ポーカーで幸せになるために

ポーカーを生業にしている人は病みやすい

ポーカーを生業にすると病みやすい。おれには確信と論拠がある。ホルモン不足で病む。この記事では日本のポーカープレイヤーが病みやすい理由を「人間に必要な幸せホルモンが不足しているのではないか」という視点で考察していく。”病む”の定義は慢性的な鬱である。鬱はざっくりとすべてが無価値だと感じ楽しさが失われて何事も気が進まない感覚をイメージすればいい。だるい面倒くさいが支配する。希死念慮。ポーカー勝てるからと言ってメンタルが安定するほど人間は単純な構造ではない。ポーカーだけして生きているわけではない。ポーカーは人生を構成するパズルの1ピースに過ぎない。どこまで強力無比だろうと十分条件の枠を出ない。おれにとっても昨日ポーカーを覚えた人にとっても等しく人生の1ピースで。質も大きさもまったく違うが、ここで感じてほしいのはポーカーとは人生ではない。手段であり究極的な目的になりえない。”生きること”が主軸であるということ。どう生きたいかが先に在って、その願望にポーカーがひとつの要素としてどう絡み合うかが大事である。これを忘れると人は病む。ポーカーばかりに偏っていると人間に必要なものが生活に入ってこなくなる。人とのコミュニケーションややりがい、人に与える喜び、人を幸せにする幸せ、肉体に必要な栄養や精神に必要な癒しを得られない。

3つの幸せホルモン「セロトニン、オキシトシン、ドーパミン」

幸せを感じるとき”ホルモン”が体内で分泌されおれたちは”幸せ”だと感じる。人間はそういう風にできたタンパク質機械である。ホルモンが脳内を巡りおれたちに行動させたり命令したり感じさせたりする。幸せには3つの幸せホルモンが関係する。ドーパミン、セロトニン、オキシトシンである。おれの解釈でこの3つを極簡単に説明すると、ドーパミンが快楽、セロトニンが日常的な多幸感充実感(生きるって楽しい!人生最高!みたいなノリ)、オキシトシンが愛となる。いずれも”幸せ”を感じさせるわけだが質が異なる。
結論から言うと、引き籠りタイプのポーカープレイヤーはドーパミン以外のホルモンが不足して鬱になる。これは物理現象である。3つのうち2つの柱が不足したタンパク質機械のシステムである。精神論ではない。むしろ、この話では精神も物理現象と解釈した方が理解しやすい。誰とも会わずポーカーだけで金を稼ぐだけの不規則な生活では柱が朽ちて不足する。テコ入れする必要がある。パワプロのサクセスをイメージしてほしい。
世のメジャーな職業は、人類の絶え間ない努力によって規律やシステムで日々仕事と生活が最適化されている。(※時世はさておき、ポーカーとそれ以外で分けた場合)育成ゲームのように自分の生活隅から隅に着目しなくともまあそれなりに生きれる。人類の叡智万歳だ。システムが思考停止をしやすくさせてくれる。ポーカープレイヤーは当てはまらない。そのまま生活すると健康な身体は失われる。設計された生活サイクルや食事ではないから当たり前だ。ただ本能のままに突き進むと物質欠如で心身ともに腐る。タンパク質機械を運用のためにホルモンについて理解しておこう。

重要度の高い順にセロトニン>オキシトシン>ドーパミンとなる。

オキシトシンとは愛情ホルモンである。ハグしたり犬をなでたり、プレゼントをあげたり一緒に食事をしたり人を喜ばせたり道行く老人に愛を感じても分泌される。オキシトシンによっておれたちは幸せを感じストレス緩和、意欲向上、身体機能記憶力免疫力向上、社会的なつながりを結ぼうという気持ちが高まる。要はLOVEであり、LOVEがオキシトシンを脳内で発生させ物理的にも精神的にもおれたちを強くさせるわけ。愛すげー。

