「相手の良さを逆手に取る」 UCLグループステージ1st leg ナポリvsリバプール マッチレビュー
リーグからひと月遅れで始まったCL。昨年はリバプールの優勝に終わったが今年はどうなるのだろうか。フットボールファンに取って寝不足の日々が始まる。
今回は試合全体レビューというよりは、結果的に勝利したナポリがどのようにリバプールの嵐のようなプレッシングを回避したのか。そこに焦点を当てて振り返る。
配置、スタメン
まずホームナポリ、4-4-1-1でFWは縦関係という予想が多かったが、普通の4-4-2だった。
次にアウェイリバプール。いつもの4-3-3、いつものメンバー。
立ち上がりからハイインテンシティ
リバプールはリーグ戦と同様の嵐のようなハイプレスをこの試合でも見せた。もちろん、ナポリは前半の途中までは、普段リーグでは全く経験しないようなプレッシングを受けたので、ビルドアップに悪戦苦闘。繋ぐことを試みるも、GKやCBにバックパスをして蹴らされるシーンもあった。
しかし、前半の終盤に差し掛かるに連れて、徐々にリバプールのプレッシングに慣れ始める。
おそらく、アンチェロッティがあらかじめ用意していたであろうリバプールの前線のプレスの打開策がはっきりと見えてくる。
ここではクリバリがボールを保持しているシーンを例にあげてみる。
リバプールのプレスはWGが外を切り、中央へ誘導させた上で中盤3センターがスライドするなどして、中央で奪うことでカウンターに繋げやすいようにしている。
上の図では、サラーのプレスを受けたクリバリは2ボランチのいずれか(今回はファビアン)にパスを出す。パスを受けたファビアンはヘンダーソンやファビーニョの素早いプレスを受けるので、余裕を持ってプレーする時間は存在していない。そのため、理想はダイレクト、そうでなくても2タッチ3タッチで素早くサイドに叩く。
ファビアンからルイへのパスが出て、ルイがトラップするかしないかのタイミングでロサーノはアーノルドの背後へランニングをする。さらにロサーノの位置へメルテンスがスライドしてきてパスを要求。インシーニェはハーフスペースで待機する。
これによりアーノルドはインシーニェとロサーノを同時に見ないといけなくなる上、リバプールのDFラインの高さによってはロサーノについていかないといけない場合も出てくる。このようにして守備側のアーノルドに判断せざるを得ない状況を創出。ここでアーノルドやマティプの立ち位置によってはインシーニェやメルテンスが一瞬フリーに。またロサーノも素晴らしいランニングで背後を取るシーンがあった。これはメルテンスも同じ。
まとめ
実際得点はどちらもリバプールのミスが原因だったがナポリはこのハイインテンシティでリバプールのプレスに合わせざるを得ないゲームではあったものの、よく走り抜いたしよく闘い抜いた。ホームのサポーターの後押しを受け勝利したナポリに心から拍手を送りたい気持ちになるゲームだった。
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