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【デュエマ】令和のドルゲーザ珍道中

はじめに:『剛撃戦攻ドルゲーザ』とは


『剛撃戦攻ドルゲーザ』…DM-13「聖拳編第4弾龍炎鳳神誕」にて初収録され、今なお根強い人気を誇る(?)、いにしえのジャイアント。彼の代表デッキといえばかつてのクロニクル・レガシー・デッキのテーマともなった、【シノビドルゲーザ】であろう。デュエマ歴の浅い私も、マナもコストも分からないような初心者の時にこの構築済みデッキを手にして以来、このデッキだけを握って少しずつチューニングを行なってきたつもりではある。(無論その多くはYouTubeで動画を漁り難癖をつけて自論を押し通すだけの机上論未満のものであることは言うまでもない。)『西南の超人』から次々とジャイアントを展開し『ドルゲーザ』で大量ドローをキメて、手札にたんまり抱え込んだシノビで相手の攻撃をいなし、遂には『水上第九院シャコガイル』やら『偽りの名 iFormula X』やらで殴ることなくエクストラウィンするトリッキーさには多くのDMPが心を躍らせ、或いは憤ってきたことは想像に難くない。ただし、今日ジャイアントデッキにおいて盤石の地位を築いていたかと思われた『ドルゲーザ』に大きな変化が起こったのである。本記事では『ドルゲーザ』を取り巻く環境の変化と【ジャイアント】の行く末について語っていく。


『ドルゲーザ』に起こった変化

1,【シノビドルゲーザ】の解体

先述の通り、『ドルゲーザ』はジャイアントデッキ、とりわけジャイアントによるリソース確保とシノビによる防御を組み合わせた【シノビドルゲーザ】において切り札的立ち位置のカードであった。しかしこの【シノビドルゲーザ】はクロニクルデッキによる強化を受けて少しの間は環境に顔を出すこともあったが、今となっては勝つために使う理由はないファンデッキの一角となっていた。その要因はいくつ考えられ、以下はその一例である。

  • 除去に弱い点(特に『西南の超人』が場に残らないとデッキが回らない。)

  • 「ニンジャ・ストライク」が相手依存の能力である点

  • 「ニンジャ・ストライク」による防御性能が発揮できるようになるのが遅い点

特に1点目の「除去に弱い点」は致命的な弱点であり、「2ターン目ブースト→3ターン目『西南の超人』→4ターン目『ドルゲーザ』」がメインプランであるが故に、『西南の超人』が除去されただけで何もできなくなるのはダムドやらザーディやらがあちらこちらに闊歩する現代デュエマにおいては非常に痛手と言える。(勿論大会等で勝つことが一番の目的のデッキではないが、無論負けて嬉しいことはないため環境をある程度意識したデッキを作ってしまうのがファンデッカーのサガである。)シノビ等の受け札を大量にデッキに詰め込む特性上、メインプランに割けるデッキの枠が圧迫され、能動的に動きがたいのは受けデッキの永遠の弱点とも言える。
また受けデッキであるため、アタックしてこないループデッキやアタックする頃にはダンテや単騎がこちらを向いて手を合わせているようなコントロールデッキに弱いという宿命を背負っている。(かといって速度の高速化についていけず赤単ばりのスピードで殴られると普通に負けるという、シャングリラも顔負けの矛盾をも抱えている…)要するに【シノビドルゲーザ】自体がだんだんと時代の波に飲まれつつあったのである。それが良くも悪くも大きく変わったのがある一枚のカードの登場である。

