ビショビショの服で観るシン・仮面ライダー

土曜日は毎週、なにか大きな宇宙意志のようなものが「病院に行け」と語りかけてくるため病院にいくことにしている。
病院の待合室では、春の甲子園の開会式がテレビで流れていた。
野球連盟?の偉い人の話を球児たちが興味なさそうに聞く姿に、どこか働いてるときの自分と重なるものを感じた。
感情がなくなり、無が己の中に生まれたとき、人はあんな表情になる。

問診では最近花粉症っぽい症状が現れていると伝えた。
そしたら花粉症の薬を貰えた。
本当は症状が出る前に飲み始めたほうがより効くらしい。
来年からは早めに薬をもらうように心がけよう。
でも、いま心がけても、一年後は忘れてるんだろうな、という自分への後ろ向きな信頼感がある。

あと、リラックスしたいときは腹式呼吸をするといいとアドバイスを受けた。
「あの空手家がよくやるやつですよ!」と教えてくれたのだが、空手家はリラックスするために腹式呼吸をしているわけではないと思うのだが…

昼飯はラーメン屋に行った。
医者からラーメンは食うなと言われているため、まぜそばを食べた。
ルールの穴をつく頭脳プレイである。
まぜそばは野菜もたくさん乗ってるし、実際そんなに健康に悪くないのでは!?
まぁ一緒に頼んだチャーシュー丼についてはなんの言い訳もないのだが。
そこはほら、腹減ってたってことで堪忍してほしい(ファットマン・懇願)。

まぜそばを食ったあとは「シン・仮面ライダー」を観るためにイオンモールに行った。
上映時間まで少し空きがあったため、ゲームコーナーをウロウロしていたのだが、小学校に入ってるか入ってないかくらいの男の子が「音柱のプライベート姿」のプライズフィギュアを取ろうとクレーンゲームに熱中している姿を目撃した。
その齢で音柱のプライベートに興味があるのか、少年よ。
このまま成長したら、怪物みたいなオタクになってしまわないか、オジサンちょっと心配だぞ。
オジサンみたいにはなるな…。

ゲームコーナーに行ったあと、イオンシネマの横にあるコーヒー店に入って時間を潰すことにした。
そこではモカジャバという、中にコーヒーゼリーが入っていて、更に上にソフトクリームが乗ってるファットマン用のカフェオレみたいなのが売っていたため、それを頼んだ。
その店はレジ横で商品を受け取って、好きな席に持っていく形式だった。
で、モカジャバを受け取り、席に向かう途中に見事に段差に躓き、モカジャバを盛大に零してしまった。
着ていたシャツがモカジャバでベトベトになった。
幸か不幸か、床には零さなかったためお店に迷惑をかけることはなかったが…
お店の人に服を拭く紙をもらい、モカジャバを拭き取ったが、シャツは下着にまで貫通するレベルでビシャビシャになった。
なんか気まずくなってしまったため、早々にモカジャバをたいらげてそそくさと退店した。
全く時間潰しにならなかったし、服はビショビショになるし最悪だ。
まぁ全部自分のせいなのだが。
この世の悪全ての枢軸、それが私…

そういうわけで、シン・仮面ライダーはモカジャバでビショビショの服で観た。
寒いし、カフェオレ臭い。
周りの席の人には非常に申し訳なかった。
怪物みたいなオタク、やっぱり私じゃん…

だが、ビショビショの服でシン・仮面ライダーを観るという映画体験をした人は全国でも数人しかいないのではないか?
シン・仮面ライダーは面白かったが、ビショビショの服で観ることでまた違った味わいが生まれていたと思う。

幸運