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異なるジャンルのミュージシャンと楽しく創作する方法②芸術性におけるこだわり〜作品に現れる共通の価値観を見抜く

こんばんは!本日もおつかれさまです。

ベリーダンサーのShala(シャーラ)です。

5/22(土)神楽坂セッションハウスでの公演「ENTER HEAVEN」に向けて稽古とリハーサルを重ねています。

前回、秋分の日の舞台「Black Maria」での共演に続き2回目の本番を控え、春分の日に集まったミュージシャンたちとのレッスン、その後のティータイムまでもがこの上なく楽しかったことから書き始めました。

思えばそんなにお会いしたこともなければバックグラウンドも知らず、要するにほとんどよく知らない方々なのだと話しながら気付き、会う時はたいていリハか本番なのに、どうしたらこんなに楽しく創作できるんだろうと、他人事のように思ったことがきっかけとなっての第二弾。

先方から働きかけられて共演する場合と、こちらから働きかける場合とがありますが、このシリーズでは後者の場合について。

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Warterの内藤あきらさんと。なかよし!

これまでソロで活動するベリーダンサーという仕事柄、数多くのミュージシャンたちと共演してきました。アラブ音楽のミュージシャンだけでなく、それは色々なジャンルの方々と。

そうして気付きます。会うたびに「何か一緒にやろうよ。」と挨拶のように言葉を交わし...でも結局何も起きない方々もいるんですね。仲良しだし、何か一緒に作ったら楽しいのはお互い感じているところですが、根本的には求めているものが違います。かたや古典楽曲を絶対とする演奏者、かたやジャンルの枠をぶち壊そうとするダンサーといったふうに。

ある日、自分のやりたいことを聞かれ、延々と話しているのをじっと聞いていたミュージシャン、口を開いたと思ったら「それさあ、シャーラちゃん。舞台に木と砂場でも置いといて、一人でずっと遊んでいればいいんだよ。」それ言っちゃったら共演する必要ないじゃん、と笑いました。

私は自由なダンサーです。でも舞台で一人遊びがしたいわけではありません。お互いが鏡、どんなふうに映るかわからないものですね。仲良しなのですけれども。

「それだったらCDでいいじゃんって思うんだよね。」と言われたことも。確かに!なぜ生演奏である必要があるのか、言い返せない。。こういうストレートな発言で鍛えてくださる方々に揉まれ、日本刀のように磨かれてきたのかもしれないなあと感謝でいっぱいになります。

そんなふうな、憧れだけでは成立しない体験が色々とあった上で。

ヘヴィロックのバンド、Warterの演奏を見たのは一年以上前に遡りますが、とても衝撃的でした。

誰が出演するのかもよくわからない、誘われて出かけた小さなライブハウスで、最初に演奏したバンドが彼らでした。すると、もともと明るくはないのにさらに照明が落ち凄く暗い中、なんとインストだけで演奏が始まりました。ボーカルがいない?!渋い!!というか、グイグイ引き込まれてしまい後から色々気が付いたのです。

異様な暗さ。ボーカルなしでやっていること、そして音と音の間の「間」が非常に大きいこと。私の頭の中に浮かんだのは、例えるならば屏風絵です。長谷川等伯の「松林図」です!何これ!かっこいい!この渋さ。迫力。大いなる「間」。これ、美術館で見ると真の暗がりの中に鎮座ましまして、ぼうっと浮かび上がる松林は物凄い迫力なのです!

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Wikipediaより「松林図」上(右隻)下(左隻)

こんなふうに聴こえました!

こだわりの現れ方がとても好みだったのと、その後メンバーを紹介され暗闇で交わした二、三の会話がとても共感できる内容だったので、すぐに連絡先を交換しました。でもまだまだここで決まったわけではありません。

ただステキだから、共演してみたいからというのは自分目線ですが、やはり作品を理解すること〜何にこだわっているのかを見、相手の目線にも立った感想を伝えることなのかなと思います。人生かけてこだわってきているわけですから。そこのところをキャッチして。

先方は、「俺らの音楽が好きだなんて相当マニアック。いろんな音楽を聞いてきた人だよね。」と未知の私について話し合っていたそうですが。

異なるジャンルだから一緒にやったら面白いのではないんですよね。一歩も二歩も踏み込んで、異なるジャンルにも関わらず共通するところは何か。そこを足掛かりに創作することに、果たして相手は興味があるかどうか、なんですね。そういうところでは対等に付き合い、作業を進めたい私です。相手にとっては全く興味がない場合もありますもの。

ロックにもメタルにも疎いのですが、一緒に舞台にいわば屏風絵を描けるかもしれないと思ったこと。このことに共感してもらえるかどうか。伝えると同じ気持ちということが分かり、芸術性における価値観に共通点が多かったため、創作を始めてからも他にも後から後から共通点が現れました。特に、「間」を大切にするところはドンピシャ!

出会うタイミングもあります。絶対古典主義だったミュージシャンがそれはもうやり尽くして、無意識にも新たな展開を求め始めたタイミングで出会うとか。それも出会いが先で色々と後から気付いたり。

書いているときりがなくなりますけれども、今日はこんなところで。

次の共演が楽しみです!!

それではまた!ステキな日々をお過ごしくださいますよう!

◆5/22公演「ENTER HEAVEN」

◆公演とワークショップの案内はこちら


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Warter
内藤あきら(Guitar, Programing)三柴法臣(Drums,Percussion )
HR/HMを軸に様々な要素が入ったインストヘヴィーロックバンド。
CD2作品をリリース。また、それぞれ別のプロジェクトでも活動中。







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