そのカードこそ、『雲の超人』である。


このカードはDM22-EX1「黄金戦略‼︎デュエキングMAX 2022」に初収録された、「登場時に山札上を3枚表向きにし、ジャイアントを全てマナに置ける」という、当たれば4コス3ブーストの『爆進イントゥ・ザ・ワイルド』も涙目の破格のマナ加速性能を誇る一枚である。あくまでもジャイアントデッキである【シノビドルゲーザ】としては、「2ターン目ブーストから繋がって、除去をされても既にマナが伸びているのでモウマンタイ」という願ったり叶ったりな強化パーツであったわけだが、このカードこそがむしろ【シノビドルゲーザ】に悲劇をもたらしたのである。(少なくとも私の脳内ではかなりのショックがあったのである。)
というのも、このカードでマナに置けるのは「ジャイアント」だけであり、このカードを採用するにはデッキの大半のカードをジャイアントで固めないことには『青銅の鎧』にも鼻で笑われるようなマナ加速しか期待できない。そう、ここに大きな罠が潜んでいたのである。つまり「ジャイアントデッキ」にとってあまりにも大きな強化パーツであるこのカードを採用することを考えた瞬間、【シノビドルゲーザ】に採用されているほぼ全てのシノビが“ノイズ”に成り下がってしまったのである。(ちなみに一見ジャイアントであり、ノイズにならなさそうな『怒流牙 佐助の超人』も『斬隠蒼頭竜バイケン』と組み合わせないと意味を成さないということでノイズとなってしまう…)
とにもかくにも、このカードの登場によって大きな変革の時を迎えた【シノビドルゲーザ】。しかし、それはまだ序章に過ぎなかった。

2,【ジャイアント】の超強化

『雲の超人』という強力な新規カードの登場によってジャイアントデッキに採用されるシノビの立場が揺らいだのも束の間、2023年に始動した新シリーズ「アビス・レボリューション」によってとうとう『ドルゲーザ』の立場も危うくなってしまう。現在もその真っ只中である本シリーズでは、各文明計5種族が強化されることが発表され、その自然文明の担当がジャイアントだったのである。これも『雲の超人』のとき同様ジャイアントデッキにとっては喜ばしいことであるのだが、同じなのは嬉しい部分だけではなかった。
「アビスレボリューション」の第一弾である「双竜戦記」では、ジャイアントデッキの足回りがこれでもかと強化された。『雲の超人』のノイズにならずに3ターン目に4コストのカードにアクセスできる『アシスター・サイネリア』や『配球の超人/記録的剛球』、一見出しづらそうではあるが出せればほぼエクストラターンを得ることができフィニッシャーにもなるこのパックの目玉『首領竜 ゴルファンタジスタ』、『ゴルファンタジスタ』とともに採用することで圧倒的なカウンター性能を発揮する新規受け札『輝跡!シャイニングロード・マンティス / 輝跡の大地』、そして何より強力なのが盤面除去と実質マナ回収と大型踏み倒しを兼ねた鈍器みたいなパワーカード『チアスカーレット アカネ』らによってジャイアントでっきの足回りと中継ぎとフィニッシャー(つまりほぼ全部)が固められた。これらの新規ジャイアントは皆自然単色であり、安定性のことを加味すると『ドルゲーザ』等の多色ジャイアントは十分採用圏外に追いやられても仕方なかった。また『氷打の妖精 / 巨打設計図』という、ジャイアントデッキであれば3ドローできるドロソ兼ちょっと小さめな『デスマッチ・ビートル』のようなカードまでも登場し、『ドルゲーザ』はドロソしての役割すらも奪われつつあったのだ。
YouTube等でもたくさんの人が【ジャイアント】を取り上げていたが、そのほとんどは自然単(もしくは「G・ゼロ」でタダ出しできる『終の怒流牙 ドルゲユキムラ』が2,3枚採用されているものもあるが)で、そこに『ドルゲーザ』の姿は無かった。

だが、私はこの風潮に一石を投じたく思う。

ここからは私がこの状況下において作ることを余儀なくされた【青緑ジャイアント】のデッキリストをご覧いただきながら、現在の私の中でのジャイアントデッキ、ひいては『ドルゲーザ』について話していこう。

【青緑ジャイアント】のデッキリスト


意地を張ってデッキ名には『ドルゲーザ』と入れた。(DECK MAKER様を使用)

↓使用させていただいたDECK MAKER様のリンク↓
https://gachi-matome.com/deckmaker/


デッキの紹介

1,コンセプトと大まかな動かし方

まず、デッキコンセプトとしては「妨害で時間を稼ぎ、リソース差をつけて、安全圏から勝つ。」というところに焦点をおいている。いくら勝つためだけに作っているわけではないファンデッキと言えど、デッキのアイデンティティは大切で、その点で言えばこの【青緑ジャイアント】にはジャイアントでないと成し得ない数多の動きを内包している。

