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開催内容 2024年7月13日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

もうすっかり夏ですが、今日は曇り空で日差しはだいぶマシでしたが、すごい湿気でまとわりつくような暑さでしたねー。

今日も充実したラインナップ!
我ながら色んなジャンルが出て楽しい読書会だなーと感心します。
自画自賛w

ババンババンバンバンパイア

吸血鬼がバンパイアハンターに追われて瀕死の状態になったときに、一人の少年に救われ、彼の家の銭湯「こいの湯」に住み込みで働くことから始まります。
450歳の吸血鬼・蘭丸と彼が住み込みバイトをする銭湯の一人息子・李仁を中心に展開するコメディーマンガ。
蘭丸は好物の「18歳の童貞の血」を求めており、李仁の貞操を守るため奮闘します。
狙った少年が女性を知らずして成長してほしいものの、恋する少年の眩しさに興奮してしまうというちょっと変態な吸血鬼のお話です。
登場人物がどんどん増えて、大変な関係図になっていくのがカオスで楽しいマンガです。


地雷グリコ

最近、すごく売れている小説ですね。
「地雷グリコ」というのもじゃんけんで勝った手で歩数を進めていくゲームの独自のルールを加えたものです。
勝負事に強い女子高生が学園生活の中で様々な変則的なゲームを巻き込まれていきます。
ほかに坊主めくりなど子どものときにやったことのある一般的な遊びに元にロジックや心理戦を駆使して勝負をする学生たちの姿が描かれており、凄まじい頭脳プレイが展開されます。
やたら強い権力をもってる生徒会とか、学園マンガのような設定だったり、登場人物たちが全員曲者ですw


次から記す3冊は学生さんが卒業後に社会人としてちゃんとしようとするための選書ですw

最新 困ったときにすぐひける マナー大事典

日常生活から冠婚葬祭、ビジネスマナーに至るまで様々なシーンでのマナーや作法をまとめた実用書です。
紹介者は大学4回生で来年から社会人ということで、何気に手にとって見たとのことなんですが、例えば祝儀・不祝儀とか、結構色んな種類とかあって、社会人でも意外と知らないことばかり。
手元にあったら便利だったという大人の意見もありまして汗
ネットではトンデモないナマーとか出回っていたりしますから、しっかりした情報として置いておくもの良いかもしれません。

そして、今やパソコンとか使っちゃうと「字を書く」っていう習慣が減っちゃうもんですが、たまに字を書くと緊張しちゃうとのことで下記2冊を買ってちょっと練習してみたそうです。

大判 くせを直せる! 美文字ペン字 基本練習帳

美しく正しい字が書けるペン字練習帳

最初はまっすぐな線、曲線を書くことから始まり、ひらがな・カタカナへと丁寧に字を書く練習ができます。
でも退屈で眠たくなると紹介者の弁でしたが、字がうまくなると一生ものとのことという意見もありました。うーん、確かに。


教団X

主人公の男性は、突然姿を消した女性を探すため、奇妙な老人を中心とした宗教団体にたどり着きます。この団体は別のカルト教団と敵対関係していることがわかってきます。
奇妙な2つの団体を中心に話は進み、宗教、セックス、テロ、貧困など、現代社会の様々な問題を描き出し、深い人間ドラマが展開されます。
複数の登場人物視点で物語が形作られ、読書が思っていることを登場人物たちが代弁してるかのように感じ、素粒子という物質の基本構成要素をの理論を元に、運命論的なことにも触れていきます。
宗教という舞台を使っていますが、色んなテーマを含んだ作品です。


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

英国在住の著者が自身の息子の成長やイギリスの多文化社会での生活を綴ったエッセイの第2弾。
著者の息子が通う多文化学校での経験や家庭での出来事を通じて、現代社会における人種や文化の問題に焦点を当てています。息子が自分のアイデンティティを探しながら成長する過程が描かれており、親子の絆や教育の重要性についても考察されています。
多文化と多様性、貧富の格差、家族の絆。
前作よりもさらに一歩踏み込んだ多文化社会の現実や個々のアイデンティティの探求を知ることができます。


小説 帝銀事件

1948年1月26日に発生した日本の戦後最大の未解決事件を元に書かれた松本清張の小説。
豊島区にある帝国銀行(現:三井住友銀行)に白衣を着た男が椎名町支店に入り、行員と顧客16人に対して「自分は厚生省の職員で、赤痢の予防薬を持ってきた」と偽り、全員に薬を飲むよう指示。
その薬は実際には青酸カリが含まれており、飲んだ行員と顧客のうち12人が死亡し、4人が重傷を負いました。犯人は大金を奪い、その場から逃走しましたという、今じゃ考えられない事件ですが、事実にあった事件なんですね。
実際に犯人として使った男性は拘置所内で病死し、多くの疑問点や証拠の不備が指摘されており、真犯人が別にいる可能性も否定でないというお話。
本当はノンフィクションとして書きたかったそうですが、戦後の諸事情でフィクションとして書かざるおえなかったという話など謎が深まるばかりの作品です。


