バガヴァッドギーター講座第1回
バガヴァッドギーター〈あるがままの詩〉
概要と〈あるがままの詩〉の特質
バガヴァッドギーターとは
歴史叙事詩『マハーバーラタ』の一部で、カリ時代がはじまった約5000年前、主クリシュナが友である献身者アルジュナに語られた。
全18章700節から成る神自身が語った教典。
A.C.バクティヴェーダンタ・スワミ・プラブパーダによって書かれた。(クリシュナ意識国際協会創設者)
バガヴァッド=万物の源、至高主
ギーター=唄、詩、言葉
①ヴェーダの起源
ヴェーダとは「知識」という意。
『ヴェーダはクリシュナを起源としていて、クリシュナとともに永遠に存在している』
ヴェーダのゴールは「クリシュナを知る」こと。
クリシュナを知るということは「自分を知る」こと。自分を深く知ることで、必ずクリシュナへとたどり着く。
ヴェーダの叡智はまず宇宙最初の生命体、ブラフマーのハートに啓示される。それを授けたのは宇宙創造以前の至高主クリシュナ。
②ヴェーダの伝承
師弟継承を通して口伝で伝えられた。
4つの師弟継承
1、ブラフマー
2、ラクシュミー
3、シヴァ
4、4人のクマーラ(ブラフマーの息子たち)
ブラフマーから弟子のナーラダへ
ナーラダから弟子のヴャーサへ
ヴャーサがヴェーダをストーリーでわかりやすく書いたのが「Purana」(プラーナ)
他に4ヴェーダ、108のウパニシャッド、シュリーマドバーガヴァタムなど編纂
ヴェーダの知識はSRUTIとSMRITIに分かれる
・SRUTI (シュルティ)…絶対真理として一字一句永遠に保存されている
・SMRITI(スムリティ)…時代ごとに変化する
⚪︎SMRITIはSRUTIを補完する
⚪︎SRUTIの中のヴェーダ4部門
ブラフマナ(宗教儀式)、アランニャカ(宗教儀式)、ウパニシャッド哲学、サンヒター・祈り
SMRITIの中に「Purana」が属する(ヴャーサ編纂)
Puranaー6 Sattvaーヴィシュヌ
ー6 Rajasーブラフマー
ー6 Tamas—シヴァ
プラーナによって誰がバガヴァーンであるか、結論が異なる。異なる理由。矛盾の理由。
バガヴァッドギーターはSMRITIの中の
「Itihasas」叙事詩のひとつ
マハーバーラタの1シーンである
③ヴェーダの学び方
1、師弟継承上のグルが教えている経典を、グルから学ぶ
2、その言葉どおり、理解する
3、矛盾がある場合にはアーチャーリャの解釈を受け入れる
4、ヴェーダに矛盾がある理由。
→様々な様式の人がヴェーダに繋がれるように。みんなを満足してさせるため。そして、まだ理解する必要のない人には、そのより高い真意を隠すために。間接話法で語られている。
④バガヴァッドギーターの特質
1、唯一、神ご自身が語った教典である
(他の本は神について語られたもの)
2、宗教ではなく、宗教原則を説いている
3、他の本に書いてあることは全て書いてある
(ギーターの中にすべての知識が入っている)
4、他の本に書いてないことが書いてある
他の本に書いていないこととは
✴︎生命体の本来の立場について
✴︎神について、絶対真理について
バガヴァッドギーターの主題
『神と人との関係の科学』
1章〜6章 カルマヨガ 生命体について
↑
7章〜12章 バクティヨガ 至高主について
↓
13章〜18章 ギャーナヨガ 物質自然について
✴︎バクティヨガはカルマヨガ、ギャーナヨガを補完。
✴︎バクティヨガが混ざることで、はじめてカルマヨガ、ギャーナヨガが完成されるが、バクティヨガはそのどちらにも依存しない。超越的である。
概要 2章 (2章を読めばすべてわかる)
内容 3〜17章
まとめ 18章
⑥「あるがままの詩」の特質とは
1.権威ある師弟継承の注釈をふんだんに取り入れた原意に忠実な解説書である。
2.至高主クリシュナの使命を紹介すること。
❶人間として生まれてきた使命を果たすこと。
❷本来の自分の立場を知り、主に直に仕えること で、人生の最高完成を達成する。
❸人間社会にとっての本当の幸福を与えること。
すべての人にとって1番いいこと。最高のことを教えてくれている。一時的で儚い幸せではなく、永遠の幸せとは何かを思い出せるように。
なぜなら、至高主クリシュナは私たちをこよなく愛しているから!
「人生の最高完成とは」
Pursartan〜5つの人生の目的
1.義務 ダルマ
2.経済発展 アルタ
3.快楽 カーマ
4.解放 モークシャ
一般的には4つの目的、「モークシャ」がゴールとされている。
バガヴァッドギーター あるがままの詩でクリシュナが伝えているのは、さらにモークシャを超えた5番目の目的 5.プレマ 神愛
が、最高の完成であるということ。
人が何度も生まれ変わりながら人間の質(グナ)を高め、魂を解脱へと導くために設けられたヴェーダの社会制度。
〈ヴァルナ・アシュラマ・ダルマ〉
Tamas → Rajas(カルマヨーガ)→ Sattva (ギャーナヨーガ) → 解放(バクティヨーガ)
グナを高めながら最終的に解脱へ。
仕事ややり方を変えながら徐々に浄化へと向かう。
これらは物質的なダルマ(義務)の段階である。
バクティヨーガはすべてのグナを超越していて、
どのグナからでも始めることができる。
バクティヨーガのゴールは解放を超え、
プレマ(神愛)である。(ヴッディヨーガ)
これが至高のダルマ(義務)とされる。
バガヴァッドギーターの結論
⑦「バガヴァッドギーターの栄光」
Gita-Mahatmya7 by Shankara acarya
ekam sastram devaki ptra gitam
唯一の教典!それがギーターである
eco devo devaki ptra eve
唯一の神!それがクリシュナである
eko mantras tasha namani yani
唯一のマントラ!それがクリシュナの名前である
Karmapy ekam tasya devasya seva
クリシュナに仕えること!
それこそが唯一のダルマ(義務)である
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