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ATLから寛解したオカンの話③

2016.02.05 11:22
ATLから寛解したオカンの話②
からの続き

オカンはまず抗ガン剤を投与する治療をした。
ただ、この成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)という病気は、抗ガン剤に耐性がついてどんどん効きにくくなっていくものでもあるので、
抗ガン剤の次の治療法を決めていかなければならなかった。

治療法にはいくつかあって、

*抗ガン剤治療
*造血幹細胞移植
*ポテリジオでの治療(当時やっと保険治療の承認がされたばかり)

こんなのがあるんですが、
血液検査の数値や、患者の年齢、体力を考慮して治療法は主治医が考えます。

オカンはオカンでガラケーでいろいろ自分の病気のことを調べていたようで、
抗ガン剤治療だけでは次第に効きにくくなってくること、生存率が低いなども自分で納得していたようです。

治療から1ヶ月後くらいには、少しずつ自分で歩けるようになり、病院内を歩いてリハビリをしていたそう。

主治医「ミルノさん、移植手術やりませんか? 抗ガン剤も効いてこなくなるし、この際、移植がええと思うんやけど」


主治医からの次の治療の提案だった。

オカンは移植手術についても調べていたし、入院先の病院で移植手術を受けた人から話を聞いたりしていたみたい。
ただ60歳を過ぎているので、体力的に移植手術ができるのかどうかというところでもあった。

主治医から移植手術を勧められて、オカンは質問した。

オカン「移植手術して成功率は?」
主治医「20%」
オカン「じゃあ、やりませんっ!」
主治医「えっ!?」


オカンは移植手術をしないと決めた。
彼女が言うには、
「だって、移植やろ? 白血球0にして無菌室に入れられてさぁ、ずっとベッドの上やろー? 成功率2割って残りの8割失敗するってことやん? 移植した患者さんにも話聞いたけど、動くのも辛いって。再発率も高いらしいし。それやったらこのまま化学療法続けて、死んだほうがいいわ! 」


潔いオカンである。
オカンってこんな強かったっけ?
妊娠中の私は、彼女のこの強さに随分助けられた。


それから主治医はことあるごとに移植手術を勧めてきたけど、
オカンは「移植はやりませんっ!」と断り続けた。

そうして、オカンはこのまま抗ガン剤治療を続ける事になった。

ATLから寛解したオカンの話④へ続く


*一応の補足*

「移植手術をオカンが選ばなかった」ということだけですので、
移植手術を選ばなかったからATLが寛解した、というわけではありません。
ご承知おきを。

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