神話、伝説の中で語られる鬼の概念について書かれているとのこと。
次の紹介本も並べて紹介されました↓

鬼と日本人

「鬼」をテーマとした民俗学者の小松和彦氏による論考です。
鬼について歴史、古典、能楽、民俗学など様々な視点から網羅的に考察されています。
雷神、酒呑童子、茨木童子、節分の鬼、ナマハゲ・・・
鬼とは人の反対概念「外部の象徴化」とした話や、時代によって違う概念がビジュアル化していることなど、日本人の精神世界に切り込んでいます。

同じテーマでありながら違う本を読むことでまた違った考察を学ぶっていう感じ。いいですねーw。良い読書
こららの本を読むきっかけになった企画展があったそうで、今は終了しているんですが、今回のお話を聞いてしまうと行けなかったのが残念ですw
またどっかでやるかなー?
大阪歴史博物館
特別企画展「異界彷徨 ―怪異・祈り・生と死―」(現在は終了)


ナチスと自然保護

近頃、ネットとかでも話題になった環境保護団体による過激な行動を見てて、思わず読み返したとのことです。

ナチス。過去に世界的な大惨事になった元凶なんですが、今でも先進的と思える政策も行っていたという事実がありまして、それが「自然保護」だったという。戦争により工業的には発展しましたが、それに伴う犠牲を最小限にするための政策を冷静に行っていたことは、ちょっと勝手な自然保護主義者の理想を実現することに手を貸してしまう結果にもなっていたという事例を挙げています。自然保護は大事ですが「自然保護」という目的だけを優先し、他の暗部をつぶるような形で進めてしまった皮肉な結果には善悪では判断できない事実を残していて考えさせられる一冊とのこと。


フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか

フィンランドの働き方を始めとした、日本との違う「生き方の考え方」をまとめた本です。
有給消化率100%。なのに日本よりもGDPが高く、ワークライフバランスの取れた国として北欧の国々の評判はよく聞きますよね。
仕事について時間外の仕事をしないためのシフト制を重視されている外科医のお話。
会社の交流会は就業後ではなく、仕事時間内で行う。
フランクな交流はサウナでw
フィンランドの人々が持つ強くしなやかな心SISU(シス)についてかかれており、日本にはない「ゆとり」のある生活。幸福度世界1位のフィンランドの働き方と生き方に驚いてくださいw

で、この本を読む前に読んだ本も紹介してくださったので以下も載せておきます。
世界幸福度ランキング上位13ヵ国を旅してわかったこと

題名の通り、幸福度の高い国々での旅行記をまとめたものです。
日本との違いにただ驚くことばかり。幸せの基準って何なんでしょうね?
とりま、「自己肯定感の低い国民性」はダメみたいです。


何があっても潰れない会社

不景気だーとよく日本中がぼやいていますが、実は日本の企業って長生きにところが世界的にも多いそうですよ。
1000年以上も続いている企業も紹介されています。
近年だけでもリーマンショックや地震などの深刻な経済危機があったにも関わらず生き残っている企業たち。
18社を取り上げ、経営の秘密に迫っている一冊。
揺らがない老舗の経営戦略に学べるところは沢山あるはず。


居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書

著者は大学で心理学を収めたものの就職がなかなかできず、やっと働けるようになったのは沖縄の精神科デイケヤ施設。
現場では学んだものはすぐには役立たず、あらゆる価値観が混載する職場。
精神科という行き詰まった人たちがいて、著者は大変な思いをしながら沢山の学びを得ていきます。
学術書と表紙にありますが、ストーリー仕立てで書かれていますので奥の深い話ではありますが、読み進めるにはわかりやすく、そしてちゃんと専門的な解説もまとめられています。
精神科デイケヤ施設には縁がない方でも、「居る」という心理的に安全を確保できるかというのは人それぞれでなかなか難しいのと、「ああ、ちょっとわかる」みたいな身近さも感じれると思います。

この本を読むきっかけが、たまたま読んだ本が面白くて同じ著者の本を読んだとのことでした。それが↓

聞く技術 聞いてもらう技術

「夫が聞いてくれない」「妻の言っていることがわからない」「親が、上司が何もわかってくれない」「子どもが、部下が何を考えているか理解できない」など様々なシーンで心が通じないと思う局面があります。
小手先の技術から本質までコミュニケーションのついて書かれています。
言葉的には分かっているもの、相手の心情や立場など分からずに話していることがあるのでは?など、コミュニケーション自体の前提から考えることなどを示しています。
大変売れている新書だそうで、みなさんコミュニケーションについては思うところはあるんでしょうねw


最後は水野ゼミの店長をしている学生さんからの紹介。
水野ゼミで取り上げている作品から。

女のくせに

さくらむすび弐

水野ゼミでは著作権をはじめとした知的財産を学んでいます。
著作物としての本の利活用をテーマに「本を作って、売って、読者をつなぐ」活動として、著作権の保護期間が満了した文学作品の中でも埋もれている作品を気軽に取れるように復刊する取り組みをしています。
上記2冊がその成果物です。

文字の書き起こしから校正なども印刷以外は学生さんがしたそうで、なかなかの作業量があったと思うのですが、こうして形にできているのは凄いですね。
色んなメディアにも取り上げられていまして、活動についてまとめや取扱店の案内はこちら

もし水のゼミにお寄りの際はぜひ手にとって観てください。

そして「女のくせ」の著者である中平文子という女性作家ですが、作品が近年まで生まれていたせいか、ネットでもあまり情報がありません。
記者として「化け込み」という方法で取材していたことがあり、いわゆる潜入取材といいますか、スパイ活動に違い形で取材しています。
さらに色んな男性との浮き名を流し、流々転々な人生を歩んだ人なんですが、その「化け込み」について書かれた本も紹介されました。

化け込み婦人記者奮闘記

記者と言っても、現代よりは身分が低いというかあまり世間的にはよく見られていない時代だったそうです。さらにメインになるような記事には女性は関わらせてもらえなかったそうで、スクープを得るには潜入取材という手段で記事ネタをゲットしたというお話を3人の婦人記者のことをまとめている本です。
許可をとっての密着取材とかは今でもありますが、今では「化け込み」っていうのは捕まっちゃいますよねw。いやはやエライ時代ですw
中平文子を扱った縁を感じたとのことで、水野ゼミでもこの本を仕入れたそうです。水野ゼミでも購入できるそうです。


以上が今回紹介された作品でした。

拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。

ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw

次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。

過去の開催内容はこちら



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