マハーバーラタ/5-19.クンティーとラーデーヤの再会

5-19.クンティーとラーデーヤの再会

クリシュナがハスティナープラを出発した翌日、
ヴィドゥラはクンティーに宮廷での不幸な出来事を話していた。
「ドゥルヨーダナの愚かな頑固さは残念でならない。
ユディシュティラは彼と一緒に平和をもたらすことを望んでいたのに、彼は拒んでしまった。私は何度も何度も彼を説得したが、彼はシャクニやドゥッシャーサナ、ラーデーヤの言うことを聞いてしまう。
ユディシュティラは力強い軍隊を持ち、戦争に勝つでしょう。
目の前に迫った破滅のことを考えると私は何日も眠れずにいます」

クンティーの頭から戦争のことが離れなくなった。
自分の息子達は確かに強いが、ビーシュマが総司令官に選ばれたことで心配になっていた。
そしてもう一つ、誰にも言えない心配があった。それは息子ラーデーヤのことであった。
彼女の中でドゥルヨーダナのパーンダヴァ兄弟に対する憎しみよりももっと恐ろしかったのは、ラーデーヤのアルジュナに対する憎しみだった。
ラーデーヤとアルジュナ、どちらも自分の息子であることを密かに知っていた。
ラーデーヤの所へ行って彼の出生の秘密を教え、パーンダヴァ兄弟の兄であることを伝えよう。そしてパーンダヴァ側に引き入れよう。
母からの願いであればきっと聞いてくれる。
そう考えたクンティーは一人でガンジス河の岸に向かった。
ラーデーヤがいつも正午にそこで太陽を礼拝していることを知っていた。

予想通りラーデーヤが川岸にいた。
彼は手を掲げ、目を閉じ、太陽の方へ顔を向けていた。
その日の太陽の日差しは強すぎたので、彼女は息子の上着を自らにかけて礼拝が終わるのを待った。

ラーデーヤの瞑想の時間が終わった。
彼が振り返るとそこには自分の上着の下に隠れている不審な女性がいた。
まるでしおれた蓮の花のように見えた。
彼女に挨拶し、日陰に座らせた。
「私はラーデーヤ、アティラタの息子です。
太陽への礼拝後に私の所へ来た人へ恩恵を与えることにしています。
私に何を求めますか?」

クンティーは何度も何度も彼の姿を見た。
これほど間近で彼を見たのは、木の箱に入れた時にじっくりと見たあの日以来のことであった。
彼女の目は涙であふれ、その涙でドレスは濡れた。
ラーデーヤは彼女が口を開くのを静かに待った。
「あなたは私のことを知っているかもしれないし、知らないかもしれません。あなたの恩恵を受けたくてここに来ました」

ラーデーヤは彼女をじっと見て言った。
「私はあなたのことを知りません。
会ったことがないはずですが、なぜかあなたのことを知っているように感じます。なぜだろう。生まれてからずっとあなたのことを知っているかのようにすら感じるのです。
あなたの姿、あなたの涙、あなたの悲しみの声。
それら全てが懐かしく感じます。
昔会ったことがあるのでしょうか。いつだろう?
分からない。思い出そうとしているのですが」

途方に暮れ、彼の眉はひそめられた。
クンティーは彼が話すのを待った。

突然ラーデーヤが叫んだ。
「分かった!
夢の女性だ。いつも私の夢の中に出てくる女性だ。
ええ、あなたを知っています」

クンティーは優しく微笑んだ。
「何を言っているのかしら?
私には分かりません。夢の女性とはどういうことですか?
どういう意味なのか教えていただけますか?
座って話しましょう。
私はあなたをしばらく一緒に時間を過ごすために来たのですから」

「それにしても、何か奇妙な感覚になっています。
夢の中に出てくる女性のことは母ラーダー以外には話したことがないのですが、なぜかあなたを見ていると私のことを話したくなるのです。
あなたの中に私への愛を感じてしまいます。
私の名はラーデーヤ。
母の名はラーダーですが、彼女は本当の母ではありません。
この目の前に流れるガンジス河、この川が生まれたての私をアティラタとラーダーの元に運んでくれました。
そう、私に誕生を与えてくれた母は私を捨てたのです。
私はラーダーの息子、ラーデーヤとしてずっと生きてきました。
そして、夢の話です。
私が眠ると同じ夢を見るのです。
王女のような高価な服を着た女性が出てくるのです。しかし、彼女の顔はいつもヴェールに覆われているのです。
彼女の目から流れる熱い涙で燃やされながら、私は彼女が誰なのか尋ねます。しかし答えてくれないのです。
『私があなたにした過ちが理由で私は泣いています。私はあなたを切望しています。ですが、あなたは決して、決して私のものになることはありません。ですから私は嘆いているのです。私は夢の中でだけあなたと話すことができます。あなたと私の夢の中でだけです。これだけが私の心臓を鼓動させる唯一の方法なのです』
私にはその意味が分からず、立ち去ろうとする彼女を追いかけます。
彼女の追いつき、ヴェールを持ち上げた瞬間、彼女は幽霊が飛び上がるように消えてしまうのです。
この夢を何度も見ましたが、最近は私の夢の中にやってこなくなりました。
私が思うに、あれは夢の中にやってきた母ではないかと。
最近現れなくなったのはなぜか。
最初のうちは頻繁に私のことを考えていた彼女が、
他の子を授かって私のことを考えなくなったのか、それとも考えたくなくなったのか、そういうことではないかと思っています。
私が言えるのはそれだけです。
そして、あなた。
あなたはこの夢の女性に似ているように思うのです。
あなたは誰ですか?
私に何を求めているのですか?」

クンティーはラーデーヤの顔を直視できずに下を向いた。
しばらく考え込み、話し始めた。
「あなたの言う通りです。夢の中の女性は私です。
私があなたの母です」
彼女の言葉が止まった。
しかしラーデーヤが話す前に言葉を続けた。
「私の名はクンティー。
5人のパーンダヴァ達の母です。あなたが私の最初の子です」

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