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開催内容 2024年 3月31日(日)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

参加者の方の「もう桜が咲いてきているのを見かけました」という言葉に春の訪れを感じたのですが、僕の場合、周りの人が鼻をぐずぐずして花粉症の症状が出始めると「春だなぁ」と思ったりします。幸い、僕は花粉症ではないラッキー体質なのに感謝。
天気もどんどん晴れて日差しは入ってくる部屋で読書会ができました。

映画 オッペンハイマー

話題の映画を見てきました。原子爆弾の開発に関わった科学者、オッペンハイマーの生涯の描いた映画。
最初は彼が開発に携わるところから始まり、開発での苦労、実験後での爆弾の破壊力への恐れや、これが落とされたことによる世界の将来を憂う様など、彼の内面の変化や彼を取り巻く様々な国や役員の思惑などの外因を描かれています。
確かに被爆国に日本にはちょっとショッキングに思う方もいるかもしれません。日本の上映が延期になった理由も分かりますが、忘れてはいけないことですから映画化の意義はあると思います。ストーリーの構成や演出や音楽の使い方など素晴らしいのでアカデミー賞をもらうのは納得です。


パンプキン! 模擬原爆の夏

パンプキン爆弾。これは爆弾の形や色から名付けられたものですが、これはなんと原子爆弾の模擬爆弾のことなんです。
原爆投下前に米軍は何度も日本各地にこのパンプキン爆弾を落として原爆を落とした後の飛行機回避シュミレーションを記録していました。模擬爆弾とはいえ、爆発はしますので、死者が負傷者が多数出ています。
これは児童書なんですが、近所にこの模擬爆弾が落ちた記念碑があることに気づき、それを夏休みの自由課題として太平洋戦争の事を調べだす小学生のお話です。
戦争経験者が亡くっていく今、振り返りることは大事ですね。


失楽園

アダムとイブが禁断の実を食べて楽園を追い出される話は旧約聖書にありますが、それをもっとドラマチックに叙事詩にしたものです。今作ではその実を食べさせたヘビの正体は堕天使ルシファーことサタンなのですが、この物語は神との戦争に敗れ、地獄で目を覚ますところが始まります。地獄に落とされたことに心折れることなく復讐を誓うサタン。人間の存在を知り、まだ無垢な人間を貶すことを考え出します。でも、激アツ野郎なんですよ、サタン。物語としてはアダムとイブの話なんですけど、サタン視点で読むのが楽しいです。悪魔の英雄が絶対者の神に抗う姿。自身を奮い立たし、様々な大天使と問答を繰り広げます。
アダムのイブの苦悩も見どころです。話は知ってても意外と読んだことない人が多いのではないでしょうか。ぜひおすすめです。


罪の声

グリコ・森永事件を元に作られたフィクションの小説。
主人公は父の遺産から黒革のノートとカセットテープを見つけます。テープには何かを読みあげる子供の声が入っていました。
ある記者は過去にあった大手製菓メーカーを脅迫した事件を追いかけています。そして、その脅迫電話には子供の声が使われていたのでした。
さて、その声の持ち主は?
過去の事件を追いかける二人は運命的に合流し、真実に迫っていきます。
映画化もされている名作です。アマゾンプライムとかでも観れます。



小右記

平安時代の公卿・藤原実資の日記です。
今、大河ドラマ「光る君へ」でロバート秋山さんが演じられているのが藤原実資です。
藤原道長・頼通の全盛時代の社会や政治、宮廷の儀式、故実などを詳細に記録してあり、平安時代を知るうえで大変重要な史料になっていて、ドラマとかにもよく参考されているのではとのこと。
原文と解説を交互に書かれているので、読みやすくなっています。
ドラマを先に観てからこれを読んじゃうと全部ロバート秋山さんの声で再生されちゃうねと笑ってましたw


客観性の落とし穴

客観性を表すには数字には説得力があります。しかし、数字がすべて真実を語るとは限りません。数字化されない部分があります。
客観的には見るとは?数値にに囚われずに事実を見ていくには様々なパターンがあり、それを無視せずに見ていくことも大切です。
もちろん量的研究を完全に否定しているわけではないのですが、客観性および量的研究一辺倒では把握できないこともあるということを記しています。
ケースバイケース、広い視野で見ていくことを改めて考えさせられる一冊です。


52ヘルツのクジラたち

52ヘルツ。それは他のクジラには聞こえない周波数の声。誰にも聞こえない声を発する孤独なクジラ。そんな題名のこの小説はそれぞれ孤独を抱えた者たちが自然と扱っていき手を取り合っていき、人生を取り戻していくストーリー。心の痛みを抱え、逃げるように東京から海辺の一軒家に引っ越ししてきた女性。そこで母から虐待を受けている少年と出会います。切なくも救いがある内容です。

柚木沙弥郎 Tomorrow

今年、101歳で亡くなられた染色家、柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)さんとこの本の著者の大島忠智さんとの芸術活動をまとめたものです。本書にはオシャレな染め物や柚木さんの生活シーンが文章だけでなく写真もたくさん載っています。芸術と言って高貴なものとかではなく、身近に感じれるような可愛いものがたくさん載っていたり、丁寧な暮らしが描かれており、読んでる側も自身の生活を見直したくなる本です。ビバ、オシャレ生活。


無縁・公界・楽

学校の授業で習う領主や農民との関係などは実際にあったわけですが、事実ではそれだけでなく、習うことなく色んな職業や生業の方々がいました。
日本歴史学の流れを捉え換えた画期的名著だそうで、文字・芸能・美術・宗教などの世界でもメジャーではないが普遍的な世界があったことを本書では知ることができます。
関連本として下記の本も紹介してくださいました。

日本の歴史をよみなおす

日本が農業中心社会だったというイメージってあると思うんですが、実は商工業者や芸能民の活躍も日本の文化を作っていたわけです。
百姓=農民と思いがちですが、百姓の百とは色んな意味を含んでいますから、元は色んな人を指している意味だったんですね。
貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位なども実は違う部分もあり、女性は結構自由な身分だったところもあったようです。
歴史って時が経つにつれて見直しがされたりしますから、これからも僕たちが習っていた内容も変わっていくのかもしれませんね。


影武者 徳川家康

関ヶ原前に実は家康は暗殺されていた!という奇妙な展開から始まる時代小説。しかし、殺されたのは影武者・・・だと良かったらんですが本人だった。これからの徳川政権を守るために影武者を本人へと立てて関ヶ原へと進めていきます。元々は影武者自身は武士でもなく、徳川の世にすることは望まず豊臣をなんとか継続させようとしますw
運命と戦っていく家康の影武者だった家康?
漫画化もされてましたが、漫画の方の後半はほぼ忍者バトルになっていましたねw。


「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法

社交性の高い人、コミュニケーション力高い人、いわゆる陽キャの人たちが活躍しやすい世間ではありますが、みんながみんなそうとも限らないものです。
内向型がだからといって自己肯定感を下げなくても大丈夫です。
例えば、コミュニケーションも自分からいかなくとも「聞く」ということに重きを置くことで十分できます。
人それぞれ、特徴があるわけですから、内向型の方が劣っているわけではなく、活躍するにもやり方があるはず。自分は内向的だからという方は元気つけられる内容となっています。

以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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