見出し画像

開催内容 2023年 7月29日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

いい天気なのは良いですが、やはり暑いのは大変ですね。
今回は梅田グランフロント大阪のナレッジサロンでした。
読書会の会場自体は涼しい室内ですが、窓からは梅田の北側「ウメキタ」の長いことやってる工事現場は灼熱感が見て取れて、うわぁ~と声が出ちゃう感じでした。
工事現場で頑張って働かれている方々、お疲れ様です。

さて、今回は人数は少なめだったんですが、哲学や裁判所のお話やポリコレなど人生の悲喜こもごもについてのお話ができた深い会となりました。

さて、最初は話題の映画から
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

トム・クルーズ主演の最新アクションムービー。
ハンサムボーイのトムも御年61歳だそうですが、まだまだ現役感を魅せつけてくる、これぞハリウッド映画って感じでした。

めっちゃ全速力で走るトム・クルーズ。
幾人もの美女と良い感じのトム・クルーズ。
スタントも自分でしちゃうトム・クルーズ。
ちゃんとコミカルなシーンも耐えうるトム・クルーズ。

最後ちゃうかな、ハリウッドスターがあんだけ無双する映画って。
しかも、題名みたら「PART ONE」って書いてあって続編あるってよ。
まだまだやる気だ、トム・クルーズ!
あいつマジかよ。
スクリーンで楽しむのがオススメです。


連合赤軍「あさま山荘」事件

何回か前の読書会で学生さんが「テロリストのパラソル」という作品を紹介してくださったんですが、その作品には「学生運動」という時代の設定がありました。学生さんからすると聞いたことがあるけど、学生運動がどういったものかはピンていないと話を聞きまして、僕自身も良く知らないなぁと一冊手に取ってみたわけです。

今作は著者が「あさま山荘事件」を担当していた警察官であって、警察側の視点で事件が描かれています。
前例がない事件ゆえに、あらゆる部署から集められた即席部隊。警視庁と現地警察との噛み合わない連携。マスコミ対応の大変さなどが生々しく書かれています。
当時の反政府だったはずの若者たちの暴走ぶりも凄まじく、ただの犯罪集団へとなってしまった暴力に苦戦する警察。死亡者も多数。
今度は学生側を描いた作品とかがあれば読んでみたいなと思います。


銀色の青

お笑い芸人「笑い飯」哲夫さんが書かれた小説。
母子家庭での高校生男子の日常が書かれています。
主人公は学校でのスクールカーストを気にするばかりに自意識過剰になっています。
ある日、スクールカースト上位の野球部エースに「100円貸して」と言われ、しぶしぶ貸します。しかし一向に返す素振りがないことにずっとモヤモヤを抱えることになります。100円如きに「返して」の一言が言えない。
そして友人との恋バナや、自意識が邪魔で嘘を重ねて追い込まれる日々。
女子との会話に一喜一憂したりと、高校生男子のあるある?な感情や、なんとも小さい世界を丁寧に書かれています。
漫才も繊細かつ精巧な作りの笑い飯ですが、この作品も見事な文学でした。


SUPERMAN vs飯 スーパーマンのひとり飯

アメコミDCコミックの雄、スーパーマンが日本の外食チェーン店を堪能するという異色のグルメ漫画。
世界を守るヒーロー稼業も大変なスーパーマン、たまたま活躍した日本で日本の外食の美味しさに目覚ます。それからはお腹が空けばアメリカから一飛びで日本にやってきてはグルメ三昧な日々を過ごしているというお話。
グルメ漫画では食を堪能した際に頬を赤らめたような表情がよく描かれますが、今作でもスーパーマンがホクホク顔で舌鼓を打っていますw
他にバットマンやワンダーウーマンなどのDCコミックヒーローも来日しているとのことで、水棲生物と会話ができる海のヒーローのアクアマンは寿司ネタになる魚と話しているシーンがあったりと、ヒーローの能力も作中に描かれているとのこと。
アメコミを知らない人でも楽しめる内容で、違った角度のこのグルメ漫画はなんと3巻まで出ているとのことですw


スター・ウォーズ ジェダイの哲学 :フォースの導きで運命を全うせよ

映画「スターウォーズ」シリーズには「ジェダイ」という宇宙を守る戦士たちがいます。ジェダイはフォースを操り、ビームサーベル等で悪敵を倒していくわけですが、ただの武装集団ではなく、ちゃんとした信念の基になりたっています。
本書ではそのジェダイの教えをジェダイ・マスターが語りかけてきます。
人はいかにして本当の自分を保ち、己の歩むべき道、つまり運命を見つけていくかが分かってくるという、現実社会では仏教、禅やマインドフルネスに通じるような教えが詰まっているそうです。
紹介者の方が内容をだいぶ噛み砕いて紹介してくださいったのですが、まさか、映画の設定からマジの自己啓発のような本が出ようとは。
真面目に教えのある本に作ってあるそうで映画を知らない方もこれから入ってみてはどうでしょうw


