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廃仏毀釈―寺院・仏像破壊の真実~読書記録362~

2021年 民俗学者・畑中章宏氏によるルポ。

明治政府の神道国教化により起こった廃仏毀釈。それは、日本で長らく共存していた神道と仏教を分離し、仏教を排斥する運動だった。この出来事は寺院や仏像の破壊など民衆の熱狂による蛮行というイメージが流布しているが、実際にはどんなものだったのか?信仰の対象であったものを破壊するのに、人々にためらいはなかったのか?神仏が共存していた時代から説き起こし、各地の記録から丁寧にこの出来事の実際を読みとく。

廃仏毀釈については、色々な角度から見た方がいいなと個人的に思っている。ネットにいる自称保守は、あまり本を読まないし。

民俗学の立場からの本であることも興味深いものだった。
日本各地の元神仏習合の場の取材も丁寧にされていた。
そうそう!各地に神宮寺があったのだ。神宮寺なる駅、地名もある。
この言葉自体、神仏習合だ。

江戸時代までの鶴岡八幡宮も神仏習合だったのか…と改めて知った。わたしは、鎌倉は神社とお寺がきちんと分けられた場所なんだろうと思っていたのだ。
金沢に行った時に感じたすみわけ。寺町と神社ばかり集められた区域。あれも明治維新後のものなのだろうな、と感じてしまった。

旧跡を沢山訪れたいと思うのであった。


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