天下城

武田家によって家を滅ぼされ、戦国時代の信州、落城により鉱山に送られるという辛酸をなめた若者は難攻不落の城を築きたいという望みを抱き兵法者の小者になり各地を遍歴し、名高き近江の石積み、穴太(あのう)衆のもとへ身を寄せることになります。
穴太衆は、実際に実在する石工集団というか会社です。技術は現代でも評価されており、文化財の修復や保存にも活用されています。
城作りという戦国時代の戦の描き方は一味違った面白さだそうです。

そして、その主人公の息子のお話もちょっと紹介してくださいました。
舞台はヨーロッパへ移り、日本の建築技術を活かして活躍するそうです。
獅子の城塞



創造論者vs.無神論者 宗教と科学の百年戦争

主にアメリカでの創造論者と無神論者の間での論争に焦点を当てており、その背景、展開、そして現代に至るまでの影響について詳述しています。
創造論者は聖書に基づいた神による世界の創造を信じていて、無神論者は科学的証拠に基づいた主張をしています。
教育現場や法廷での論争が頻発しています。例えば、進化論の教育を巡る裁判や、創造論を学校教育に導入しようとする運動などが取り上げられています​。
宗教と科学の対立を教育、政治、医療など、さまざまな分野でこの対立がどのように表れているかを分析し、その影響と結果を考察しています。


フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書

フランスの高校生は、哲学の授業が必須なんだそうです。
目的は批判的思考を養い、論理的な議論を展開する能力を培うことにあります。
ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど、哲学者に言及しながら「主体」「文化」「理性と現実」「政治」「道徳」といったテーマで紹介されています。
実際の試験対策も書かれているようで、日本は詰め込み教育とか言われてましたが、国によって教育の違いを感じます。


紹介者の一人が東京へ行った際に本にまつわる場所を巡ったそうです。

東京・神保町 書店「ほんまる」

直木賞作家、今村翔吾さん開いた書店。
本を売りたい人に書棚を貸し出す「シェア型」の店で、「本好きのサポートにより、書店の減少に歯止めをかけたい」といった気持ちではじめたそうです。
シェア型の本屋は古本を扱うところが多いんですが、こちらは新刊も扱っているそうで、自由な売り方を展開しています。
ちなみに水野ゼミの本屋もシャア型の本屋さんです。
拡がる読書会からも古本を発売していますw

そして、今浦省吾さんの作品を一つ
じんかん

戦国時代に生きた武将・松永久秀の生涯を描いた作品です。
松永久秀は、「三悪」と称される武将で、将軍足利義輝の暗殺や東大寺大仏殿の焼き討ちを行ったことで知られています。しかし、本作では彼の行動の裏にある人間らしい動機や苦悩に焦点を当てています。
実際はあまり記録がなく、謎の人物だったりするのですが、今作では彼の行動の背後にある信念や理想、そして人間としての弱さや苦悩が強調されています。

もう一つイベント。
東京創元社 創立70周年フェア

ミステリーや、SF作品をたくさん出版していますよ。いつもお世話になっていますw
そのフェアに参加している書店に寄った際にゲットした2冊。
東京創元社創立70周年記念小冊子

東京創元社社員有志による東京創元社公認(?)同人誌 「賄」

書き下ろし記念エッセイ「東京創元社 、私の一冊」やコミック・イラスト、年譜などを収録したものです。
ほかにも色々オリジナルグッズなどの販売しているそうですよ。



砂の女

安部公房による1962年に発表された小説ですが、未だに評価が高い作品です。
主人公は昆虫採集が趣味の教師で、ある日、砂丘地帯を訪れて珍しい昆虫を探している途中、村人に案内されて砂丘の底にある一軒の家に泊まることになります。
主人公は帰ろうとしますが、はしごが取り外されており、砂の底に閉じ込められてしまいます。脱出を試みるものの、ことごとく失敗し、やがて彼は女性とともに砂と戦いながら生活を送ることになります。
比喩表現も多く、不思議な世界、観自由と拘束、孤立とコミュニケーション、人間の存在意義などテーマが詰まった今作は海外でも評価が高いそうです。


