マハーバーラタ/6-12.バガヴァッドギーター⑩～神の栄光～

6-12.バガヴァッドギーター⑩～神の栄光～

シュリーバガヴァーン（クリシュナ）は言った。
「強力な武器の使い手（アルジュナ）よ。限りのないものを明かす『私』の言葉をもう一度聞きなさい。限りのないものを喜ぶあなたの為に説明しよう。

スラ達もマハーリシ（賢者）達も私の輝きを正確に知る人はいない。なぜなら私が彼らの源であるのだから。

限りのないイーシュワラである『私』のことを、アジャ（生まれないもの）、アナーディ（始まりのないもの）として知る人は、限りある命の中にいたとしても、もはや惑わされることなく、パーパから自由である。

ブッディ（知る能力）、ジニャーナ（知識）、アサンモーハ（迷いがないこと）、クシャマー（受け入れること）、サッテャ（嘘のないこと）、ダマ（行いの統括）、シャマ（思考の統括）、スカ（喜び）、ドゥッカ（苦しみ）、バヴァ（生）、アバーヴァ（死）、バヤ（恐れ）、アバヤ（恐れのなさ）、アヒンサー（傷付けないこと）、サマター（結果に対する平静さ）、トゥシュタ（満足）、タパス（祈り深い修練）、ダーナ（チャリティー）、ヤシャス（名声）、アヤシャス（悪名）。生き物に属するこれら全ての異なる種類のものは『私』のみから現れる。

大昔の７人のマハーリシと4人のマヌ（4つの社会的血統の祖先）は考えを『私』の中に解消し、ヒランニャガルバを通じて『私』の考えから生まれた。彼らからこの世界の全ての人々は生まれた。

真実の中にこのヴィブーティ（栄光）と私のヨーガ（世界とのつながり/世界における達成）を知る人は、揺らぐことのないヨーガ（同一性の見え方）を授かっていて、その中に全く疑いが残らない。

『私』が全てのプラバヴァ（源）であり、『私』によって全ては続いている。ブダ（賢者）はこの見方を知って、『私』に到達する。

考えの中心を『私』に置き、プラーナ（感覚器官と行動器官の力）を私に解消し、お互いに教えの伝統を守り合い、いつも『私』について語る人は、他のものを必要とすることなく満足し、『私』の中で幸せである。

いつも愛を持って『私』に献身して礼拝する人には、知識を通じて『私』を手に入れることによって、私は達成を与える。

自分自身を意識とする考えに到達する人の為だけに、私は慈悲を持って、無知から生まれたタマス（妄想の闇）をジニャーナディーパ（知識のランプ）で破壊する」

アルジュナは言った。
「あなたが究極のブラフマンで、究極のディーマ（光）で、究極のパヴィットラ（浄化するもの）です。全てのリシ（聖者）、聖者ナーラダ、アシタやデーヴァラやヴャーサのような探求者があなたのことを、アーディデーヴァ（始まりの時にすでに存在した神）で、アジャ（生まれていない）で、ヴィブ（全てに行き渡る）である『プルシャ（全てを満たす人）シャーシュヴァタ（時間に限られていない）ディッヴャ（この世界のものではない神聖な人）』と呼びます。そしてあなたが自らそれと同じことを私に言っています。

ケーシャヴァ（クリシュナ）よ。あなたが私に話しているこの全ては真実であると考えます。バガヴァーン（クリシュナ）よ。デーヴァ（神々）もダーナヴァ（悪魔たち）もあなたの現れた姿を知らないのです。

プルショーッタマ（クリシュナ）よ。全ての生き物を創造した者よ。全ての生き物の統括者よ。神々の統括者よ。宇宙の主よ。あなただけがあなた自身の考えであなた自身を知っているのです。

あなたはまさにあなた自身の並外れたヴィブーティ（栄光）を、これらの世界に行き渡り続けているヴィブーティを余すことなく話すことができる人です。

最も偉大なヨーギーよ。どうすればあなたを知ることができるのですか？　バガヴァーンよ。あなたのことをどのような姿で私は瞑想すべきなのでしょう？

ジャナールダナ（クリシュナ）よ。あなた自身のヨーガとヴィブーティをもう一度詳しく説明してください。なぜならこのアムリタを聞いている私は満足していないのですから」