見出し画像

開催内容 2024年 4月14日(日)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

葉桜がちらほら。日差しも暖かく、汗ばむくらいのいい天気。
今回も勉強になるお話聞けたり、知らない名作の漫画、オカルトの話、Audibleならではで楽しめる本など教えていただきました。

映画 アイアンクロー

アイアンクローといえば昔のプロレス技なんですが、その必殺技をつかこなしていたプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。彼にはプロレスラーになった息子が4人いました。その4人兄弟の栄光と挫折を描いた作品。
エリク一家は「呪われた一家」と言われたほど不運な一族で息子たちは若くして次々と亡くなるんですね。それを次男の視点から描く哀愁あるシーンが泣けてきます。実際の話しなので、なつかしいプロレスラー、リック・フレアーやブローザ・ブロディとかもできます。1980年代あたりのアメリカンプロレス。古い時代ですが、かっこいいんですよね、4兄弟が。映画での上映は現時点でもうすぐ終りそうなんですが、配信とかなったら是非観てください。


チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク

なんだ、この題名?と想いますが、「チクタク」は本作に出てくるロボットの名前。パラレルな世界のお話で、ロボットが普通に人間社会で働いています。しかし、奴隷的な扱いで、人間の都合で好き放題されているいます。ロボットには人間に危害を加えないプログラムが絶対に入っているためです。
しかし、チクタクはそのプログラムが正常に作動してなかったのです。
盲目の少女を殺害するというショッキングなところからチクタクの人間に対する「実験」が始まります。
倫理観のないロボットが人間社会でどう立ち回っていくのか?
不気味な機械音が人類に近づいてきます。チクタクチクタク・・・


無礼語辞典

目の上の方が仰ったことに「なるほど~」って言ってたりしませんか?
それって無礼な使い方なんです。
本当は「おっしゃるとおりです」「そういうことでしたか」とか「わかりました」「承知しました」などが正しいそうです。
そんな微妙な言葉がたくさんのっているのが本書。
五十音順に色んな無礼にあたる言葉の使い方が載っています。
読んでみると思わず「あ、使ってわ」と思うこと確実です。
でも、時代によって意味合いとか使い方って変わるもんですからねーと話をしていました。


ことばの地理学: 方言はなぜそこにあるのか

昔、アホバカ分布図という、アホとバカを使う地域を色分けしたものが本になっていたりしましたが、地方によって方言って変わります。それを地理学で分析してみようという本。
東西で言葉が分かれやすいらしいんですが、それは長野県のアルプスとか山を挟むと人の行き来が少なくなるため、方言が分かれやすいそうです。
他、陸路だけではなく、回路を通じて北海道、北陸を経由し南下や逆に北上することで方言が広がっていくこともあるなど、ざまざまな方言の広がり方を分析しています。地理学でいくと結果、この分布になったというのがわかるものの経緯は分かりにくいので歴史からのアプローチも必要というお話でくくっていました。


妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)

略称は「犬ボク」。アニメ化もされて人気なったコミックス。
人間と交わった妖怪の血を引く末裔がいる現代。その中でも妖怪の力を「先祖返り」により持ってしまった者は純血な妖怪から狙われてしまう定めにあります。その者たちを守るための最高セキュリティーマンションを舞台に群像劇が繰り広げられます。
ちょうど声優さんが裏方ではなく表舞台で注目されやすい時代になった頃だったころもあり、声優さんが演じるキャラソンなんかがよくありましたねとのことですが、アニメ化されたのはストーリー序盤でまだクライマックス前の話だったのでほんわかしていたそうなのですが、アニメ化されていない後半の方はなかなか奥が深い作品だったそうです。


知里幸惠 アイヌ神謡集

知里幸惠さんはアイヌ人なのですが、アイヌは口伝文化を文字化した「アイヌ神謡集」の著者として知られています。
優秀な才女だったとのことですが、この作品を完成させてすぐに19歳という若さでなくなったそうです。
「銀の滴降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに」という美しいフレーズで始まる梟の神の自ら歌った謡をはじめ13編ほどあります。
あの宮沢賢治も影響を受けているという話もあり、アイヌの神話、伝承、文化を理解する上で欠かせない資料となっています。


口訳 古事記

日本最古の歴史書「古事記」を現代の言葉で語り直した書籍です。原典の難解な表現をわかりやすく解説しながら、口語調、関西弁で教えてくれています。神々の創世の物語から、英雄たちの冒険、古代日本の王統の起源に至るまで、多岐にわたるエピソードが親しみやすい感じなっています。
紹介者はAudibleで紹介してくれたんですが、古代の神様たちがみんな関西弁で話しているのは面白かったです。
これだったら難しい古事記も理解できそうw


