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ローズの小さな図書館~読書記録100~

アメリカの作家、キンバリーウイリスホルトの書いた「ローズの小さな図書館」
日本語訳は私の大好きな谷口由美子先生。

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まだ本書を開く前に出て来るこの家系図。これが重要となるのだ。

一九三九年、農場は干ばつにみまわれ、水をくむ風車がこわれ、パパも家を出ていってしまった。ママは、私と弟と妹をつれてふるさとルイジアナの川辺の町に移ることに決めた...。十四歳のローズは、家族のために年をごまかし、図書館バスのドライバーとして働きはじめる。でもその後も、作家になる夢はずっと忘れなかった―。戦前のローズから始まり、その息子、孫、ひ孫、と四世代にわたる十代の少年少女を生き生きと描きます。時代ごとに、『大地』、『怒りの蔔萄』、「ハリー・ポッター」など話題の本が登場。本への愛がつなぐ家族の姿を描く、心に残る物語。(本の紹介より)

1939年、14歳だったローズから物語は始まる。
第1部:1939年~940年 主人公ローズ
父が家を出てしまったことで、母の故郷、ルイジアナ州にある祖父の家にやってくる。そこで年を誤魔化し、家族が生活するために働くことに。そこで出会った、奥様が病気療養中の幼い子供を持つルーサーに恋心を抱く。

第2部:1957年~958年 主人公はローズとルーサーの息子、マール・ヘンリー
ルーサーの前の妻は幼いゴーディを残して亡くなり、ローズはルーサーと結婚し、2人の子どもを産み、血の繋がらないゴーディをも同じように愛し、暮らしている。マール・ヘンリーは、リリー・ビアという美人の女の子とダンスパーティで踊れることで胸躍らせていた。

第3部:1973年 主人公はマール・ヘンリーとリリーの娘アナベス
アナベスは、ちょっと内気な本好きの女の子。学校での様々な体験を通じて勇気を持っていく。

第4部:2004年 主人公はアナベスの息子カイル
アナベスは、大学で知り合った日系人のポール・コアミ(小網?か!)と結婚して娘と息子を生んだ。
息子(弟)のカイルは、相撲取りのような体型で、本を読むよりはロックにハマり。今の時代(21世紀)は、なんでもネットで検索できる!と言う男の子。
夏休みに図書館の中でアルバイトをすることになり、ハリーポッターを通じて、本の楽しさを知っていったのだ。

第5部:2004年 主人公ローズ
今までの話のまとめとなる。ローズは自分が少女だった時の話を79歳になり、本として出版することとなった。子供、孫、ひ孫と集い、祝いの席に。

移動図書館の仕事を始めたローズ。図書館でのアルバイトから本の楽しさを知った、ひ孫のカイル。4世代に渡る遺伝子の繋がりを感じる物語であった。

かつて私は、県立図書館の移動図書館が来るのを心待ちにしていた子供であった。私の住んでいた町、小学校には図書館がなかったのだ。
移動図書館に載せる本もスタッフが考えながら用意したのだと思うと、当時を思い、感謝の念でいっぱいである。


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