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開催内容 2023年 10月14日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

昼間は歩いているとちょっと汗ばむくらいですが、朝晩が急に涼しくなりますね。体温調節には気をつけないといけない季節です。
今日はレベルが高い日だったんじゃないでしょうか。難しい本をみなさん上手に紹介してくださいました。本の数も多めw

ほな、今日紹介された本を記していきます。
まず僕からなんですが、先日にあべのハルカス美術館の「安野光雅展」を観てきました。

不思議な世界観、細かい描写、絶妙な構図。
一見、ほわっとしたタッチなんですが、見れば見るほど細かい描写。
思わず帰りに安野さんの作品を買って帰りましたw
2023年11月12日までやっているようですので、機会が合う方は是非是非。

そして、買ってきたのは代表作の絵本から。
旅の絵本

文字はなく、絵だけの本です。1ページ目はある旅人が船を漕いで陸におりるところから始まります。馬を借りて、そこから旅路が進んでいくんですが、毎ページごとに色んな風景や人の生活の様子が描かれています。
ページをめくるとまず旅人を探すところから始まり、その旅人が何をしているかがちょっとしたストーリーになっていたりするんですが、同じページの中にいる人々にもそれぞれのストーリーが描かれていることに気づきます。
何度でも楽しめて、見るたびに新しい発見がある絵本です。
シリーズ化もしてて、様々な国の旅を経験できますよ。


洛中洛外 春夏編

これも安野光雅さんの作品。
作品集でもありエッセイ本でもあります。京都各地の風景や行事、季節の花々など色んなスケッチが左ページにあって、右ページにはエッセイが書かれています。
文章はさらっとした内容なんですが、うんちくがあったり、歴史の解説だったり、個人的な一言だったりと安野光雅さんは文才もある方なんですね。
絵で観たものをを描き、文で心情を表す。格好良いですね。
これは春夏編で秋冬編もあります。秋冬も見るのが楽しみです。

好奇心とクリエイティビティを引き出す 伝説の授業採集

学校だけでなく、色んなところ授業、講座、セミナーなど勉強する場所はたくさんありますが、その中でもクリエイティブな気づきをさせてくれるような授業を集めた本です。
薔薇を観察して、それを記す。そして薔薇を分解してみて薔薇がどんな構造になっているかをまた記すなど普段ではしないことをやってみる。
隅田川の花火大会の様子を載せた新聞を4社分あつめて、その内容の違いを比べてみる。
など、答えがでるわけではないですが、人によって色んな感じ方をできる試みがたくさん載っています。
他に講師の方へのインタビューや、過去の偉人の西郷隆盛や葛飾北斎がどのような学んだかを調べたりしてたりと「学び方」を学ぶヒントが満載の本です。

戦史 上

古代ギリシアのアテナイ出身の歴史家トゥキュディデスが著した歴史書。
紀元前のギリシアにあったアテナイとスパルタを中心に様々な都市国家を巻き込んだペロポネソス戦争の経過を記しています。
トゥキュディデス(発音できないw)はこの記録を残すことにより後世の人たちへの教訓として欲しいとして記したものなんだそうですが、それは戦争という人が起こす不条理への怒りが原動力になっていたようです。
戦争でおこる凄惨な場面や、戦争に向かっていく人々の狂気とも言える心理変化が描かれているそうで、確かに今読んでも教訓になりうる内容なんですが、いつまでも戦争がなくならないご時世。トゥキュディデスはあの世でどう思ってるんでしょうね。
上中下と3冊。

昭和史 1926-1945

日本人はなぜ戦争を繰り返したのか?授業形式で語りおろしで記した「昭和史」シリーズ。
戦争が起こる過程。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒のあり方なども詳細に書かれているようで、結論に「アホ」と言い切っちゃてるとのことで戦争の愚かさ、というか人の愚かさを説いている本でもあるんだそうですが、戦争を体験している日本人もいなくなってなっていく時代ですし、こうゆう歴史的証言とも言える本は貴重なのかなと思います。
戦争は一部の人の暴走で始まるイメージがあったりますが、実はそうでなかったりで、結構な国民がノリノリで戦争に突入ってな展開は若い人とか読むとびっくりすると思いますよw

運命をひらく山田方谷の言葉50

知る人ぞ知る凄い人「山田方谷」
幕末の松山藩の財政を立て直したり、幕府をさせた方だそうで大久保利通から財務大臣に誘われながらも断って後進の育成にした大物だったそうです。
今の岡山県あたりですかね。現代でも地元で英雄扱いらしいです。
儒家・陽明学者でもあり、ビジネスパーソンに響くような言葉を残しているようで、それをまとめた本です。
すごい人ですが、意外と口が悪かったりしたりとある意味人間味のある人もあったみたいですがw


しんがり 山一證券最後の12人

金融の会社が倒産することなんて考えられなかった時代。初めて倒産した証券会社の山一證券の当時を表したノンフィクション小説。
ドラマとかにもなってましたよね。
社員が再就職する中、会社に残って経営破綻の原因を調べ上げて精算業務についた人たちを描いた実話です。
ただ、経営破綻の話じゃなく殺人事件とかもあったりしてるんですね。
利権や人の業が煮詰まった事件なんですよ。
話はちょっと逸れますが、当時には社長が記者会見している映像とかありましたが、その社長は実際の責任者というよりは、社長になった時点で大借金状態で敗戦処理係、ただの謝り役状態だったとかw


