2022/3 ミュージカル手紙

とりあえずの感想、まだチケットがあるのでまた書き足すかもしれん
特に全員分書いてるわけではない


村井さん(直貴)
なんやかんやと舞台では初めての村井さん!歌をお聞きするのも初めて。
どことなくspiさんと声やなんか歌の雰囲気が似てる感じがして、兄弟を感じられていいな~と思いながら見てた。
最後の忠夫さんとのシーンでのお芝居が本当に良かった…工場勤務し始めた頃のシーンも良かった。
全体を通してのキャラクターの変化や成長を見て取れる自然体な演技がとても上手い人なんだな〜と思った。
直貴は始め兄を恨んではいないと言っていたけれど、後々本当は…と漏らすし、手紙を送ることも受け取ることもやめて、兄弟であることすら捨てようとする。でも別に始めは嘘や強がりを言っていただけというわけでもなく、自分のせいで…兄は自分のために…という気持ち・負い目があるからこそ、本当にそう思っていたんだろうということが感じられる。
嘘がない、真っ直ぐで、でもまだ幼くて、そこからだんだん歳をとっていって、色々なことに気付いていって…という時間の経過や考えの変化が、手に取るようにわかった。
すごく良い役者さんだ〜、とにかく演技に魅せられた。嫌味がなく、雑味もない、ただシンプルに演技が上手い。多分それが一番難しいけれど、強くそれを感じた、すごい人だ〜。他の作品でも見てみたいなあと思った。


spiくん(剛志)
何気によく見るすぴくん。色々な歌い方をこなす、器用で本当に技術力が高い人だなあと今回改めて感じた。すげーや。
剛志は一歩間違えれば観客に与える印象がものすごく変わりそうな、難しそうな役だな〜という感じだし、正直今も剛志に対してどういう感情を抱けばいいのか計りかねている。
間違いなくやったことは許されないし、彼の無知や考えの甘さはやるせなさや度し難さを感じてしまうのだけど、それでもどこか憎めないような気持ちにもなる。
やっぱ無知ってめちゃくちゃ悪だわ。でも貧困と無知ってすげー結びついてしまうものなので、彼自身が一番悪いのかというと、そうは言いたくもない感じがあるのよね。彼に社会の色々を学ぶ機会と時間と余裕があれば全部避けられたのにな。
可哀想に思えてしまうのは、彼には学がないけれど、色々なことを理解したり許容する力はあるってこと。いっそ自分の境遇を恨んでしまったりとか、最後の弟の手紙の意味がわからないくらい頭が悪ければよかったんだけど、残念ながらそうじゃない。何もかも自分がなんとかしなけりゃ、と受け入れてしまったし、説明されれば全て理解はしてしまえる。なら彼は自身の愚かさやら何やらのなにもかもと真正面から向き合って生きてかなきゃならない。話のスタートからめちゃくちゃ選択肢ミスっちゃってるのに。ミスったのも、自分を追い込みすぎた結果なんだろうし。
まあそもそもがそういう話なんだけど、一番しんどい人生になっちゃう。ごくごく普通の人は、自分の愚かさに対してある程度の無視を決め込んだりしながら生きてるもんでしょうとわたしは思うのだけど、それができないしんどさ、ちょっと想像したくない。彼レベルのやらかしは、普通の人はしないと思うので前提がちょっと違うのだけど…。そのしんどさの中で生きるってことが、罪を償うってことなんだろうな。
一歩間違えれば手紙が来なくなった頃あたりの彼の言葉で、見てる側が腹立ったりしそうなんだけど、ついそうなっちゃいそうなところをちゃんと考えさせてくれる演技をしてくれる、非常にたすかる。ちゃんと話の深いところまで連れてってくれる技術、すごい。助かります。
弟もだけど、特に兄の演技次第でどうとでも転んじゃう作品だな〜と思ったので、初見がすぴくんで良かったな〜と思うし、他の役者さんでも見たい。他の役者さんが演じるお兄ちゃん見て自分がどう思うのかを知りたい。なんかそう思わせてくれるのもめちゃくちゃ良いことだなって気付いた。作品を面白く深めてくれるってことだもんね。
彼が忍び込んだ家でした行動の理由、色々考えたけどしっくり来そうで来ないので原作読まなきゃな〜と思った。あとドライバーで刺されるの、絶対一発で死ねないし長く苦しみそうでめちゃくちゃヤダな〜って思った。


