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隅の老人の事件簿 バロネス・オルツィ (著) 深町 眞理子 (翻訳)~読書記録363~

隅の老人の事件簿 バロネス・オルツィ (著) 深町 眞理子 (翻訳)

隅の老人(すみのろうじん、The Old Man in the Corner)は、女流作家バロネス・オルツィの推理小説に登場する架空の人物。
『ストランド・マガジン』誌に連載されたシャーロック・ホームズシリーズが商業的成功を収めたことにより、他誌がこぞって登場させた「ホームズのライヴァルたち」と呼ばれる名探偵の一人である。シリーズは1901年より『ロイヤル・マガジン』誌に連載された。初登場作は「フェンチャーチ街駅の謎」。
この本には13篇の作品が収められている。

フェンチャーチ街の謎
地下鉄の怪事件
ミス・エリオット事件
ダートムア・テラスの悲劇
ペブマーシュ殺し
リッスン・グローヴの謎
トレマーン事件
商船〈アルテミス〉号の危難
コリーニ伯爵の失踪
エアシャムの惨劇
《バーンズデール荘園》の悲劇
リージェント・パークの殺人
隅の老人最後の事件


職業、経歴などは一切不明。エイアレイテッド・ブレッド・カンパニーのノーフォーク街支店、略称「ABCショップ」の隅の席に座り、チーズケーキと牛乳をたいらげ、そしてそこで出会った女性新聞記者のポリー・バートンに、迷宮入りとなった事件の概要と(恐らくは真相を言い当てているのであろう)自身の推理を聞かせる。
頭は相当はげ上がっており髪の色は薄い。眼は淡い水色で大きな角縁の眼鏡をかけ、服はだぶだぶのツイードのアルスター外套を着る。常にの切れ端を持っており、話しながらそれを結んだり解いたりする癖を持つ。よほどのことがない限り真相を警察に伝えようとは思わず、巧妙なトリックを考え出した犯人を称賛することもある。
現場に出向かず新聞の情報などから真実を導き出す推理法は安楽椅子探偵の先駆とも言われているが、時折自ら証拠を集めることもあり、また検死審問にも積極的に参加するなどそうとは言い難い面も持ち合わせている。


一応、1作は短いものの最終話に通ずる伏線があるので最後にあっと思うのだ。
ネタバレをしてしまうと、安楽椅子探偵の老人は実は殺人犯でもあったという。(全ての事件がではないが)
この結末に持って行く為に作者はやたらと、老人のあの仕草を強調していたのか、と納得するのだった。

ただ、申し訳ないのだが、訳者が昭和6年生まれということで、表現が旧くて難しく思えた。私などの昭和の人間ですら難しく感じたので、若い人には意味のわからない表現(日本語として)もあるかもしれない。
新しく誰か訳してくれないだろうか。など、勝手に思ってしまうのだった。

例として。左に訳された言葉、右に私が調べた事をあげたい。
白面の一青年→青二才のこと。
弊履のごとく→破れた履物を捨てるように
かまびすしく→やかましいこと。

他にも色々とあったが省略。私は個人的に深町眞理子先生が好きだし、サイン会にも21歳の時に行っている。私の国語力が落ちたのかもしれない。
だが、名作を次代に伝えるべく、新しい訳も求めたい。


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