マハーバーラタ/4-22.アビマンニュの結婚

4-22.アビマンニュの結婚

パーンダヴァ達の13年の追放期間が終わったというニュースは世界中に広まった。人々はパーンダヴァ達が戻ってくるという話題とドゥルヨーダナがどう出るかという話題で持ちきりだった。

パーンダヴァ達はマツヤ国のウパプラッヴャに身を移していた。
追放期間を終えたという知らせを友人全員に送った。
最初にその知らせが伝えられたのがクリシュナとドゥルパダであった。

友人がウパプラッヴャへ急いでやってきた。
最初に来たのはバララーマであった。
そのすぐ後にやってきたのがアルジュナの妻スバッドラーと息子アビマンニュを連れたクリシュナであった。
パーンダヴァ達とヴィラータ王はクリシュナとバララーマを歓迎するために町の外れまで行った。
パーンダヴァ達はクリシュナ達の足元にひれ伏して挨拶した。目には涙があふれていた。
「おお、クリシュナ。あなたの慈悲によってこの13年間を終えることができました。あなたこそ私達の神であり、友人です。あなたの手の内にいます。あなたこそ私達の拠り所です。私達はあなたの望むことをします。自分の考えなどありません。あなたこそ私達の全てです」

クリシュナの目から川のごとく涙が流れた。
彼らは皆が涙を流し、言葉に詰まり、無言で立っていた。

クリシュナはドラウパディーの手を取った。指で彼女の涙を拭いた。
「ドラウパディー。もう泣かないで。涙を流すときは終わったんだ。笑いなさい。あなたの顔に微笑みが戻る日は近いんだ。
13年前にカーミャカの森であなたと交わした約束をこれから叶えます。あなたの心の病はもうすぐ癒されます。そのかわいらしい目を乾かすんだ」

彼らは一緒にウパプラッヴャの町に戻った。
そこにはユディシュティラを愛する全ての王達が到着していた。
王達は再会を喜び、ヴィラータ王の功績を称賛した。

アビマンニュの結婚式が執り行われることになった。
全ての王達は式に出席するために引き続き滞在した。

結婚式が大きな喜びの中で開催された。
若きアビマンニュは彼の父アルジュナと伯父クリシュナの面影があった。
神聖な火の前に座った今までの花婿の中で、彼ほど容姿の整った者はいなかった。
そして花嫁ウッタラーも完璧な配偶者であった。
彼らは神聖な火の前に座り、美しい夫婦となった。

クリシュナとアルジュナは隣に座ってお互いに微笑み合った。

ヴィラータの町はまるで地上の天国のようであった。
この結婚式は13年間の終わりにふさわしく、パーンダヴァ達の苦痛を忘れさせるほどであった。

しかし、彼らはこれが束の間の休息であることを知っていた。
これから始まる戦いのことをこの時だけは忘れ、できる限り楽しんで心地よい時間を過ごした。

バーラタの国の未来の見通しがまだ立っていなかった。
その重要な議論が待たれていた。
しかし、それは全て明日のことでいい。
今日はアビマンニュの結婚の日だ。
アビマンニュの目の中に宿る愛の光と、ウッタラーの目の中の慎ましやかな反応。それ以外のことを考えるのはやめた。

結婚式に参加した来賓達は軍隊を連れていた。
彼らの軍隊をユディシュティラの自由に使わせるという保証を示すためであった。
ドゥルパダ王とドラウパディーの息子ドゥリシュタデュムナ、シカンディーがその場にいた。
クリシュナの親戚達、クリタヴァルマーサーテャキもいた。
ここではドラウパディーとスバッドラーが王妃であった。
ヴィラータ王の妻スデーシュナーは式の手伝いに来ていた。

会場はまるでインドラの住処のようであった。
パーンダヴァ達はとても幸せだった。
バララーマとクリシュナが太陽と月のように輝いていた。
他の参列者は周りに光る星であった。

アビマンニュの結婚式の間、皆の心は最高の幸せに包まれていた。

第4章(ヴィラータの章)終わり。

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