まず序盤から中盤の大まかなゲームメイクとしては、
2ターン目:初動カードでマナ加速(もしくはメタクリの展開)→
3ターン目:『雲の超人』か『西南の超人 / 断断打つべしナウ』を召喚 →
4ターン目以降:『ドルゲーザ』や『チアスカーレット アカネ』から大量展開を狙っていく
…というものだ。ともかく序盤は『雲の超人』の召喚を最優先していれば万事OKである。細かい話をするならば序盤のマナ置きで意識したいのは以下の2点で、

  • 1ターン目にできる限り多色カードをマナに置く。

  • 『輝跡!シャイニングロード・マンティス / 輝跡の大地』が盾から捲れた時のために、『ゴルファンタジスタ』や『配球の超人 / 記録的剛球』を優先してマナに置く。

特に、1点目の多色カードの扱いについては注意が必要で、このデッキは見れば分かる通りかなり歪な色配分をしており、青単色のカードがほぼないために序盤で上手く青緑の多色カードをマナに置けなければ、後半『ドルゲーザ』をプレイし難くなる。ただ、青のカードはマナに1枚でもあれば十分デッキは回るためそこまで無理をする要素でもないのかもしれない。ちなみにもっとも優先してマナに置きたいのは『ドルゲユキムラ』であり、このカードがマナにあることでいくつかの小技を使えるので覚えておこう。(詳しくは各カード解説で)

『ドルゲーザ』でリソースを稼いだり、『アカネ』で大型ジャイアントの早期着地を成功させたりすれば、もはや勝利は目前。具体的なフィニッシュのプランは以下の3点である。

  1. 多面展開からの『無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース』によるエクストラウィン

  2. 『ドルゲーザ』による大量ドローからの『水上第九院シャコガイル』でのエクストラウィン

  3. 『首領竜 ゴルファンタジスタ』や『終の怒流牙 ドルゲユキムラ』等で過剰打点を形成し、果敢に殴る

メインプランはこのデッキ一番の独自枠である『ジ・エンド・オブ・ユニバース』でのエクストラウィンである。これまで何度も述べている通りジャイアントは多面展開がかなり得意であるため、勝利条件の「場に自分のクリーチャーのカードが10枚」(メテオバーン能力のため『ドルゲユキムラ』は進化元含めて2枚判定である)は想像以上に簡単に達成できる。しかし、勘の良い読者ならもうお気づきであろうが、このデッキ光文明のカードがこのカード1枚しか採用されていないのである。これではこのカードを召喚するためのマナの文明が無いではないかと思うのではないだろうか。だが、勿論そんなことはない。

「そのための『環嵐!ホールインワン・ヘラクレス』なのだ。」

このカードは「各ターンに1体、マナからクリーチャーを召喚できる」能力を持っている。つまり『ジ・エンド・オブ・ユニバース』をマナに置いてしまい、このカードが場にいる状況で自身をマナの色にしながら、マナから『ユニバース』を展開すればそれで勝ちである。そのため詳細な勝利条件としては「マナに『ユニバース』含むアンタップマナ7枚 + 場に『ホールインワン・ヘラクレス』含む10枚のクリーチャー」となる。この条件でもっとも達成し難いのは実は「アンタップマナ7枚」の部分であり、『ユニバース』はとくにコスト軽減するカードもないので、場に10枚揃えたのと同じターンに『ユニバース』で勝利、というのは厳しい場面が多い。そこで1ターン稼いでくれるのが『首領竜 ゴルファンタジスタ』である。このカードを見た多くの DMPは「これを出して1ターン稼いだところでどうするのか?」と思ったに違いない。これは実際その通りで、いくら超巨大な打点となるとしてもただのワールド・ブレイカーではわざわざコイツを採用する旨みがあまりない。だがこのデッキにおいては『ユニバース』を使用するターンのラグを誤魔化すことができるというかなり大きな役割を背負っている。これは必ずしも登場時能力でしかできないことではなく、すでに『ゴルファンタジスタ』がいる状況下で『西南の超人 / 断断打つべしナウ』の呪文面を唱えるだけでも十分盤面に蓋をすることができる。また『ユニバース』を早期着地させるテクニックとして『楽球の妖精』を使った小技がある。これは例えば、場にはもう10枚か9枚のカードが揃っている状況で『ドルゲーザ』を召喚し、登場時能力で『ユニバース』をドローした時、本来であればマナ置きのステップが終了しているため手札からアンタップした状態で『ユニバース』をマナには置けないのだが、『楽球の超人』を使うことでそれが可能になってしまう。またそのようなピンポイントな場面でなくても、このカード自体『西南の超人』下では、1マナで召喚して手札から単色カードをマナに置けば1マナ増える、つまり実質0マナで場のカード枚数の傘増しができるのも優秀な点である。先述の通り『ドルゲユキムラ』も「G・ゼロ」で場に出せば、0コストで枚数の傘増しができるため、実際のところ「10枚場に出す」という条件はかなり簡単に達成できる。

