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開催内容 2023年 2月26日(日)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

2023年 2月26日(日)
近頃、急に温かい日があったりします。
そろそろ春の訪れを期待しちゃう季節かもしれませんが、やっぱり寒い日もありますから体調管理には気をつけたいところです。
さてはて、今回は参加募集したところ、一週間もしないうちに満席になり、ありがたい回となりました。リピーターの方も増えてきました。
サンキューです!

では、今回紹介された本をば紹介。まずは僕からの分です。

まっぷたつの子爵

イタリア文学作品です。トルコとの戦争に勇ましく出向いたものの敵軍の大砲によって半身を吹き飛ばされた子爵。命からがら自身の領地に帰ってくるのですが、残虐な君主となって領民を苦しめるようになります。
そんなところ、もうひとりの子爵が帰ってきます!なんと吹き飛ばされた反対側の半身が帰ってきたのです。
この半身が善の心を持っていて、正反対。さてどうなる!?
という、おとぎ話ですw。

善と悪という一人の人間に中に共存しているはずのものがぱっくり分かれたことで色んな展開が訪れます。これ結構深いんですよ。
ファンタジーでツッコミどころ満載なんですけど、考えさせられるところもあって面白い作品でした。
他の読書会に参加した際での課題本でして、良い本を教えていただきました。

SWITCH 特集110年目のお笑い 前編と後編

こちらも僕の紹介した雑誌です。
お笑いの吉本興業が創立110周年ということで、インタビュー特集を組まれたもので、前編が明石家さんま、後半がダウンタウンが表紙となっています。
生まれも育ちも大阪である僕としては「お笑い」というのはずっとそばにある文化でして、この表紙の芸人さんもずっと観てきたわけですよ。
この表紙の二組だけではなく、色んな世代、ジャンルの芸人さんのインタビュー記事が満載となって、お笑い好きの僕にはよだれものの内容でした。

「面白いか、面白くないか」って結局は「好きか嫌い」かだったりするのですが、僕はお笑いが全部好きなので全部面白いんです芸人さんって。
お笑い大怪獣の明石家さんまのルーツとかも結構書かれていて剛腕とも言えるお笑いへの姿勢も納得できるものでしたし、ダウンタウンの二人のお互いだけが分かっている不思議な距離感とかは読んでいて楽しかったですね。
やはり劇場に足を運びたくなりました。
てか、今日は吉本新喜劇を観てきましたw。おもしろかったw。


愛と怒りの行動経済学

よくマーケティングとかで出てくる行動経済学。
人の感情とは関係なくどれだけ合理的なものにしていくかっていうテーマがあったりするイメージなんですが、この本は逆に感情を合理的なものとして考えていくべきだと主張しています。
最近、流行っているというかよく取り上げられている心理進化学的なアプローチで著し、結局のところは人の善良さが経済を形作るお話とか、色んな説を並べて行動経済学を説明しています。

能率を考えると、読む取りにくい感情を省いて経済を回したいところですが、よく考えたらゲーム理論なんかもお互いの心理の読み合いで成り立つものですから、人の感情を前提とするほうが正しいと思ったりします。
てか、題名に入っている「怒り」っていう感情はどのように行動経済学にハメ込んでいるのかは読んでみたいところですw


ファイト・クラブ

有名な映画の原作ですね。ブラット・ピットとか出てたやつ。
映画は名作で未だに好きな映画に挙げる人も結構いますよね。僕も好きな作品です。
パッとしない男が「暴力」によって自己を開放していくという野蛮なお話なので、アメリカでは図書館とかでは置いてもらえなくなっている本らしいですよw
ファイトクラブというのが社会とは断絶された地下でやっているようなものですから事実が逆に追いついてきている感じなのかもしれません。
そんな禁書のような扱いすると逆に読みたくなっちゃうよねーって話w
映画とはオチが違うらしく、映画鑑賞済の方も楽しめるようです。


いけばなときもの

生花の池坊専好。着物は矢嶋孝敏。
という日本伝統文化の担い手のお二人の対談を中心にまとめられた本。
紹介者の方が着物の着付けを習い始めたことで興味をもって手に取られたとのことです。
ところどころに綺麗な写真もあって、観るにも良い本とのことですが、その綺麗なものに仕上がるまでの一つ一つのステップ、プロセスに意味があることに気付かされるということで、それが毎日の丁寧な生活に繋がりそう。
生き方のヒントとか気付かされる本だそうですよ。