甘夏とオリオン

舞台は大阪の下町、玉出とか北加賀屋あたり。
銭湯に居候する駆け出しの女流落語家の甘夏という若い女性。
なんと師匠が疾走するところから物語は始まります。
兄弟弟子と一門を守るために奮闘するのですが、なかなかうまく行きません。寄席をなんとか行おうとするのですが、そこには関わっている人々の色んな心情や事情が絡まっていきます。
下町情緒たっぷり人情青春小説。

罪と罰〈上〉

とにかく登場人物の名前が覚えられないという噂のドストエフスキー作品。
主人公の貧乏学生であるラスコーリニコフ。自身を天才と信じ込み、勝手なな信条により金貸しの老婆を手にかけてしまいます。
序盤からスリリングな展開からはじまりますが、ほぼ、悩める心情を語りつくす物語。長いお話なんですが、主人公の優しい一面が描かれる可と思いきや傲慢さにも捕らわれた心の揺れ動きの描写が見事です。
名著なので知ってる方も多いかと・・・と紹介者の方がおっしゃってましたが本の分厚さに圧倒されて読むのをためらっている方も実はたくさんいるはずです。絶対面白いのでまだの方は是非。

ある男

ある日、ある事故である男性が亡くなります。
その男性には妻も子供いました。
しかし、その人は実は人の戸籍を乗っ取っていたことが分かりました。
彼はいったい何者だったのか?
死生観やアイデンティティなどがテーマになっている作品。
映画にもなりましたよね。
ミステリーでもありますが、人生とは?と考えさせれる物語になっています。


歴史とは何か

エドワード・ハレット・カー。イギリスの歴史家、国際政治学者。
ケインブリッジ大学でおこなった6回の講義を元にまとめられた本だそうです。
歴史の勉強というより、歴史の見方や考え方の講義ですね。
歴史と現代。この両者には因果関係にあると記されています。
例えば、ソビエト連邦の時代の西側諸国の情報は今ではまったく役が立たないそうです。その情報は集める側が都合の良いものや、勝手な偏見だけのものであり客観性がないため、当時の資料としても歪なものとなっているそうです。
つまり総合的に歴史を観ていかないと現代の問題にもちゃんと対応できないわけです。
今も色んな情報がネットなどから溢れていますが、なにかしらバイアスがかかっているもので、どれが正しいのかを見分けるリテラシーが必要ですものね。


イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

アドルフ・アイヒマン。ヒトラーの指示のもと、ユダヤ人の移送に指揮的役割を担った人物です。虐殺の一端を担っていた彼は戦争後、アルゼンチンでイスラエルの諜報員によって捕まります。そして裁判で死刑判決が下されます。
その裁判記録とともに様々な考察が記されています。
確かに虐殺に加担したわけですから悪い人なんですが、彼だけが悪かったんでしょうか?
そもそも捕まえた側のイスラエルはアルゼンチンの許可なく彼を逮捕しています。それも問題はなかったのでしょうか。裁判の手続きは正式なものだったんでしょうか。
虐殺以外にも何が正しいことだったのかが問われまくっている本書。著者のハンナ・アーレントは政治哲学者、思想家として評価されていた方なんですが、本書を出した際に避難されて今で言う炎上した本です。
ですが、近年では再評価されているそうですが、歴史というのはやはり総合的に見るべきというのを改めて考えさせれられる本です。

漢字のなりたち[日英対訳]

どこから読んでも楽しい。題名通りに漢字の成り立ちを説明した本です。
象形文字から成り立っているものが多くありますが、その文字は元々どんな意味であったのか。文字と文字を組み合わせることで新たな意味を持ったりと、元来の意味を知ることで漢字を楽しめる本です。
実は今とは意味合いが違っている漢字とかあったりしますよね。

他人に言い負かされないための心理学

ちょっと前に「論破」という言葉が流行りましたが、これは「勝つ」ため本ではなく、「負けない」ようにする本です。
イジメとかパワハラなどは急に始まるのではなく、何かしらの小さい先制攻撃があったりするのでそれに気づくべきとか、そもそも「抵抗」を示していないために続けて攻撃されているのではないかなど気づきを教えてくれます。
クレーマーに対処する際に、言わせるだけ言わせるとか、逆に質問をして流れを変えるなど。
攻撃があっても自分に被害者感をだして、客観的にみてもらうためのポジション取りとか。
色んなコミュニケーションでの対応をまとめている本だそうで、現代のネットでのやりとりに役立つのでは?と紹介者がオススメしてくれましたw

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

旅をする赤ずきん。様々な童話の世界を渡り歩きます。ファンタジーの世界を楽しめるはずが殺人事件に遭遇!
しかも童話のですから魔法とかが絡んでくるから、現代のミステリー感では謎は解けませんw
名探偵となって事件を捌いていく赤ずきんちゃん。
さてはて、旅の最後には何がまっているのでしょうかw
最近、Netflixで映画化にもなりましたね。
映画版はコメディな感じで楽しめますよ。

以上が今回紹介された作品でした。

拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。

ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw

次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。

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