しかし、もし相手が除去をかなり得意とするデッキ、もしくは自陣の展開が上手くいっていないときや『ユニバース』が盾落ちしたとき(要するに『ユニバース』の勝利条件を満たし難いとき)は、第2のフィニッシュプラン『水上第九院シャコガイル』でのエクストラウィンを目指すのが良い。『シャコガイル』ルートは非常にシンプルで『シャコガイル』がいるときに『ドルゲーザ』なり、コイツ自身のドロー能力なりで山札を0にすれば勝ちである。残りの山札の枚数が10枚くらいで『ドルゲーザ』が使えないとき(例えば盤面がすっからかんのとき)は『雲の超人』や『配球の超人 / 記録的剛球』の呪文面で無理やり山札を削るのも一つの手である。(『シャコ』自身の能力で相手ターン開始時に5枚は引けるので、残り5枚になった時点で勝ちである。)

そしてそれらのエクストラウィンをすること自体周りくどいとき、例えば相手が明らかに受け札を積んでいない速攻デッキなどの場合はとっとと殴ってゲームエンドするのが良い。この場合、『ドルゲユキムラ』の0マナ、3打点、パワー17000、即攻撃可能とかいう狂ったカードパワーを遺憾無く発揮してあげよう。また『西南の超人』のセイバー能力もあると安心である。ただし、意外とアタックのできないジャイアントが多く、意識しないと打点が伸びづらい点には注意が必要である。おすすめは『ゴルファンタジスタ』を召喚して、次のターンの安全を確保してから殴ることである。(これで不意のクロックも怖くない怖くない。)

これら3つのフィニッシュプランさえ頭に入っていれば後は状況に合わせて使い分けるだけ!(私はそんな柔軟なプレーはできないが。)より詳細なカードの使い方は次項で綴ることにする。(時間のない方は『ドルゲーザ』の紹介だけでも見てほしい。)

2,各カードの採用理由

◎初動枠
⚪︎『配球の超人 / 記録的剛球』

「配球」と「配給(よく映画の配給をワーナーがやっている)」をかけている秀逸な一枚



・呪文面はシンプルな2コスブーストカードで基本は2ターン目にこの呪文を打つのがセオリー。クリーチャー面は『輝跡!シャイニングロード・マンティス / 輝跡の大地』の呪文面で出して十分受け札として機能する。そのため余ったら意識的にマナに置くようにするのが望ましい。14000というパワーラインも激戦区12000〜13000辺りを少し越すかなり優秀な一枚。

⚪︎『楽球の妖精』

「猫の恩返し」を思い出しますね。

・このデッキの初動にして、このデッキ1のオシャレ枠。場に残るという点では『配球の超人』よりも優秀だが、何せ手札が減るので基本は序盤に使わない。もしこれしか手札に初動がない場合は十分に初動として機能する上、先述の通りこのデッキにおいては勝ちのターンを1ターン早めることのできるお利口さん。『ユニバース』はマナから召喚するのは『ホールインワン・ヘラクレス』からしかできないが、このカードならば『アカネ』でマナからも出せて、色もあるので手札からも出せる、要するに簡単に『ユニバース』を出力しやすくするカードである。

