マハーバーラタ/6-17.バガヴァッドギーター⑮~最高の人~

6-17.バガヴァッドギーター⑮~最高の人~

シュリーバガヴァーン(クリシュナ)は言った。
「アシュヴァッタの根は上へ伸び、枝は下へ伸びる。滅びることのないその木の葉はヴェーダであると言われる。それを知る人がヴェーダを知る人である。

グナによって育てられた枝は上や下に広がり、新たな芽を生み出す。そして下に伸びて広がる根は、人の世界に広がってカルマの束縛となる。

始まりも途中も終わりも持たないその本当の姿は見ることはできない。広がっているアシュヴァッタの木の根をアサンガ(執着の放棄)という硬い剣で断ち切り、宇宙創造の始まりとなったアーディプルシャに明け渡して到達すれば、再び戻ってくることはない。

称賛を求めることからも妄想からも自由である人、偏見を克服した人、アッデャートマ(私の中心をなすもの)にいつも集中している人、欲望が完全に去ってしまった人、スカ(喜び)とドゥッカ(苦しみ)として知られる二極から自由な人、惑わされることのないその人がその不滅のゴールに到達する。

スールヤ(太陽)も、シャシャンカ(月)も、パーヴァカ(火)もそれを輝かせたりしない。そこに到達すれば戻ってくることがない。それが『私』の無限のダーマ(住処)なのだ。

永遠である『私』の一部のみがジーヴァローカ(個人の世界)においてジーヴァとして存在し、その人が去る時、プラクルティに留まっている五感と考えを引き連れていく。

個人の形を装っているイーシュワラが出ていって別の体を得る時、それら(五感と考え)を集めて持っていく。ちょうど風がその場所から香りを持っていくように。

この人は聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚、そして考えを統括して感覚の対象物を体験する。

ここから先は

968字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?