見出し画像

積聚治療の”なぜ”(2)

積聚会副会長 加藤 稔

『積聚会通信』No.3 1997年11月号 掲載

いよいよ患者の身体に対してはじめて、鍼(時に鍉鍼)による接触鍼へと施術は進んでいく。

はて?と考えてしまった。

患者の身体に最初に接触するのは、押し手の左手であろう。右手で患者に触れるのは、脈診と下腹部を調べる時がほとんどで95%位は左手が占めるのではないか?理由は、右手・刺手は鍼・鍉鍼を保っているため。この左手をどのようにして腹部へ接触したらいいのか?触れるといっても、手掌全体で軽くか重くか、五本の指先を使う、五本の指先を立てるような感じなと色々ありそうである。腹部で触れる場所は、季肋部・臍部・下腹部・両脇腹であろう。この触れる場所は、どのようにして選んだら良いのか?選んだとしても他の腹部へは、どのような順序で触れていけば患者は喜ぶだろうか?最初に触れる手は軟着陸か強行着陸かは読者の経験を待つのみか!

患者は実にわがままが多いようだ。痛くない鍼、気持ちのよい治療を望む。患者から見れば当然のこととも言える。

接触鍼をすることで患者が「先生、随分楽になりました。すごく気持ちがいい気分です。」と言われたことがある。エッ!どうして!という気持ちである。試しに腹部を調べてみると積聚の変化が認められる。接触鍼の段階で、治療は終わリかな?と考えさせられたことを何回か経験している。最初の段階でつまずいた。いまだに接触鍼の効果の広さ、深さについては驚きの連続である。わたしの経験ではギックリ腰でうつぶせのまま動けない患者を鍉鍼のみを用いて治療し、トイレまで歩かせたというのは4例ある。鍉鍼のみで効果があることから類推すると接触鍼の段階でも治療効果が有ってもいいのではないかとさえ思われる。接触鍼の持つ意味は今だに検討課題である。