⚪︎『キャディ・ビートル』

「ファー!」と本来言うべき人(虫)

・初動…かは怪しいが、他の2コストカード2枚が「1ターン自分の動きを早める」という点で初動であるならば、このカードは「0〜2ターン相手の動きを遅らせる」という点で初動である。だが、刺さる相手と刺さらない相手がいるため、環境によって枚数調整は必須。除去されてもマナに行くため、コイツを除去することに相手が1ターン使い、それで1ブーストしてこちらの動きが1ターン早まるなら実質2ターン差をつけることができる。速攻相手にはS・トリガーではどうにもならないことが多いため、能動的に妨害をなせる貴重な一枚。

⚪︎『とこしえの超人』

『いにしえの超人』のリメイクカード(ただの魔改造)

・言わずと知れたバケモンカード。1マナという隙間マナを利用して出せるにも関わらず、強力なメタ能力・高いパワーライン・受け札にもなる・ジャイアントの頭数の傘増しができる、と三拍子どころか五、六拍子揃っていて変拍子になってしまうほど強力な一枚。いざという時にはコイツを出して、とりあえず『西南の超人 / 断断打つべしナウ』の呪文面をコイツに当てれば一命を取り留めることもできる。『キャディ』同様、環境次第で調整は必須だが、受け札にもなるという点で3,4枚の採用は安定かと思われる。あとパワーラインだけでなく値段も地味に高い。

◎中盤の繋ぎ
⚪︎『西南の超人 / 断断打つべしナウ』

実は「サムライ」

・「ジャイアント」と言えばこのカード。除去さえされなければ『雲の超人』よりもアドバンテージを稼ぎやすい一枚ではあるが、まあどちらもプレイできる状況なら『雲の超人』を優先して召喚することをお勧めする。だがこのカードが2枚場に立っているだけで『アカネ』が1マナ、『ナチュラルゴ・デンジャー』が3マナ、『ゴルファンタジスタ』が4マナと考えるとこのカードのポテンシャルが分かり易いだろう。「セイバー」能力も果敢に殴るプランを取った時に地味に強力。呪文面は一応受け札にもなるが、このカードの真価は1ターン経ってアタック制限の効果が切れた『ゴルファンタジスタ』を雑巾みたく使い倒せる点にある。能動的に相手の攻撃をシャットアウトできる有能なカードである。

⚪︎『雲の超人』

収録されてギリ1年経たないうちにめちゃくちゃ再録された。

・先ほどから何度も話題にあがった、現在の【ジャイアント】のアイデンティティ的存在。(例えば、ドラゴンデッキの「栄光・メンデル」みたいなものである。)基本的に「2ターン目ブースト→3ターン目コイツ」で4ターン目で8マナ到達とかいう狂ったマナカーブが理想。「マナがあればなんでもできる」とはよく言ったもので、このデッキではマナを手札と同じように扱えるカードも少なくはないので中盤以降でも出して腐ることはない。シャコガイルでのエクストラウィンを達成するために山札を削りたいときにも使える。とにかくこのカードを召喚してターンが帰ってきたら勝ちを確信して良いレベル。(そんなことはない。)

⚪︎『環嵐!ホールインワン・ヘラクレス』

「タマシード / クリーチャー」もっと出してほしい…(玄人感が出てカッコいいから)

・中盤の札…とも言い切れないが、『雲の超人』も『西南の超人』もいないならコイツを出しておこう、といった一枚。墓地利用デッキへのメタも兼ねるが、このデッキにおいては『ジ・エンド・オブ・ユニバース』によるエクストラウィンのプランに必須のカードであるため、少なくとも2枚採用したい。だが最終局面以外では『アカネ』の方が役割を持てるので、2枚で十分である。殴るプランを取るときに気づくがコイツも大概のカードパワーをしている。タマシードである時は『ドルゲーザ』のシンパシーや登場時能力の頭数に入れられなかったり、『ドルゲユキムラ』の進化元にできない点にはご注意を。