もの食う人びと

本の発売は1990年代のものなので、現代のお話ではありませんが、当時の世界のあらゆる国へ取材に出かけ、現地での国の状況、その中で生きる人々の生き様を「食」という視点からルポルタージュ、報告したものです。

貧困にあえぐ国を取り上げていて、中でもホテルでの残飯を売る仕事があって、残飯がビジネスとなっているお話だったり、狩猟が禁止されている動物さえも食べざる負えない人たちのお話など、現在では事情が変わっているかもしれませんが、当時はこんな事がありましたと、貴重な話が詰まっています。
この本は僕も読んだことあるんですが、異世界のようなお話ばかりで、大変興味深い本ですね。

おちくぼ姫

紹介者いわく、「日本版シンデレラ」
源氏物語よりも古くに作られたお話。落窪物語とも言われるそうな。
作者も不明w

母と死別し、継母のもとで暮らすものの冷遇されて苦労するものの周りの人たちに助けられながら頑張っているところに立派な貴族に見出されて結ばれる・・・という、ほんとシンデレラw
当時の貴族社会のいじめとかを実写的に著した作品でもあるらしいです。
落窪というのは、の落ち窪むようなひどい暮らしという意味とのこと。

表紙が可愛い手ぬぐいのような柄ですが、これは角川文庫の
人気てぬぐい店「かまわぬ」とのコラボ和柄カバーということでほかも色んなカバーのバリエーションがあるみたいですよ。


一〇三歳、ひとりで生きる作法

107歳まで生きた篠田桃紅さんという美術家のエッセイ。
水墨の抽象画、墨象という美術作品をたくさん残された方で、売れだした当時は前衛的な方だったようですね。
作品は世界的に有名で、メトロポリタン美術館にもおさめられているそうです。

老いを受け入れていく様というか覚悟いうか、完璧な人生はないということを悟りを綴られているらしく、人だれでも考えさせられるテーマを先達として書き残してる感じでしょうか。
決して悲観的なことではなく、老いてもなお、生きていく姿勢はむしろ強者のようで元気をもらえるそう。

ハーバードの美意識を磨く授業: AIにはつくりえない「価値」を生み出すには

美意識をどれだけビジネスの成功に役立てるかという授業がハーバード大学での講義をまとめているもの。
拝金主義というか、儲けることが正義のようなビジネスの世界ですが、美意識を持つことがいかに大事ということや、これからの時代に必要なセンスについて書かれているそうです。
ただの空論ではなく、実践的な具体的な学びもあるそうで、AIには出来ない人の感覚について考察などが書かれているらしいですね。
「ハーバード」という名前が出ちゃうと一気に格があるよねって話をしてましたw
確かになんでも美意識は必要で、実利だけを求めるのではなく、結果的には整ったものが残るっていうはわかります。


孤独という病

この本を検索してみると、「孤独の飼い慣らし方」というフレーズがありましたw
生物学者の方が書かれてた本で、心理学的なところではなく、生物学の視点からアプローチで孤独を分析。
誰しもどこかしら孤独を感じたりするものですが、それは人間だけ?みたいに他の動物に焦点をあててみたり。
例えばオラウータンの育児は母がオンオペ状態らしいんですが、それは生きていく上でそれが効率的なわけで、その中に孤独という概念は別になってくるわけです。
そもそもなぜ孤独を感じるのか?それは人間が生き残るための感情では?
という孤独の正体に迫っています。


短歌ください

歌人の穂村弘さんが担当されている、本の情報誌『ダ・ヴィンチ』の投稿企画「短歌ください」に寄せられた短歌をまとめたものです。
色んな方から短歌が集められていて、紹介者の方がいくつかの短歌を紹介してくださいましたが、面白いワードセンスというか、人それぞれの立場を伺える歌が面白かったです。
短歌というのはすべての人にわかってもらうように作るわけではなく、誰かわかってくれたら・・・くらいのターゲティングで歌う方が面白いものなるようで、それがわかれば深く刺さったりするよねと話をしていました。

短歌ってなかなかハードルが高そうですが、意外とやっている人が多いみたいで同人誌の世界ではちゃんとしたジャンルとして確立しているんですよね。僕も出来るかしらんw


以上が今回紹介された本でした。
読書会の醍醐味といいますか、やはり人によって全然ちがうジャンルをおすすめされるので毎回良い刺激になるねと会の後の食事会でも話していました。
うちの拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。

次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。


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