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中小企業診断士試験:1次試験対策

はじめに

会社に縛られずに経済的な自由を手に入れ、人の役に立つ人間でありたいと考えていました。ぼんやりと起業も考えましたが、診断士の資格を得ることが遠回りのようで、実は近道と考え、受験を決意。現在高1の息子のサッカーに小学生以来休みを投入していたので時間が取れずにいましたが、部活引退と東京オリンピックの満喫後、暇になったタイミングで2021年9月にスタートしました。

当初は1年で受からないだろうなー、科目合格で少しずつ、と思っていましたが、勉強が習慣化したりSTUDYingのSNSで皆さんが奮闘されている様子を知るにつれ欲が出て、1次試験は一発合格を狙うようになりました。2次試験はSTUDYingの先輩たちから厳しさを聞いていたので、2回目で受かれば・・・というざっくりとした計画でした。

前回の「しんだんがかり通信」では2次試験合格の必須アイテムだった「勉強会」にフォーカスしていましたが、こちらの1次試験対策は勉強仲間との交流は保ちつつ、STUDYing+独学での勉強でした。「何をやったら正解」というのはないと思いますが、何かの参考にしていただければ幸いです。
前回記事 ↓
しんだんがかりインタビュー |しゃら|note

勉強開始から1次試験までのタイムライン

1次対策勉強時間:約1200時間(内、2次対策:約70時間)

月・科目別学習内容

使用教材

科目別使用教材

経済学・経済政策

財務会計の次に時間がかかった科目。速習マクロ・ミクロ経済学の動画+テキストを一通りやりましたが、高度すぎてイマイチ理解できず、はじめよう経済学でようやく基礎がわかりはじめました。加藤先生の解説はとてもわかりやすく、仲間内でもとても評判でした。

しかし「はじめよう経済学」は診断士一次試験の一部しかカバーしていないため、対応できないテーマがありました。そこで、TAC「スピテキ」+「スピ問」も導入。このセットは相互に連携しているので効果的で、試験範囲をカバーしているため、基礎ができた後はこの組み合わせが最も効果的であると感じました。

頻出問題のトレーニングと仕上げには過去マス(最新でなくてもOK)が効果的だったと思います。当初はSTUDYingの問題をPCでやっていましたが、経済の問題演習は紙ベースが私には合っていました。余剰分析やIS-LM曲線等のグラフにフリクションペンで色分けして書き込むと問題が解きやすかったです(消して繰り返し利用)。

経済が苦手な方は、初期段階で中小企業診断士のための経済学入門(三枝元氏著)や初歩的な経済学の入門書(絵でわかるマクロ・ミクロ経済学など)で経済学の独特の考え方に触れておくと、その後の理解がしやすくなるかもしれません。

財務会計

最も時間をかけた科目。遠い昔に取得した簿記3級程度の事前知識。STUDYingの講義・演習を繰り返していましたが、12月頃から「TAC財務会計集中特訓」に切替え5回転。過去問より難易度の高い問題も多く、これらは飛ばしましたが。5月から導入した過去マスTAC年度別過去問も効果的でした。

簿記2・3級のテキストを補助的に使用。2次試験後に本格的に簿記2級の勉強をし、いかに理解不足だったかと思い知りました。簿記2級の一部のみが財務会計の範囲になるようですが、会計の基礎理解や問題の解き方を訓練するために、簿記2級問題集から財務会計と重なる問題(仕訳や工業簿記)を選び、演習をするのもよいかもしれません。ただし、2級合格までこだわると時間が取られるのでどこまで突き詰めるかの判断も必要です。1次試験の財務会計は3級と2級の間くらいと言われています。ちなみに、2次試験後に簿記2級の対策を本格的に始めましたが、すでに2回落ちました・・・ははは・・・。

企業経営理論

初期はSTUDYingのみでしたが、まとめシートの方が頭に入りやすかったので切替えました。問題演習はSTUDYingを3月頃まで使用し、4月以降は、スピ問→過去問マスター(最新でなくてOK)→TAC年度別過去問という流れでした。