⚪︎『チアスカーレット アカネ』

通常派とシク派で戦争が起こりそう。

現在の【ジャイアント】のアイデンティティその2。私はこのカードが発表された時に、「マナから召喚なら『ホールインワン・ヘラクレス』でもできるし、盤面除去も『ナチュラルゴ・デンジャー』や(今回は採用していないが)『蟲偵電融ゼノジェンド』でもできるし、メクレイド8でわざわざ出したいカードもそこまでないし…別カードでいいや!」と見くびっていたが、よく考えればこれらはそのままこのカードの強みで、他のカードでもできる役割を一挙に受け持つことができるし、別にわざわざ出さなければならないカードが無いとは言え、おまけで『ドルゲーザ』やら『ゴルファンタジスタ』が出てくるなら、出てくるに越したことはないのだ。ある種、このカードのおかげで『ドルゲーザ』をスムーズに採用できたとも言える。とにかく強いことしか書いていないカードなので3,4枚は入れたい。(なんとなく他のカードの枚数を削りたくなくてこのデッキリストでは3枚になっているが4枚入れても当たり前に強い)もはやこのカードがこのデッキの切り札である。

◎受け札
⚪︎『ナ・チュラルゴ・デンジャー / ナチュラル・トラップ』

なぜジャイアントをつけたのだろうか…(感謝)

・純粋に受け札。だがそれに収まらない強さを秘めており、クリーチャー面は強いことしか書いていない。(要はコイツもパワカ)登場したのは双極編で、当時からこのカードの存在を知っていたが、これまではあまり強さを活かしきれないと思っていた。(少し高いコストかつ6マナ以下で出したいクリーチャーがあまりいなかったため。)だがこのカードも「双竜戦記」で話が変わったカードである。出しにくいコストも『アカネ』のメクレイドで出せるし、自身の効果でマナから『アカネ』や『ホールインワン・ヘラクレス』を射出できるしと、要は『アカネ』とのシナジーによって価値の上がった一枚と言えるだろう。「12000のマッハファイター」は言わずもがな強力としか言いようがないため、枠があるならたくさん採用したいが、動きに必須というわけでもなく、調整枠の一枚である。

⚪︎『輝跡!シャイニングロード・マンティス / 輝跡の大地』

名前が長すぎる上、入力しづらいため本記事ではほとんどコピペした。

・ジャイアントの新たな強力すぎる受け札。S・トリガーで発動した時もコイツから『ゴルファンタジスタ』を出せば、ほぼ絶対に攻撃が止まる。また自身の呪文面とクリーチャー面も相性が良く、自己完結している点も優秀。呪文面が縦から捲れた時は、緊急時なら迷わず『ゴルファンタジスタ』、相手の盤面が横に広がっているがすぐには死なないならコイツ自身、確実に除去したい奴がいるなら『配球の超人』、序盤でマナが減るのが惜しいなら『雲の超人』で小型を除去しながらマナ加速したり、『ナ・チュラルゴ・デンジャー』で大型除去しながら『雲の超人』や『アカネ』を出してカウンターを仕掛けるのもあり、となかなかに汎用性の高い一枚。基本マナ置きはこのカードが盾から捲れたら…ということを念頭に置きつつするのが望ましい。また『アカネ』のメクレイドの当たりにもなり山札からしか使えないメクレイドをマナゾーンからの出力に変換することもできる。全力でコイツを盾から踏ませれば勝ったも同然である。(踏ませれば)

