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ぴかぴかクソデッキ vol.02 -君の名は。-

デッキビルドの先には決まって「デッキができない」が存在する。
無論、過言である。しかし、やはりオリジナルのデッキを捏ねていると崖に突き当たることもあるのだ。

「これ、純デッキの方が強くないか?」

例えば【AF〇〇】。相手ターンに自分の場を破壊するカードを組み合わせ、それをメインの軸としたデッキを作る。
果たしてそのデッキは、【アーティファクト】より強いのか?
アーティファクトだけではない。ありとあらゆる「シナジーある」カード郡が我々を惑わせ、袋小路に誘い込んでくる。
「除外された時に効果が発動するカード」と「除外するカード」にシナジーがあるのは当然である。問題は、その組み合わせが軸として耐えうる強度を持っているのか。オシャレに見えるだけのぴかぴかした石ころではないか。
実際に回すと「除外された時に効果が発動するカード」はあるのに除外ができないとか、回るのはデッキではなく机上の空論ばかりなのはよくある話。
インターネットにより鑑定眼が勝手に磨かれていくこの世の中で、カードゲームの海原雄山となった我々はどこまでを宝石として許容できるのか。この自問自答こそが、デッキビルダーがぶち当たる「崖」であることは言うまでもない。
今回は、そんな「崖」を登れなかった話である。

妄想編

プリパラだのプリチャンだのミュークルドリーミーだのFGOだのウマ娘だの言ってるので推して知るべしと言ったところだが、オタクは可愛い女の子カードが出ると大体それでデッキを考える(自分調べ)

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カテゴリに属さない代わりに多種多様なサポートを受けれますと言わんばかりのステータスに、単体でも機能する強力な効果。
パッと見ただけでも「効果を無効にするカード」「魔法使い族サポート」「光属性サポート」「攻守が同じカードのサポート」「(対応していない)墓地からの特殊召喚に対するカウンター」など、様々なカードとのシナジーが見込める。
あとは、これら大量の石ころの中からサイリウムジュエルを見つけ出すだけ――のはずだった。

手札出力の手段としてもドローソースにしても妨害にしても、相手依存が足を引っ張る中途半端な効果。
強そうに見える妨害も一回しか撃てない以上、相手に「打ちどころ」を用意されて終わってしまう。加えて、ドロー効果を使えば妨害は撃てない。
置いておけば安定して60点は出せるが、80点は超えない――そんな絶妙な塩梅が「崖」として立ちふさがる。
手札から出力して強いカードと都合よく揃うかと言われればそんなことはなく、ドローソースとしても不安定、妨害に置くにしてもタイミングが限定されているため「打ちどころ」に透かされてしまう。
補完として墓地からの特殊召喚を妨害しても「妖眼と墓地妨害がそれぞれ鬱陶しい」くらいの印象である。阿含と峨王が同じチームにいるようなものだ。
瀧くん三葉のような運命の出会いは、そう簡単に訪れるはずはない。
デッキビルドの先にはやはり「デッキができない」が待ち受けていた。

出会いは足で探すしかない、電車に乗って秋葉原まで探しに行くかと迷走していた矢先、過去の文献に「それ」はあった。

カードの単体の性能に「A」という不足があるとき、プレイヤーは「『A』がないから弱い」と考えがちだ。
だが、デッキビルダーは違う。
「このカードが『A』を持ったら最強だから、『A』を持たせるデッキを作ればいい。」
だらだらクソデッキ vol.9 -ジャイアンツ-  より

つまり、そういうことである。

妖眼の相剣師は
「打ちどころに打たざるを得ないから弱い」
「ドロ―効果を使うと妨害が出来ないから弱い」

これを妖眼に当てはめるのであれば、

「妖眼の効果を使った後に相手が動かなければ最強」

かつてゼウスを目指したデッキビルダーの至言が、赤き組紐となって二枚のカードを結びつけた。

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そう、三葉は田舎の山奥(エクストラデッキ)にいた。
いずれくる瀧くんとの出会いに備え、山奥で巫女の修行をし、環境を荒らし、そして遂に瀧くんと結ばれる時がきた。

ダメ押しと言わんばかりに「君の名は。」を彷彿とさせるカードが加わる。

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この符号。
妖眼・ミドラーシュ・ニビルの三枚が全て特殊召喚に関する効果であることから、このデッキが生まれるのは必然だったと言っても過言ではない。

こうして「相手の特殊召喚に合わせてミドラーシュと妖眼を揃えてドローか破壊効果だけまんまと掠め取ろう」デッキが、都会に繰り出していった。

構築編

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そして秒で迷子になった。

「シナジーある」カードを寄せ集めた結果としてお嬢様の手料理(意:材料だけは良かった)が爆誕、お察しの通り一切回らず1×5=1のような手札を抱えながら爆死を繰り返した。
特にシルクハットとキャッチコピーが酷く、後手を取った上に相手に更にターンの猶予を与えるので線路を全力疾走する方がまだ生存確率が高い有様。