今思えば、初期から「まとめシート+過去マス」にしぼるべきだったと思います。過去マスは辞書並みの厚さで十分な演習ができること、本科目の問題は独特の言い回しに慣れる必要がある点で過去問演習が効果的であるためです。私は5月から過去マスを始めましたが、時間が足りなかったため、苦手分野だけを数回回す程度になってしまいました。

運営管理

企業経営理論と同様の方法でした。これも「まとめシート+過去マス」が結果的に良かったと思います。本科目は出題数が多く、時間がかかる問題とそうでない問題が混在しています。時間がかかる問題は最後に回すといったタイムマネジメントがこの科目は特に重要です。

計算問題の公式を覚えるのに苦労しましたが、これは演習を繰り返すしかないのかなあと思います。公式を紙に書いて持ち歩いたりしていました。アローダイアグラムは訓練しましたが、本番で解けず無念…。コスパを考えるべきだったかも。

経営法務

STUDYingは(他の科目も同様ですが)、学習マップやPCでの問題演習が自分には合わず、まとめシートをメインテキストとし、「スピ問→過去マス」を演習用に使用しました。まとめシートは会社法や知的財産権など、非常によくまとめられているので、まとめシートのテキスト部分で理解した後は、まとめページのPDFをプリントアウトし、問題演習で新たな知識を書き込み、電車内やすき間時間に暗記に努めました。
 
法改正に対応するため、スピ問と過去マスは最新年度がおすすめです。過去マスは最新年度の発行が4月下旬頃でしたが、それからでも十分間に合うと思います。まとめシートも法改正に対応する正誤表が公式サイトで入手できるので(おそらく5月以降?)、時折アップデートを確認することをおすすめします。

経営情報システム

STUDYingは内容が古い気がしたので、まとめシート+スピ問を繰り返しました。最近は過去問にない最新IT技術や動向も出題されるので、直前期になりますが模試解説集の活用も効果的。同様の理由で過去問よりスピ問を活用しました。まとめシートのサイトから暗記アプリ用データをDLし活用(直前期のみ使用、中小も同様)。また、わからない用語を調べるために、ITパスポートのテキストを購入して辞書的に活用しました(受験はしませんでした)。

中小企業経営・政策

学習を始めるタイミングに悩みましたが、暗記科目と割り切り直前期に集中することにしました。4月末のLEC模試直前1週間にざーっとまとめシートを読み、あとは6月と7月にやった模試解説を本番前に詰め込み。問題演習はあまりやらずに、とにかく暗記に努めました。まとめシートのサイトから暗記アプリ用データをDLし活用(直前期のみ)。ほらっち先生のYouTubeを入浴時に視聴。解説がわかりやすく、語呂合わせなどもありとても助かりました。

中小企業経営は前年の中小企業白書からの出題なので改正はないのですが、中小企業政策は制度改正等に対応する必要があり、その点でも2か月前くらいからの対策で十分かと思います。直前期になりますがまとめシートの公式サイトで法改正対応の正誤表が発表されると思いますので確認が必要です。

ちなみに、合格後に補助金申請のお手伝いの話が早速入ってきまして、今更ながら1次試験対策時にしっかり勉強しておくべきだったと反省しています。この科目は暗記ばかりで苦痛に感じてしまいがちですが「実際に中小企業の社長さんを支援するために」という気持ちで臨まれると取り組みやすいかもしれませんね。

科目ごとに勉強方法を分ける

科目ごとに強弱をつけた勉強をしました。特に財務会計と経済が苦手で時間を投入。理解できれば直前期に暗記科目に集中できると考え、3月までに全範囲の理解を目指しました。5月から始めた過去問マスターでテーマ別に類似問題を解くトレーニングをすることで、ようやく仕上がってきた感じがします。
一方で、企業経営理論や経営情報システムや中小は比較的直前期に集中して暗記しました。対策方法も科目別の教材や月別の表にありますように、時間のかけ方や使用教材も自分に合った方法を模索しながらやっていました。