大迫力!異常存在SCP大百科

SCP財団。常識を逸脱する異常な存在や現象を保管、研究することを目的としている架空の組織。アメリカのネット上で作られた都市伝説を集めた感じでしょうか。
基本、ネットミームの塊なんですが、それが書籍化されて色んなクリーチャーや現象がまとまられているのは珍しい本ですねと話していました。
しかも、児童本。妖怪辞典のような感じになっていますw
一つ紹介してくださったのが「シャイガイ」
顔を見られるのがすごく嫌いな謎の生物。その顔を見た人物を必ずこの世から消しにかかるという。どんな環境でもどんなに遠くともシャイガイが「見られた」と思えば最期。絶対殺すマンとはこのことw。


二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで

著名な生命科学者、柳澤 桂子さんの自伝的エッセイ。
特に遺伝学や分子生物学の分野で多大な貢献をしていますが彼女がどのようにして科学の世界に足を踏み入れ、困難を乗り越えて一流の科学者となったのかが描かれています。研究成果だけでなく、個人的な成長の物語も含まれています。
当時の写真も載っていて、今の技術では「ええ、こんなので実験したの」って感じのもあるのですが、当時では画期的で今へと繋がることをたくさんのことをやってのけた人物です。

その後、柳澤 桂子さん自身が病に悩まされた人生だったようで、それは宗教的な哲学的思考も育てそうで、副読本としてもう一冊紹介してくださいました。
生きて死ぬ智慧

柳澤桂子さんが般若心経を自身の生死観を織り交ぜて詳しく解説し、日本画家の堀文子さんが生命曼荼羅を描いている合作。
死と向き合うための具体的な方法や心の持ち方を探ることで、心の満足を得るための実践的なアドバイスや哲学的な洞察、読者自身の生活における意味と目的について考えるきっかけを与えてくれる本になっています。


科学者が人間であること

こちらの作者、中村桂子さんは上記、柳澤桂子さんと同じ三菱化学生命科学研究所に働いていた方です。
こちらの桂子さんもすごい方で、この本では科学者がどのように疑問を抱き、失敗から学び、科学的発見へと導かれる情熱を持続させているのかを紹介し、科学者もまた複雑な人間であることを示しています。
そして、科学を追求するばかりではなく、それを理解してもらうことでさらに社会への貢献への可能性も謳っています。
科学は一般の方には距離があるよう思えますが、実は身近にあるものと理解が深まる一冊。

中世ヨーロッパの色彩世界

色って様々な意味が持っていたりしますが、その意味を持たせているのは人類なわけです。中世ヨーロッパでの色の意味合いを紹介した本です。
当時は白、黄色、赤、青、緑、黒の5色に分けらていました。
青色は貴重な鉱石ラピスラズリから作られることが多く、高価であったため、主に聖母マリアの衣服に使用されていたことや、赤色も同様に重要な色で、力と権威を象徴しており、主に王や貴族によって好まれました。緑は黒に近いイメージで子鬼などが緑色で表されるのは黒い方に生き物としていみをもっていたそうです。
当時の人々にとって単なる装飾以上の意味を持ち、宗教的または社会的なメッセージを伝えるための重要な手段で現代においてもその影響は色濃く残っています。

そして、次はその中でも黒と白についてもっと深堀りした本を紹介してくださいました。

黒の服飾史

服装における黒色が持つ意味や文化的背景を探っている本書。
黒色は権威と力を象徴し、貴族や王族によって好まれました。中世においては、宗教的な謙虚さを表現する色としても用いられ、修道士や聖職者の服装になっていきましたが、都市化と産業革命に伴い、より広範囲な階層に受け入れられるようになります。特に19世紀のヨーロッパでは、男女ともに黒い衣服が「礼服」として定着したという流れがあります。
今となってはファッション的にはモダンな色として扱われたりもします。
時代によって色の意味が変わっているのがよく分かります。

お次は白について

白の服飾史:人はなぜ「白」を着るのか

古代ローマでは、市民権を持つ男性が白いトガを着用することが一般的であり、清廉潔白さを象徴していました。中世ヨーロッパでは、白は神聖と純潔を表す色として教会で広く使用され、宗教的な衣服にも採用されました。
近代に入ると、白は医療や科学の分野での標準的な色となり、清潔という印象を強調するために使われました。
白色が持つ象徴的な意味とその進化について詳しく解説している本です。

黒と白。
この2冊はよく似た題名ですが、シリーズものでもなく著者も違うとのことで、別個に本が一冊できちゃうほどに色に関することでも様々な見解があるってことでしょうかw


以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
過去の開催内容はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?