どうしても眠れない夜は
机に向かって何かをはじめることにした。


一人きりの部屋で、明かりを点けて

少し散らかった机の隅に真っ白な紙を置いて。


そうすればひとりぼっちの夜も
少しはさびしくなくなる気がして…。


そうやって真っ白な紙に心の隙間の
もっと奥底から溢れてくる何かを

かいて、書いて、描いていく。


頭の中で溢れ続ける言葉、色、形、音、そして感情を、

できる限り逃さぬように。


ただ時間をつぶすだけのゲームより

雑音にしかならない声より

羨んで自分が荒んでいくだけのSNSより

来ない返事を待ち続けるより

机に向かってその隙間から溢れてくるモノに

名前を付けていく。


そうすれば、

ひとりの夜もあっという間になるから。



こうしてはじめたモノたちは

だいたいが未完成のまま。


理想が高すぎるおかげで
最後まで続けられなくなった。

自分の行動、自分の作品に
意味を求めすぎるから、

なにもできないままでいる。


焦ったところで意味はないのに

そんな自分に焦りを覚えてる。


上手くやろうとすればする程
何にも上手くいかなくて、

学校の課題じゃないんだから
上手くやろうとする意味もなくて。



高すぎる理想なんて、

早く捨ててしまいたい。


これが今の自分にできる最大限なんだと

はやく次に進める一歩を踏み出せれば



未だに捨てられずにいるモノたちは

そうやって楽しんで進んでいったモノのはず。



その頃の自分に帰りたい。

今の僕はその帰り方も忘れてしまったけれど。

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