◎切り札・詰め札
⚪︎『豪撃戦攻ドルゲーザ』

私のイチオシのスーパーデッキ収録時のイラストです。

・お待たせしました。本記事のプロタゴニストたるこのカード。では、前半であないな言いようをしておいて何故『ドルゲーザ』を採用しているのか、それはやはり冷静に考えて『ドルゲーザ』にしかできないことがあるからである。確かにこの時代に「『西南の超人』→『ドルゲーザ』」なんていにしえのコンボが通用しないのは明白である。だが、問題なのはメインプランがそれしかないことであったことなのであり、『アカネ』のオマケにこいつが出てきて弱いはずがない。ジャイアントの足回りが強化されたことによって以前よりも“雑に”『ドルゲーザ』を運用することができるようになったのだ。要するに、このデッキにおいて『ドルゲーザ』は切り札ではなく、サポートカードなのである。これは少しの考え方の問題かもしれないが、意外と大きなことで、実際のプレーにおいても重要なことである。また、『ドルゲーザ』ほど優秀なドローソースが未だ存在しないというのも追い風ではある。前半では「双竜戦記」で追加されたジャイアントの新規ドローソースとして、『氷打の妖精 / 巨打設計図』を紹介したが、このカードで掘り進めることができる最大枚数は3枚である。3マナ3ドローは確かに強力だが、実際に回してみるとよく分かるのが「3枚じゃ足りない…」ということだ。何度も述べている通り足回りがガチガチに強化されたジャイアントであるが、だからこそ序中盤に優秀なカードが多数採用されるため、3枚ドロー程度では状況を返せるほどのピンポイントなカードを引き込むことは難しい。それに比べて『ドルゲーザ』はバトルゾーンさえ整っていれば、2〜4マナで6〜12ドローが見込めるため、稼げるアドバンテージの差は一目瞭然。1枚で勝ちをグッと引き寄せることのできるこのカードはまだもう少しジャイアントデッキに必要な存在であると考える。(とはいえ、このリストは『ドルゲーザ』によるリソースの確保を前提としたデッキリストであるため、例えば自然単で構築したい場合『ドルゲーザ』を採用しないという選択肢も十二分に取ることができる。多色を入れることで安定性は少し欠けてしまうが、それでも採用してしまう私はこの大量ドローの虜なのである…)ちなみにいくらメインプランとしてではない運用だとしても、1,2枚だと真価を発揮しづらいため、3,4枚入れてあげるのが良い。(というより4枚採用してこそのカードのため1,2枚しか入れないなら正直採用しなくても良いと思われる。)

⚪︎『終の怒流牙 ドルゲユキムラ』

「終の怒流牙」で「ラストニンジャ」と読む漢気。

・このデッキ随一の便利屋さん。コイツのおかげで多少強引なマナ置きが成立すると言っても過言ではない。0コストでマナ回収ができ、打点にもなるため先に紹介した3つのフィニッシュのプランを柔軟に選択することを可能にしてくれる。殴るプランではシンプルに即時の大型打点として、『ユニバース』プランではメテオバーンの枚数の傘増しとして、そしていずれのプランでも、詰めに使うが序盤は必要がなくマナに置いたカードを回収して幅広い戦術を取れるという点でデッキの潤滑油としての機能を担う一枚。小技としてコイツがマナにあるときに『アカネ』が場にいれば、コイツをなんらかのコストとして支払ってタップした後『アカネ』のマナからジャイアントを召喚できる能力を使い、マナから「G・ゼロ」でコイツを出すと『アカネ』の効果でマナ加速ができ、結果的に1マナアンタップマナが増える(山札上から加速した一枚が単色である場合)という所謂“錬金術”を可能にしてくれる。それ以外にも『アカネ』のアタック時効果でマナにおけるため、何度もコイツの登場時能力を使いまわせるため『アカネ』とはかなり相性がいいと言える。マナに置いておいた方が旨みがあるため1ターン目に手札にあるなら優先してマナに置きたいが、いざという時に無料のマナ回収札として活躍してくれるので状況に応じて手札に抱えるという選択肢も頭の隅の方に残しておきたい。

⚪︎『無限銀河 ジ・エンド・オブ・ユニバース』

銀トレジャーってUGCの銀バージョンみたいな感じですごい好き(語彙)


・このリストで最も特異なカードであり、読者にも疑問を持つ方が多いと思われるのでこのカードの採用に至った経緯をまとめておくと、

  1. ジャイアントデッキの強みである「メタによる盤面干渉」、「多面展開性能」、「伸びやすいマナ」を活かしたい。

  2. そうなるとトリガーケアもせず、ただアタックしてフィニッシュするのはリスクがあり、それまでコントロールするのが勿体無い。

  3. 意外と打点にならないクリーチャーが並びがち。

  4. 受け札としては『シャイニングロード・マンティス』+『ゴルファンタジスタ』のパッケージを採用したい。

このような経緯を辿り、フィニッシャーには是非「多面展開を活かせて、『ゴルファンタジスタ』と相性がよく、安全圏からゲームエンドに持ち込める」という条件が欲しかったのである。(特に『ゴルファンタジスタ』との相性は先述の通りすこぶる良い。)またピン投というのも、マナを自由に触りやすい点と、『ドルゲーザ』によって山札をほとんど掘ることができる点にカバーされ不自由を感じない。極力相手側の干渉を無視してサクッと勝てるという唯一無二の性能を持つ一枚である。

