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開催内容 2024年 1月13日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

辰年一発目の読書会。
はじめましての方々がいつもより多めでした。人が変わると紹介される本の傾向も変わったりしますんで、主催者としては新鮮な会となりました。
またのご参加お待ちしております。
常連さんもまた今年もよろしくお願いいたします。

今回も色んなジャンルの本が出ました。以下、今回の紹介作品です。

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか

人類が他の動物とは一線を画し、繁栄を極めた理由を追求した本です。
あらゆる生物の中での生存競争を勝ち抜くというよりかは、過酷な環境下でどう生きのかったのか?という話が書かれています。
今の人類はホモ・サピエンスという人類種ですが、ネアンデルタール人も同時期に活動していますが、それは争って生き残りをかけた訳ではなく、自然に対応しきれなかったネアンデルタール人が滅んでしまったということ。
人類の「多産」、いわゆる繁殖力に注目しています。類人猿のチンパンジーなどは子を生むと育てきるまで、次の子は産まないそうです。しかし人類は毎年出産が可能です。そして、コミュニティを形成し、仲間同士で子を育てます。多産で確実に子孫を増やす。それが人類繁栄の秘訣です。
でも今の先進国って軒並み少子化なんですよね(笑)


ネット右翼になった父

筆者の父親が亡くなりましたが、亡くなる数年前から急にネットでのヘイトスラングを話すようになり、youtubeを観ては陰謀論を語り、女性差別や弱者への自己責任論、嫌韓など毒づくようになったといいます。いわゆるネット右翼になったというのですが、なぜ急にそうなったのか?
家族親戚にインタビューをして、過去の記憶を照らし合わせながら父の知らない側面を辿ることになります。ネット右翼とはなんのか?
「現代の家族病」という現代ならではのテーマに迫っていきます。


シャクラ

「天龍八部」という武侠小説を原作にしたアクション映画です。
武侠物っていうのは中国の時代劇ですね。
様々な武闘派集団がひしめき合う荒れた時代。その中でも大きな勢力の長である主人公は権力闘争に巻き込まれて親殺し、師匠殺しと立て続けに濡れ衣を着せれます。世間の武術家たちから追われる中、一人の女性を助けたことに生きる意味を見出していくのですが苦難の道は続きます。
主演のドニー・イェンという俳優さんはブルース・リーやジャッキーチェンなどの後を継ぐカンフーアクション俳優さんです。
この主人公がマジ最強なんですが、俳優さんのキャラも相まってめちゃくちゃ強い!何人だろうが誰だろうが負ける気がしないんですよ。ストーリーはちょっとツッコミどころ多いんですが、とにかく強い主人公がバンバン敵を倒す痛快さはオススメです。


最後のレストラン

こちらグルメコメディ漫画です。
最近は異世界転生ものが流行っていて、主人公が他の世界に行っちゃう話がよくありますが、こちらは逆。現代のレストランに歴史上の人物がタイムスリップしてきちゃう(笑)。そして食を通じて歴史上の人物の知り得なかった一面が見えたり人間ドラマが繰り広げられます。
料理の注文が無理難題で現代人はそれにてんやわんやさせられます。
織田信長、ジャンヌ・ダルク、安徳天皇など世界中の過去の偉人がでてきます。
現時点で22巻も続いているそうで、今や来店される側ではなく歴史に進出していく展開もあるそうです(笑)


マンガでわかる営業の魔法

紹介者の方が自身の読書会をされている方なんですが、その読書会をするきっかけにもなった本だそうで、大変印象深い内容とのことです。
冴えない新人サラリーマン。契約が取れない毎日の中、一人の同じく営業職をしている男性と出会い、週イチの朝の喫茶店での会合の中で営業のやり方というより素晴らしさを教わっていくというストーリー。
漫画でストーリー仕立てなので入ってきやすいのもちろんのこと、物語として面白いとのことで、シリーズ化もされているそうで、主人公の成長もあり、新しい登場人物がでることで厚みのあるシリーズものになっているそうです。