裁判官の爆笑お言葉集

裁判は粛々と進めるものと思いますが、人が起こした事件を裁くわけでそこには人の心情も入ってきます。
判決を言い渡すと終わりというわけではなく、その後に裁判官が所感や感想を言うことも少なくないそうです。それをまとめたのが本書です。
爆笑と題名にありますが、面白い場面もありますが、裁判にはどこかに被害者も存在しますので、どこか悲しい部分もあります。
死刑判決を下しながらも「少しでも長生きしてほしい」など発した裁判官の非情にはなれない人としての揺れ動く感情が見えるなんとも考えさせられる事例など沢山載っています。
判決後、罪人は罪を償うわけですが、その後に社会復帰を苦労して再び罪を犯す例も多い社会問題について、参加者のみなさんと少し唸っていましたとさw


次はソクラテスを知るための本の旅について語っていただきました。
まずは
ソクラテスの弁明 関西弁訳

ソクラテスの弁明という作品を関西弁にしてわかりやすくしているという本作。紹介者の方が学生時代に読んだ時に「言ってることは分かったけど、色んな疑問が出ていた」という事を思い出したそうで、学生時代に読んだのが
ソクラテスの弁明・クリトン(プラトン)

この作品、ソクラテスが裁判で死刑を宣告されるんですが、判決を出した民衆裁判の概要、そこにおけるソクラテス自身の言動(弁明)が描かれいます。また、彼の特異な哲学人生の発端・経緯や、彼の思想、人となり、時代背景などが描写されるんですが、そもそも・・・
なぜ、ソクラテスは裁判にかけられたのか?
という事を追いかけて、この本へ旅は続きます。
哲学史講義 II

二千数百年におよぶ西洋哲学をまとめた全4巻の2冊目ですが、そこに裁判理由に「国家が認めた神々を認めることを拒否し、新しい神々を導入し、若者の士気を損なったという罪」で裁判にかけられたということが載っていたそうです。
でも、これって裁判すること?と思った紹介者の方はさらに本を横断してソクラテスを追っていきますw
反哲学史

哲学と呼ばれる知の様式を批判的に描くことで新しい哲学の歴史も見方をしてみようとする本です。
この本ではソクラテスが捕まった理由が載っていたそうです。
少しギリシアの歴史に触れますが、
紀元前431年 - 紀元前404年の間に
アテナイを中心とするデロス同盟とスパルタを中心とするペロポネソス同盟との間に発生した、古代ギリシア世界全域を巻き込んだ「ペロポネソス戦争」と言われる戦争がありました。
この戦争にはソクラテスの弟子が暗躍し、戦争と恐怖政治へとおよびました。その責任としてソクラテスが糾弾される結果になったとのことです。

ソクラテス、めっちゃ巻き込まてるんですねw

ソクラテスの刑死にまつわる背景を紹介してくださった後に、一番読みやすいのは
ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)

を紹介してくださいました。
いやはや、お見事な本の旅をのお話を聞かせてくださいました。

実は僕、この本を家に積んでるんですよね(汗)
これは読まねば!


ひとりの双子

肌の色の薄い黒人ばかりが住む小さな町。それは白人との混血が進んだがゆえ外見が黒人の特徴が薄れている人達なんですが、黒人の血が入っていることで差別の対象になってしまう時代のお話。
そんな町の閉塞感に逃れる女性の双子が憧れる都会に出てきますが、二人は生き別れの状態へ。物語は双子の一人を追いかける形を取り、一人は詳細はわからないまま進んでいきます。
見た目としては黒人ではなくなっているも、それを隠して生きていく話や、テーマとしては差別問題なんですが、ポリコレの作品は今日増えていますが、大きく掲げるのではなく潜在的な差別意識なども取り上げて絶妙な描写をしているとのことでした。
最近「ポリコレに配慮しています」というのが宣伝文句になってしまい、本質を突いていない作品が多々見受けられる、とのことでして。「ああ!確かに」と思ってしまいましたw
今作はちゃんと向き合った作品なのでオススメとのことです。


以上が今回紹介された作品でした。

拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。

ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw

次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。

過去の開催内容はこちら