ドーパミンとは快楽ホルモン。快楽というと堕落したイメージをしがちだがドーパミンは人間の成長には不可欠なホルモンである。ここでいう快楽とは、ポーカーでのブラフキャッチ、レートを上げて大きなポットを取ったとき、慈善団体に寄付したとき、目標を達成したとき、人を助けたとき、などなどたいていのことで出てくる。このドーパミン由来の快楽によっておれたちを自己の成長や利他行動を促進させる。例えば、ブラフ・ブラフキャッチ成功したことによる成功体験の気持ちよさによってブラフ・ブラフキャッチを磨いたりだ。
ドーパミンの特徴は他二つと比べ凄く耐性が付きやすい。100のドーパミンで100の快楽を感じていても耐性が付き100でも90、80、70、とどんどん快楽を感じなくなる。麻痺しやすい。100の快楽を手に入れるために120の達成を必要とする。100万円持っていたとき50万円手に入れて100出ていたドーパミンでも、一億持っていたら100万円増えてもドーパミンは10くらいしかでない。このように人間は達成から得られる快楽を調節させられることで脳が成長促している。おれたちは100の快楽を得るのに120、200、300と行動の規模や求める結果が大きくなり能力を自ずと磨いていくというわけだ。1-2で100bb獲得して出ていたドーパミンも慣れると減っていく。だからおれたちは2-4、5-10とレートを上げていく。ある意味快楽の奴隷という見方もできなくはない。まあでも人間も動物なわけで、なるほど、上手く飼い慣らされたものである。
厄介なことに、ドーパミンとは能力とは関係ない部分でも放出される。例えば、”運”によってもたらされた達成で放出される。ギャンブルでお金が増えればドーパミンが出る。人々がバカラにはまりやすいのはバカラが最も手ごろにドーパミンが出せるギャンブルだからである。マカオ人がバカラをしないようギャンブルをしないよう教育されているのはこのシステムを理解しているからである。
多くの成功者がバカラにハマるのもこのためである。ある種の成功を成し遂げ、すべてを手に入れた。全知全能なあなたは退屈していた。今更何かをしたところでもう満たされない。すでにやり尽くしてきたからだ。そんな折に、有り金をポンとかければ一瞬で倍になるバカラ。ドーパミンが出る。バカラが恐ろしいのは掛け金をすぐに増やせるところだ。100万円でドーパミンが出なくなっても200万円、300万円と賭け金を上げればまたドーパミンが出てくる。こうして100のドーパミンを得るのに必要な掛け金がだんだんと吊り上がっていくわけだ。
その先にあるのは緩やかな精神的衰退である。ドーパミンに偏り脳みそは焼き切れほかのことがつまらなくなる。ドーパミンが出ないのだ。脳みそが中毒になってドーパミン大好きっこで欲しい欲しい叫ぶわけだが耐性がついており、よりでかい刺激が加わらなければドーパミンが手に入らず楽しくないという負のループが起きいる。結果、人は大きな刺激を求めて全財産をバンカーに張り死ぬのだ。脳内物質の奴隷の行き着く先である。健康とはいいがたい。健康的なドーパミン分泌方法としては、運動、セックス、音楽、人からの称賛や承認、SNSのイイネ!!などがある。

セロトニンは日常の喜びだ。日光を浴びる、空気が美味い、川が美しい、日光が気持ちいい、運動して気持ちいい、こういった生の実感で生成される。身体の反応である。心身に必要な行動を人間に促すためあらかじめ遺伝子にプログラミングされているわけだ。幸せに生きようと思ったらまずはセロトニンを意識して生活する。ここが第一歩である。RPGを楽しむならまずは基礎HPと装備からといったイメージ。健康的な生活をしていれば自動的に生成される。規則的な早起き早寝と栄養のある食事。
ポーカープレイヤーはセロトニンが不足している。慢性的に足りてない。これが病む原因のコアであろう。テーブル状況に合わせた不規則な生活リズム。ゆえに日光を浴びない。運動もしない。飯も一日一食だったり。Uberやコンビニで済ます。栄養素など無論しがにも歯牙にもかけない。文字通り命を削ってテーブルに座ってしまう。テーブルを追ってセロトニンを追わない。最悪のマイナスEV。


余談だが、カジノに窓がないのは飛び降り自殺者を防ぐためではなく日光によるセロトニン分泌を制限しているんだろう。窓から差し込む日光が気持ちよくてカジノから外出して帰る客を減らすために。まずは日光を遮断しセロトニンを削る。身体反応でセロトニンを欲しがるわけだが、そこでギャンブルだ。ドーパミンで満たそうとしてくる。ドーパミン漬けにしてセロトニンを生成させず、ドーパミン耐性を付けさせ賭け金を上げさせようとしてきている。セロトニン遮断→Tilt→ドーパミンのコンボで人は壊れる。脳の構造がが変形する。カジノは豪華で優雅な空間だが設計はかなりグロテスクだ。一年間365日毎日同じ音楽なのも飽きさせて音楽でドーパミンが出ないようにするためだ。時計がないのも時間を忘れさせて時計起点の思考を奪うためだ。脳内をドーパミンヤク漬けにして巻き上げようって構造。おれの見立てだとマカオのカジノはこの仕組みを重々理解して設計し絞り取りに来ている。ラスベガスは理解して緩めていたりする。マカオの構造は生物学的アプローチによって利益を上げるって点では優秀だがいずれ人類から排他されるだろう。利己的すぎて質が悪すぎる。削るビジネスは全体のパイを増やすビジネスと利己的すぎる構造が認知されることで自然淘汰される。マカオではバカラが盛んで、ラスベガスではクラップスが人気があるのもラスベガスの良心によるものかもしれない。クラップスは周りと盛り上がって友達が増えたり交流が生まれるオキシトシンが出るいいギャンブルだと思う。