染谷さん(忠夫、孝文)
染谷さんが見たくてチケットを取ったので割と濃い二役をメインに、たくさんのキャラクターを演じてるのが見られてすっごく嬉しかった~!囚人役がかわいくてお気に入り。電気屋さんの人もとってもキュート。
忠夫さんめちゃくちゃ重要な役どころじゃん……と驚いたし最後のほうのあのシーンはめちゃくちゃ良かった。もう終わりにしようって言えるのなあ、すごいよなあ。でも忠夫さんにしか言えない言葉だから、言ってもらえてよかったなあ。一番ここで考えさせられちゃった。
染谷さんの情感に訴えかけるような、想いがじんわりと溢れるお芝居はやっぱり素晴らしい〜〜、大好き〜〜〜ってなっちゃった。やっぱ芝居歌が上手い役者さんのことがめちゃくちゃ好きだよなあ。心にずしーんとまっすぐ来る。もちろん歌唱力という意味でもすごく上手い人だけど、何が言いたいのか、どう伝えたいのかをしっかり過不足なく気持ちよく歌に乗せてくれるので、良いお芝居を見た・良いミュージカルを見たな〜という満足感が強いんだよな。

孝文さんはカワイすぎてビックリしちゃった。そのいけ好かないスーツと眼鏡と神経質そうな髪型めちゃくちゃ似合いますね…(褒めてる)
死ぬほど性格悪そうだけど武島家のこと調べてわかって朝美ちゃんに伝えに来たあたりでは割とちゃんと朝美ちゃんを心配してる感じがあって、オッとなったけど、あんまり語られはしないので心の内は割と謎。繰り返して観たらわかるかな~。
紗穂ちゃんの婚約者の役と聞いて、染谷さんも紗穂ちゃんも大好きなのでちょっと良い感じのシーンとかあるかなってニコニコわくわくしてたけど全然なくて草。良い感じとかそういう問題じゃなかった。原作ではその後の二人書かれてたりしませんか!?(なさそう)


紗穂ちゃん(朝美)
これまた何かと見る機会が多い紗穂ちゃん、初めて見たときからすっかり大好きになってしまってる。気が強そうだけど愛嬌もあって可愛い女の子という感じで、めっちゃくちゃ好みなんだよな〜。
朝美ちゃん、正直もっと歌欲しかった〜!!と寂しい気持ち。でもあの一曲が本当に本当に良かったーー!!!
個人的に、普段舞台を見ているときって、割と冷静にこれは演劇だ、と線引きをして、あくまで舞台上の出来事と、それを演じてる人、観客である自分、を認識しつつそこに座っててしまうタイプなのだけど。結構いきなり始まるあのライブシーンの朝美ちゃんが歌い出した途端に、ライブシーンという状況がある程度手伝っているとは言え、めちゃくちゃ「そのライブを見に来てるお客さん」に自分がなれた。普段引いてる線を、歌の力で取っ払われた感じ。その場を掌握しているというのか、世界に引き込むというのか、冷静な感じ気取ってんじゃねーぞと引っ叩かれたような、そんな感じさえした。ちょっと驚いた。別に煽って盛り上げて、みたいな曲でもないのに。めちゃくちゃすごいことじゃない? すごいのよ すごいんですよ 青野紗穂… 一句詠んじゃったな…