一発合格まとめシート

野網美帆子先生が書かれた書籍。野網先生直筆のイラストや語呂合わせが楽しく、図解・図表も多いので頭に入りやすかったです。試験会場で持っている方をよく見かけました。私も1月くらいからは、全科目でこちらを利用させていただきました。STUDYingが向いている方も多いと思いますが、私はまとめシートの方が合っていて、最初からこちらにしておけばもう少し時間を短縮できたかも・・・というのはナイショにしておきます(笑)

  • PDFを印刷し、問題演習後にアンダーラインを引いたり、知識を書き込む。結果、ファイナルペーパーとなり直前期は何度も読み返しました。

  • 移動時はいつもどれかの科目を持ち歩く

  • 情報と中小は暗記カード用データをダウンロードし、アプリで暗記

  • 必ず最新年度を入手しましょう(特に後編の暗記三兄弟)

こちらは経営法務の書き込み後。こんな感じで書き込みしまくりでした(笑)

出典:一発合格まとめシート2022年度版後編 経営法務より

過去問重視

5月以降は、土日に年度ごとの過去問セルフ模試(5年分)をほぼ隔週で行いました。当初は点数がボロボロだったため過去問マスターの必要性を感じ、平日は過去問マスターと土日の復習、といったスタイルに。5月~7月で年度別過去問や予備校模試を3回程度回しました。年度別過去問は、AASさんのサイトからプリントアウトしたものを使用し本番環境に慣れるよう努めました。TACの過去問集で丸付けと復習。正答率が出ているので、DやEは深追いせずに飛ばすようにしていました。過去マスと年度別はどちらがよいか?という議論がありますが、科目によって(特に、財務会計、経済、企業経営、運営、経営法務)、両方やった方がよい気がします。

過去問マスター:過去10年分程度の過去問から頻出問題を収録。頻出ではないC問題は、サイトからDLできます(やりませんでしたが)。テーマ別に収録されているので、連続して類似問題を解くことで理解の定着を図ることができます。
年度別過去問:過去5年程度の全問題を網羅。ただし滅多に出題されない問題、正答率が低い問題も含まれる。実力を確認したり本番想定の演習によいです。

模試のすすめ

1次模試はLECのステップアップ模試が2023年3月中旬申し込み開始、5月上旬に会場実施があるようなので、状況が許す方は受けることをお勧めします。この時期、まだ仕上がっていなくても本番練習になりますし、最新の法改正や出題傾向に対応した問題に触れることができます。

TAC模試は恐らく5月申し込み開始だと思いますが、昨年は申し込み開始日に満員・締切になる会場もあったので注意した方がよいかもしれません。

3回受けた模試の結果も晒していますが ↓ BやらCやらばかりでした・・・模試で苦戦していても合格している方が多い印象でしたので、あまり点数は気にしなくて大丈夫だと思います。最新の傾向に対応するためにも復習はしっかりと。

自習室の活用 

1か月前のTAC模試の判定がCで「このままではヤバい!」焦り、追い込むため7月の直前期からは自転車で通える有料自習室で、土日の朝から夕方まで過去問に取り組みました。自習室はとても良い環境で大幅に効率アップしたと思います。もっと早く利用していればよかったと思います。1次試験後もそのまま2次試験終了まで利用しました。

1次試験の結果と振り返り

模試と本番の自己採点は表のとおりです。
7月の追い込み月間?が功を奏したのか、全科目60点以上となりました。しかし爆弾科目となった財務会計ではかなり動揺しましたが、運も味方をしてくれました。難解で苦労した法務に助けられたのにもビックリでした。

平凡な点数ですが、運も味方して2次試験に臨めることに。続きは2次試験編で。ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

「しんだんがかり」各メンバーの体験記も順次公開される予定ですので(たぶん)、お楽しみに~♪


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