しかしこの大量犠牲全部俺のような時間からも学ぶものはあった。
簡単に言えば「パズルのピースを無理やりくっつけるのはやめましょう」という幼稚園児のような内容なのだが、それでも捏ね続けた粘土はオブジェのような何かを形成するまでに至った。

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そして隕石が(デッキから)落ちていった。影依融合の条件満たせないし。

結局シナジーあるカード枠代表の墓穴が入っているのだが、そもそも運命の相手がそう何人もいるなんてことがあるわけあるのだ。

妖眼関係
妖眼の相剣師、マジシャンズソウルズ、ヴェーラー、巨神封じの矢、セレーネ、ハリファイバー

基本はセレーネからの出力。巨神封じの矢がこのデッキの奥寺先輩で、普通に撃ってもよく、墓地にある場合はアポロウーサのようなカードが出てきた時でも妖眼→巨神とチェーンを組むことで妖眼の効果を通せる。
墓地にある時点で相手が警戒するためこのパターンはほぼ無いが、墓地にあるだけで妖眼の拘束力が上がる点が評価が高い。

シャドール関係
ビースト、ドラゴン、ウェンディ、ヘッジホッグ、ファルコン、ロンファ、捕食二種、影依融合、ルーク、インカーネーション、ネフィリム、アプカローネ、ミドラーシュ、オクトバイパス、アナコンダ

シャドールの枚数は未だである。相手がエクストラから特殊召喚していなくても捕食スタートでデッキ融合できるようオクトバイパスを採用。中盤~終盤で普通に置いておいてもミドラーシュが戦闘破壊出来なくなるのが偉い。

大型関係
エルドリッチ、アルファ、ビッグフット、ライゴウ、ディンギルス、バロネス

ミドラーシュとの兼ね合いから一手で出せる高打点としてエルド・アルファ・ビッグフットを採用。インカーネーションで裏守備にしてアルファ召喚や、アプカローネやビーストでビッグフット捨てて破壊効果を使うなどシャドール組との相性を(多少)意識。これ机上の空論じゃないか?
バロネスは妖眼かネフィリム+ファルコンで出力。破壊効果と妨害を使い、相手ターンで妖眼にシフト。セレーネを維持出来ればファルコン蘇生からおかわり。

サモンブレーカー関係
サモンブレーカー、テラフォーミング、メタバース、一撃離脱、チャクチャルア

第二のミドラーシュとしてサモンブレーカーを採用。
ミドラーシュと役割被ると思いきや、サモンブレーカーを避けるためメイン2展開しようとすると後出しミドラーシュが殴れず詰む(はず)
それ机上の空論じゃないか?

その他
墓穴、貪欲、戦線復帰、簡易融合、オールヴェイン、サウサク

なんか相性良さげで強そうなカードを採用。

調整途中で消えていったカードたち
守護神官マナ、サイレントブーツ、霧剣、ライザー、還零トリシュ、シルクハット、Z-ONE、キャッチコピー、ラスティバルディッシュ

後手を取る関係で展開札を呼ぶのに更にターンを要するカードや、相性良いからって安直に入れてたカード群、あといくら回しても使わないカードが抜ける形に。

都会編

クソデッキ、都会のオシャレなリモートに繰り出す。

◆vs【LLラグナゼロ】
・1戦目 黒庭+ラグナゼロ構えられるが親方! デッキからドラゴンが! で荒らして瀧くん! 三葉! で勝ち。
・2戦目 ミドラーシュ出したら相手の展開力がグランドエスケープした。

◯◯

◆vs 【六花ジェネレイド】
・1戦目 意気揚々と出てきたネフィリムが奈落に落ちて意気消沈して負け。
・2戦目 プレミでターン跨いだら前のターン伏せられた泡影が黄金の輝き放って負け。

✕✕

◆vs 【焔聖騎士HERO】
・1戦目 ハチャメチャ耐性Bloo-D処理出来ずに負け。
・2戦目 ハチャメチャ耐性Bloo-D処理出来ずに負け。

✕✕


反省編

崖、登れず。

後手を取った挙げ句にやることが「ネフィリム出してなんかいい感じに場を整えてエンド」なので強いはずがなかった。まあ君の名は。も二人が出会うの相当後の方だったし、ある意味原作再現と言えなくもない(?)

とは言えコンセプト的には悪くなかったので、初動と捲り性能を意識しつつ今後もしばらく使う予定。
最後に現在のデッキを載せて締めることとする。

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追加したカード
シャドール・ハウンド、混沌の創世神、夢幻泡影、成金ゴブリン

後攻1ターン目で握っても使い勝手の良い泡影、魔力カウンターかさ増しの成金、コンセプト遂行のためハウンドを追加。増殖するGなども試したがエクストラから出す前に展開を止められてしまうためボツ。
成金3枚で初手のヴェ泡率が3%下がるらしいが引けない時は引けないので割り切り。

妖眼の「置いておけば安定して60点は出せるが、80点は超えない」という評価に一つの回答は出せた(気がする)ものの、デッキがあまり強くないという点と、

シャドール要素だけで割と勝てそう

という途方も無い崖にぶち当たったため晴れてクソデッキへ(?)

また次回!

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