⚪︎『水上第九院 シャコガイル』

銀トレジャーってUGCみたいな加工の上に新規イラストが全部神なので好きです。
(ちなみにシャコは私の一番好きなカードです。)

・このデッキのスーパーサブプラン万が一、盤面が上手く展開できない場合、もしくは『ホールインワン・ヘラクレス』の盾落ちなどによって『ユニバース』ルートが取れない際に最悪1枚でも勝てるカードとして採用。一応唯一の青単色カードとして活躍することもなくはない。これも『ドルゲーザ』によって山札をほとんど掘れることからピン投である。

3,不採用にしたカード、その他調整パーツ

⚪︎『アシスター・サイネリア』

「アシサイ」というと「アジサイ」みたいに聞こえる。

・環境によって『キャディ・ビートル』と枠を争う一枚。同じ2コスト初動である『配球の超人』に比べて除去に弱いという弱点はあるが、場に残れば『ドルゲーザ』の頭数や『アカネ』のメクレイド起動の生贄としても活躍するため使い分けは重要である。ただ、どんな場面でも安定に活躍できる点とクリーチャー面が『シャイニングロード・マンティス』から出した時に強力な受け札となることを鑑みると、『配球の超人』の枠をコイツに変えることはあまりないと思われる。

⚪︎『氷打の妖精 / 巨打設計図』

とても、大きいです//(パワーが)

・先述の通り、ドロソとメタクリという2役を受け持つことのできるトンデモカード。メタ効果に関しては『キャディ』の方が刺さることが多いように感じるが、もしコイツの方が刺さるなら、ドロソとしての運用も可能なので優先されるのかもしれない。(いかんせん『キャディ』のメタが強力すぎるのであまりそういう事例はないと思われるが、)今回のリストでは『ドルゲーザ』がいるので不採用としたが、自然単で組みたい場合はすぐさま採用を決定して良い。

⚪︎『十八番龍 エターナルグリーン ParLife』

アドレナリンver.の方がシクより人気説、あると思います。

・発表されてほんの一瞬、第二の『オービーメイカー』になりそうかと思われたが、よく見たら全くそんなことはなかった若干可哀想な(?)カード。性能を簡単に言い表すなら、「中盤以降限定の『アカネ』と『西南の超人』のハイブリッド」みたいな感じである。個人的には枠が余った際はぜひ入れたい…がこのカードのために枠開けるのも少し違う、といった一枚。5枚目以降の『西南の超人』として運用するのが良いだろう。エクストラウィンに目が行きがちだが18体は流石に多すぎるため、最後の効果はないものと思って良い。(じゃあ『ユニバース』はどうなんだよ、という人もいるかもしれないが10体は普通にプレーしていたら意外とピッタリくらいに並びます。)コイツも自然単で組むなら採用は必須と言っても良いくらい強力なカードではある。ちなみに軽減対象がよく読んでみると、「使うコスト」なので、『西南の超人』と違って呪文やタマシードのジャイアント使用コストも軽減できるという強みもある。

まとめ

今回は『ドルゲーザ』を巡る今の【ジャイアント】のあり方を考えてみた。初投稿につき多くのミスや矛盾が散見されるかとは思うが、ここまで読んでくださった方に感謝申し上げたい。ファンデッカーの意見交換コミュニティーとしての運用を目指しているため、ぜひみなさんの意見もお教えいただきたい。
ちなみに『ドルゲーザ』は先に述べたとおり【ジャイアント】での採用を考えることができるが、【シノビドルゲーザ】の片割れ、シノビたちの行く末については未だ考察中であるため、是非とも意見を頂戴したい。



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