三浦透子さん(由実子)
初めて見る方だな〜と思ってたら初ミュージカルなの!?と驚いた。全然そうは見えなかった。
とにかくめちゃくちゃ綺麗な、透き通るような、浄化されるような歌声で、耳が幸せ〜ってこういうことだな〜となった。三浦さんの歌が聞けただけでチケット代の価値軽く超えてる……と思った。初見だし推しでもないのにそう思わせられるのやべーな。
演技は自然体という感じでなんの違和感もなく入ってきやすい。そういう点で村井くんと相性が良くてバランスがいいな〜と思った。由実子はちょっと出来すぎた人間で、よくよく考えたら、イヤイヤ…となっちゃいそうだけど、そう感じさせないナチュラルなお芝居がビッタリはまってたんだろうな〜。何かと作品に居るよく出来すぎた人間に対して腹立てがちなんだけど、嫌味がないから素直にすごいな〜ってなっちゃった。
ミュージカルではあんま聞かないタイプの歌だな〜と思ってたら、ウィキ見てなるほど〜となった。同郷同身長でなんとなくちょっと嬉しくなったりもした。


川口さん
作品としては三度目に見る川口さん、お声を聞くたびに「わたしが2021年狂い倒した歌声だ…」となってしまう。(初見レミゼで川口ジャベに突然落っこちた女)
複数人で歌っていてもめちゃくちゃ抜けて聞こえてきやすいのですげーわかりやすい。訳わからんほど上手い。上手いとか言うのすら失礼なのではと思うくらいすごい。もうすごい。語彙なくなるくらいのやばさ。
囚人役と社長さん役、思えば結構極端な役どころなんだよなあ。でもどちらも兄弟に寄り添ってくれたり、考えて進むきっかけをくれたりするポジションで、どちらも好きな役だなあ。あの貫禄と歌声だから説得力がエグい。
特に社長さんは正しい人だったから良かったけど、よしんば悪い人でもあの感じだと全然理屈通らん話されても信じちゃいそうで怖いな〜って思った。なんかそういう役も見てみたい。川口さんに騙されて地獄を見るやつ。ないですか?
とっても深くて良い役どころを演じつつ、電気屋さんの歌って踊るシーンではめちゃくちゃカワイくてめちゃめちゃ笑顔になっちゃった。キュートな染谷氏を見たかったのにアア〜〜川口さんもカワイイ〜!!どっち見たらいいの〜〜!!!ってなって忙しすぎた。あの曲、振り付けめちゃくちゃカワイイよなあ。大好きだなあ。あんなかわいいダンスしてる姿を見られると思ってなかったのでありがてえ。感謝が止まらん。若い社員から悪口言われてるって設定でクソ笑った。
こんな若俳推すみたいなテンションで川口竜也にしゅき…ってなっちゃう気持ちどうしたらいいんすか。そういう感じで推して良い役者さんじゃないでしょ、知らんけど…。



東野圭吾の小説、個人的に作品によって好き嫌いが極端にわかれるので手紙は読んだことないけどどうだろうな〜と思いつつ、とりあえず初見は舞台で見て、好きだったら小説読もう〜と思ってたら、割と嫌いじゃなさそうだったので読みたいと思います
舞台見てからだと役の姿とか思い浮かべながら読めて楽しいかもしれんね

ほんで散々あんま良くない話題で持ちきりだった初ブリリアだけど手紙においては歌詞聞き取れるし、特別良くもないけど全然悪くはなかった印象。ごく一部、不快な響き方する音域はあった。
音響さんがすごい優秀だったのか、殆どの曲が割と静かめで、オケがじゃかじゃか鳴って主張するタイプじゃなかったからなのか?
はたまたわたしが見たのがハチャメチャ後方席だったからなのか?全然普通に聞こえた。
ただバンドシーンだけは何歌ってんのかマジでわからんかった。曲調によってはあかんって感じか〜、ヴェはそりゃ聞こえんわな…と思った(配信勢)

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