【第2回】曲弾き作曲講座:じょんがら節の音階

今回の投稿は曲弾き作曲講座の第2回になります!内容は「じょんがら節の音階」になります。じょんがら節で使われる音階を知って、曲弾きを作るうえで使っても大丈夫なツボを把握するのが目的となります。なんだか長々と書いてしまいましたが、とにかく使っていいツボさえ知れればという方は迷わず目次からまとめに飛んでください(笑)

音階(スケール)

まずは「音階(スケール)」について説明したいと思います。いわゆる「ドレミファソラシド」は誰もが知っている音階の具体例だと思います。これは前回記事でも紹介した1オクターブ12音の中から「C-D-E-F-G-A-B」の7音を抜き出して出来ています。


このように「12音の中から特定の音を選んで並べたもの」「音階(スケール)」と呼びます。その選び方によって音階には名前が付けられていてそれぞれ聴いた感じの雰囲気も違います。
例えば、先ほどのドレミファソラシドはメジャースケールと呼ばれており、明るい印象を与える音階になります。(正確にはCメジャースケールです。音階の名称についてはいずれ別記事で詳しく説明したいと思います。)


明るいものがあれば悲しさや暗さを感じさせるものもあります。「C-D-E♭-F-G-A♭-B♭」はナチュラルマイナースケールと呼ばれその代表的なものです。


このように、こんな感情のときはこの音階!この国と言えばこの音階!こんな風景に合うのはこの音階!という具合にたくさんの音階があるのですが、同じくじょんがら節の音階というものも存在します。

じょんがら節の音階

じょんがら節で実際に使われる音はこちらになります。

「C-D-E♭-F-G-B♭」(1の糸の開放がCの場合)

これをツボとの対応表で表すと、


こうなるのですが、ここで注意が必要になる箇所があります。DとE♭についてです。この二つは続けて使ったり一つの流れの中で両方使ってしまうとじょんがら節としてはかなりの違和感を感じさせるものになってしまう場合があります。ツボで言うと1の糸と3の糸における2と3、12と13、そして2の糸における6と7、16と17です。
具体例で説明します。

例えばこんなフレーズや

こんなフレーズであれば大丈夫なのですが、

こんなフレーズや、

こんなフレーズは音楽的におかしいフレーズではないですがじょんがら節らしさはあまりないフレーズになります。
そのため、

「C-D-E♭-F-G-B♭」の音階を使っているというよりは、

「C-D-F-G-B♭」

「C-E♭-F-G-B♭」

という二つの音階を切り替えて使っているという感覚の方が正しいかもしれません。ただ、正直に言ってしまうとこの辺りは明確なルールがあるようなものでもなく結局はじょんがら節っぽければなんでもありということになる気がします。かなり抽象的な話にはなりますが、だからこそ奏者の数だけじょんがら節の解釈があり、ひとりひとり演奏も異なるものになるのだと思います。今後の曲弾き作曲講座でもじょんがら節っぽさを出す方法については解説していきたいと思いますが、結局は色々な演奏者さんのじょんがら節の音源を聴いてみるのが一番わかりやすい気がします。

ちなみにツボによって使用頻度にも差があり、それを知っておくことも重要です。
基本的には1の糸と3の糸においては、2のツボよりも3のツボを使用し、13のツボよりも12のツボを使用します。
2の糸においては6と16の方が使用頻度は高いと思います。とはいえ7を使ったフレーズもあります。ちなみに17を使ったフレーズは聴いたことはないです。

まとめ

これらをまとめてみますと結論としてはじょんがら節で使用されるツボは以下のようになります。

注意が必要だったり使用頻度が低いツボは()で表しています。具体的な頻度ですが、()内のツボは曲中で1〜2回程度しか使わない方がほとんどだと思います。

余談ですが

「C-E♭-F-G-B♭」

の音階はマイナーペンタトニックスケールと呼ばれていてロックなどでよく使われる音階になります。三味線が使用されているロック系の音楽で、じょんがら節系統のフレーズが入っている曲もたくさんあるかと思うのですがそれが成立するのもこのためです。

今回も最後まで読んで下さってありがとうございました!

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