動物農場

「1984」にならぶジョージ・オーウェルの代表作。
風刺小説といっても良いかなと思います。ソビエト連邦のスターリン政権による全体主義的な体制とその指導者たちを批判する寓話として広く知られています。
物語は、イギリスの農場で家畜たちが反乱を起こし、人間の農場主を追い出すところから始まります。自分たちが農場を管理し、平等な社会を築こうとしますが権力闘争が起こり、次第に独裁と不平等へという流れが繰り返されます。
平等と自由を求める理想が、現実の権力闘争や自己利益によってどのように歪められていくかが示されています。
実際の過去の歴史上の独裁者を知っていると風刺の切れっぷりに笑ってしますそうです。


夜が明ける

主人公「俺」とその友人アキの青年二人の成長と困難を描いた物語です。
「俺」苦労しながらも大学へ進学。報道写真に興味を持ち、テレビ制作会社に就職しますが、過重労働や職場での理不尽な状況に苦しみます。
一方、アキは母親からの虐待を受けながら育ち、高校時代には吃音に悩まされますが大学では劇団に入りますが精神的に追い詰められていきます。
物語は、二人がそれぞれの困難と向き合い、再生を目指す過程を描いています。特に、「俺」は自分の過去と向き合いながら、未来への希望を見出していく様子が描かれています​。
紹介者の方は印象の残る後半に泣けるシーンがあるそうで、辛い時はそのシーンを何度も読み返すそうです。


きれいなシワの作り方 淑女の思春期病

「殺人出産」「コンビニ人間」など奇抜な世界観を描く村田沙耶香さんのエッセイ。
こちらは小説とは違って30歳を過ぎたころから感じ始める身体や心の変化をテーマに、著者自身の経験や日常の出来事をユーモラスに描いています。
孤独や一人で過ごす時間の価値について。大人ならではの恥ずかしい出来事や失敗。年齢を重ねることへの受け入れと楽しみ方。など独特の視点から描かれるエピソードは盛りだくさんです。


動物のお医者さん

佐々木倫子による人気漫画で、動物や獣医学をテーマにした日常コメディ。
主人公は獣医学部に通う大学生です。彼のペットであるシベリアンハスキーの「チョビ」との生活を中心に、獣医を目指す学生たちの学びや成長、そしてユーモラスな日常が描かれています。
もう30年ほど前の作品ですが、参加者の方々も覚えている方も多く「こんなシーンありましたよね」とか記憶に残るシーンがいっぱい出てきました。
シベリアンハスキーは強面だけど、ちょっと頭が悪い。という描写で、一気に親近感のわく犬種になりましたw


高橋是清自伝

明治期に日本銀行総裁、大正期には総理大臣を務め、さらに昭和初期までに合計7回も蔵相を務めた高橋是清の自伝。
彼の生涯は若い頃から波乱万丈w
英語の力を伸ばすことを志し、14歳でアメリカへ渡航しますが、ちょっとした行き違いで奴隷の身分で他の家庭に身売りされてしまいますw
辛酸をなめた留学体験ではあったが、その中で身に付けた高い英語力は、やがて政界に入った後に大きな武器となります。
帰国後、英語学校に教師、初代専売特許所所長の地位を経たりとどんどん出世していきます。日露戦争時には駐英財務官として見事、戦費調達という大役を果たします。
当然本人の高い能力にもよりますが、それも人との出会いの賜物。
愛嬌のある丸顔と立派なひげというその外見によって「ダルマ宰相」の愛称で呼ばれ国民に親しまれるようになったりするところはやはり人間的な魅力があったんでしょうね。


探究

「探究」シリーズは、柄谷行人の哲学的・思想的な探求をまとめたもので、特に「他者」や「外部」に関する考察が中心テーマとなっています。
自己と他者の対称性を前提とする「話す‐聞く」モデルを焦点をあて、他者は自己と同じ言語ゲームに属している他者であり、結局のところ他者はもうひとつの自己にすぎなくなる。と難しい話にありますが、対話を経て、自身も他者の関係性を構築の過程を考察しています。
難しい内容ですが、わかってくるとコミュニケーションの大切さを考えさせられる一冊となっています。

言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか

副題もあるように人間の言語がどのようにして生まれ、進化してきたのかを探る本です。
オノマトペ(擬音語・擬態語)をキーワードに言語の起源から言葉の発展を謎に迫っています。
子供たちは自身の経験と照らし合わせながら、言葉の意味を理解していきます。擬音と経験を紐つけることで意味を理解していく過程は結果から遡って原因を推測してるとする人間と独特の学習方法は、AIのような機械学習とは違ったものです。
言語学に興味がある人や、言語の本質について理解を深めたい人にとって、非常に興味深い一冊です。



以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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