優先順位は「生>愛>成長」

セロトニン>オキシトシン>ドーパミンの順で大事。まずは心身の健康と己の安定、次に人とのつながり心のつながり、最後に成長。この3つが連なってバランスよく過不足なく回転していくことで人生は前進していく。人間はそう創られている。元からそうプログラミングされている。

ポーカープレイヤーの多くはセロトニンとオキシトシンが不足している。ドーパミンまで不足しているプレイヤーもいるかもしれない。普段の生活を思い出しほしい。日光を浴びているか。定時起床就寝か。3つのホルモンの素材となる栄養をバランスよく食べているか。手はつないでいるか。ハグはしているか。セックスはしているか。友人と楽しく会話をしているか。仲間と楽しい時間を過ごしているか。創造的なことをしているか。ポーカーを楽しいと感じているか。負けても楽しいと感じているか。ティルって当たり散らしていないか。延々とバッドビートを反すうしてないか。人と会話はしているか。森羅万象何にでも愛を感じる瞬間があるか。オナニーしすぎてないか。暴言を吐いてないか。ものに当たってないか。ネット上で「正義」を執行していないか、会いたい人がいるか、興味のあるものがあるか。ふとした瞬間に毎日が幸せだと自覚した日はいつか。自問自答が虚無からの脱出につながるかもしれない。

ホルモンを意識してポーカー人生を歩む

ポーカーに偏っていると生活のあらゆる部分が幸せホルモンと逆行する。自然と太陽をみずに一週間生活してしまう。こういうのがやばい。そんな生活してると病むのが当たり前なんだ。人間はそうできている。
外国人ポーカープロは本能的に健康的な生活に辿り着く。これは文化の違いで陽キャのなせる業だと言っておく。筋肉がつきやすい遺伝子、我が強く自己承認の高い発育環境と文化、愛に対して斜に構えない、セックスしまくり、リバーの途中でも友達が来たら同性だろうとハグしてオキシトシンを生成する、そんなムキムキ外国人ポーカープロと引き籠り日本人ポーカープロの差は鉄と木の枝くらいの違いと心得よ。タフさが比較にならない。物理的にも精神的にもスタートから違いすぎる。
はっきり言っておく。日本人は他の国の人と比べ不健康になりやすい。時差で深夜帯にテーブルが活発であること。テーブル上で大金を負けれるプレイヤーがポーカーをするのは仕事終わりの夜である。最悪だ。当然、日光を浴びれない。日中は睡眠。他者とのコミュニケーション頻度の低下。大崩壊は少しずつ崩れ始まる。自然と生きていると夜型になりセロトニンが不足する。ポーカーの道を選んだ日本列島にいる生命体が避けては通れない地政学レベルのお話なのだ。茹でガエルになりたくなきゃ座学ってわけよ。
ここに加わるとさらにヤバいのがポーカーをしている時間が"耐える時間"であるタイプのプレイヤーである。ポーカーを楽しんだり会話を楽しめればドーパミンとオキシトシンは一応分泌される。だがひたすらバムハントしてゲームとしてポーカーを楽しまない。ほかのプレイヤーと関わりを持とうとしない。ただ時間を換金する装置としてテーブルを使うタイプのプレイヤーはどうなるんだろう。ドーパミンも少しでもっと苦しいだろう。レバレッジの効かない時間の過ごし方をしていてマイナスEV。特にこのタイプは綿密な生活設計を心がけたし。

ここまで聞くと暗澹たる気持ちになるかもしれない。"なんとなく"ポーカーで生きると、ハードモードなのだ。だが憂う必要はない。知ってしまえば対応は簡単だ。当たり前とみなされ聞かされてきた、規則正しく健康的な生活を今一度座学し実践すればいい。
お前はポーカーでやってやろうって野心があるんだ。お前ひとり飼い慣らせないでどうやって天下を取るつもりか。まずは意識を”反応”から”選択”へと移行させろ。「今日は身体がだるい~」ってのをなぜだるいのか?どうだるいのか?昨日何をすればだるくなかったか?過去1か月どういう生活をしていれば今日はだるい〜ではなく、天上天下最高やっほい!エネルギーマックスの身体になれるか、と考える。自分が心身ともに最高のパフォーマンスだと言い切れる生活を模索しろ。睡眠と食事を理解するんだ。本でも専門家でもいい。「ポーカープレイヤーという珍しい爬虫類を日本列島で飼育する」ってな視点で己をコントロールしろ。そこまでアグレッシブに生活を整えて、ようやくポーカーという魔界で”呼吸”できるようになる。”呼吸”できなきゃすぐ窒息しちまうだろ?それくらいポーカーは険しい。ポーカーは人生の一部でしかない。人生を性能よく機能させるには肉体と精神の装備を整えるのだ。そこまでしてやっとポーカーという歯車が回り出す。

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