じんかん

戦国時代の三悪人の一人として名高い松永久秀。
織田信長の部下でありながら二回もの謀反を起こしている狂人のように描かれることが多い人物ですが、この小説では自身が信じる信念の元に全力で生きた様を描いています。
室町将軍の暗殺にも関与、東大寺大仏殿を焼いたなど、戦国の世で活躍する奸雄であり、信長、秀吉、家康と同じ時代の人で、もともと興味深い人物ですが、本作ではまた違っった新しい切り口で松永久秀を描いているということです。面白いに違いない(笑)


あぶない英語

紹介者の方が留学経験があり、久しぶりに海外の友人にメッセージを送ろうとしたところ、この表現はあってるのだろうか?とふと疑問に思ったそうで、その時にたまたま本屋で見つけて購入したんだそうです。
今や多様性やポリコレなどがよく言われていますが、ちょっとした表現もそれに合わせた言い方に変わっているそうで、例えばメリークリスマスはキリスト教の言葉なわけですが、他の宗教の方にも配慮してハッピーホリデイと言い換えたりするそうです。
ほかにF◯ukなどの、品の良くないワードなども、ただ悪いと否定するわけではなく、人との距離を縮めているワードだったりもするので、そのニュアンスをちゃんと掴むことで使い方を考えていこうとする内容があるそうで英語だけではなく、色んな文化との兼ね合いを考えさせられる本となっています。

彼女、お借りします

少年マガジンで連載中のラブコメ漫画。
彼女に振られた寂しさから「レンタル彼女」を申し込んみると来たのは超美人。
借り物の彼女ということについ主人公はレンタル彼女に八つ当たりをしてしまいますが、その時に主人公の祖母が倒れた知らせがきます。
二人は険悪なムードでしたが、主人公は弱っている祖母に見栄を張ってレンタル彼女を本当の彼女と紹介してしまいます。
そんなこんなでその場しのぎの嘘が既成事実とみなされていく状態にあたふたする二人。登場人物も増えてどんどん自体は収集がつかなくなっていくドタバタ劇です。
アニメ化もされて第三期になるそうで、ラブコメはやっぱり人気がありますね。

ロスト・ケア

とても献身的な介護士であり、周りからも好人物と印象の主人公。
ある殺人事件の容疑者になったことをきっかけに3年間分の介護ノートが見つかります。そこから主人公の働く施設の利用者の死亡件数が県内平均よりも多いことがわかります。主人公の勤務日とそれが重なってことで事件の是帽が見えていきます・・・
介護問題、高齢化社会をテーマにしたサスペンス小説。
犯人の動機が明らかになるにつれ、日本の行く末を考えさせれる作品となっています。


龍の起源

今年は辰年ということで龍にかかわる本を紹介されました。
西洋と東洋の龍。その見た目は結構違いますよね。西洋では怪物のような災害として、東洋では神や自然の使者のように描かれます。なのになぜ同じ「龍」と呼ばれるのか?を色んな資料を重ねて龍に関わるお話が沢山載っています。
この本から怒涛のドラゴンにまつわる本を紹介してくださいます。

聖人と竜─図説 聖ゲオルギウス伝説とその起源

ゲオルギオスはキリスト教の聖人の一人で、なんとドラゴン退治のお話があるそうです。それを語られるまでの歴史的背景を豊富な資料で解説している本です。竜殺し=ドラゴンスレイヤーと言われる聖人なんですよね。かっこいい。
キリスト教ではヘビはアダムとイヴを貶めた悪の存在ですから、ヘビの存在を大きくしたのがドラゴンへと繋がってるのかなと思ったりしました。

教会の怪物たち ロマネスクの図像学

こちらはドラゴンだけではないのですが、宗教美術的な観点からドラゴンのお話があったので紹介とのことでした。
西洋の教会って聖なる場所のはずなんですが、ガーゴイルが門番しているみたいな怪物たちが結構入り込んでいるんですね。
ドラゴンは元々は神話時代のお話では姿形ってはっきりしてないんですよね。きっと自然や超常現象的なものを具現化したものであるわけですが、それを表そうとすると何かしらの元ネタの生き物があったりします。
神話に出てくるクジラやアザラシなどの海獣、ケートスがモデルではという説もあるそうですが、実際はドラゴンって色んな方向から集められたイメージの集合体ですよね。

竜のグリオールに絵を描いた男

こちらファンタジー小説。
ある魔法使いによって動きを封じ込められた巨大なドラゴンのグリオール。全く動かないのですが、その巨躯の上には人間たちが暮らし始めてしまいます。どんだけデカいドラゴンなんでしょう(笑)
そのドラゴンの体に住む人たちの生活やドラマ、結構シビアな内容の短編が4つ収められています。
舞台が特殊でダイナミックなんですが、それに比べて人々の小さいやり取りとの比較差が面白いですし、竜の本質も描かれているところもあって近年のファンタジー小説でよい評判の作品です。

中世ヨーロッパ 「勇者」の日常生活:日々の冒険からドラゴンとの「戦い」まで

中世史の専門家の作者が、過去に「中世の城はドラゴン対策をしていたか」の問いに対して「ドラゴンがただの伝説だから」と面白くもない対応してしまったことから、この本ではゲーム視点で実際の中世を観ていこうという意図があるそうです。
結構ユーモアな題名にとれるんですが、ちゃんと中世のことを解説してくれている本とのことです。
やはりロマンを持つことは大事ですね(笑)

というわけでドラゴンにちなんだ本を5冊紹介してくださいました。
ありがとうございました。一つのテーマで色んな本を読む。
カッコいい読書の仕方だなぁと感心いたしました。


鍵のかかった部屋

ポール・オースターのニューヨーク三部作と言われる3冊目の作品。
三部作といってもそれぞれ独立したお話なので、別々で読んでも大丈夫だそうです。
ある小説家が作品を残して失踪します。その妻が幼馴染の出版業の主人公にその作品の発表を依頼するところから物語は始まります。その小説が大ヒット。主人公はその失踪した小説家を探し出すのですが、人によってその小説家の人物像が様々。一向にその小説家の正体がつかめずにいるうちに、その妻と恋に落ち、さらにその小説家の影を追い求めます。
謎が謎を呼んで最後にはオチがあるんですが・・・


やわらかい頭の作り方 ――身の回りの見えない構造を解明する

紹介者の方が周りから「頭が硬い」と言われたのが気になって手にとってみた本だそうです(笑)
「考えること」を考えてみた本で、端的に言っちゃうと多角的に考えていこう話なんですが、大人気絵本作家のヨシタケシンスケさんのイラストを担当していて、何からも学びを得る姿勢を学べること、やわらかくなることをやわらかく説明してくれていて、しっくりくる内容です。

さだまさしから届いた見えない贈り物

著者の方がミュージシャンのさだまさしさんのマネージャーであり、さだまさしさんからいただいたありがたいお言葉をまとめた本です。
著者は褒め達人「ほめ達!」協会の関係者だそうで、ポジティブ思考な方なんですね。
例えば、「横で褒めず、縦で褒める」
横は誰かと比較して褒めてよりかは、本人が成長していることを褒めるという意味だそうで、確かに!
さだまさしさんを気遣いの達人とし、さりげない言葉や出来事から見出した「生きるヒント」がまとまっています。
「恩送り」といった、受けた恩を本人へ返すことばかり考えずに他に人に返すことでみんなが幸せになっていこうとする考えとか素敵ですよね。
ちなみに「ほめ達!」のHPは↓


以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
過去の開催内容はこちら



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