英国議会の今週の要約(の予定)の和訳 2019/09/03-05の前書き

 今週は、Summer Recessが開けるわけですが、BBCのMarc D'arcy氏が毎週記事にしている、”Week ahead in Parliament"の和訳を掲載しようと思う。
・・・BBC、ごめんちゃい。お許しください。

 シートベルトをお締めください。飛行中は大変揺れる予定です。この、今週の見通しは普段は貴族院、庶民院、委員会の発行した工程表に基づいている。あちこちに詳細な予定が書かれている一方、予定のたいていのものは、通常の議会の運営の通り、廃棄されるのは確実であろう。Brexitによって。

現時点で、たいていの人がこうなるであろうと合意されている内容(訳者中:割愛した、日々の予定の要約には)は織り込まれていない。

9/3水曜日、前大臣のOliver LetwinとYvette Cooper議員あたりの反合意なし/残留派議員がStanding Order 24に基づき、Emergency Debateを申請し、議長は当該議論を行うことを承認した。この日にはさらなる議論が容認されることになるであろう。

同様に重要なのが、議長はたいていは中立的で、修正が行われない動議についても承認した。大多数を取れれば、これは超党派議員にBrexitを延期する法案を通してぶつかり合う機会を与えることになり、もし彼らがOrder paperに従うのであれば、より多くの庶民院での審議の日々を取ることができる。

9/4 水曜日、(訳者注:庶民院は)提案された議案をすべて委員会段階へもっていくであろう。そうすれば、貴族院で9/5木曜日に審議することが可能である。これらにはフィリバスターをたたくためのさらなる時間が必要かもしれない。貴族院は圧倒的に残留支持派が多いが、これらの議論は庶民院での方法とは異なる方法で決定されているからである。

徹夜国会?

わずかな数の貴族院議員は法案の決定的な時間を遅らせられるほどの長さの演説を準備している。ここでレア決議である「The Noble Lord be no longer heard」が発動すればフィリバスターを阻止することができる。けれども、個別の議員に対する個別の投票が必要とされ、これに15分~20分かかる。

反対党の貴族院議員はすでに必要があれば夜越しの審議の準備をしており、労働党の貴族院議員は水木金と三本線の党議拘束をかける準備をしている。週末の審議との話も出ている。(訳者注:英国は党議拘束といっても、レベルがあり、三本線は必ず出なければならない。一本や二本もある。)

重要なのは、首相が月曜日から議会を閉会する力をふるおうとしている現在、法案が法として成立するには閉会前にRoyal Assentを得る必要があるということである。

よって、効果的な遅延措置が行われれば、Letwin-Cooper連合にとって、音楽が止まった時に足元を取られてしまうことになる。

カギとなるのは、法案が貴族院で修正されたときである。これは、法案の技術的問題もありうるし、敵対的な行動によるものもありうる。これらがもし起こった場合、法案は庶民院へ戻され、庶民院議員は9日月曜日にこれらを承認するが、首相がこれらのチャンス以前に閉会を行うことを許すこととなる。

よって、この方法では、数多くの不確定な要素があり、そのどれもが足をすくう可能性がある。庶民院で最初に多数をとれるか、また後半で分裂騒ぎが起きるかもしれない。

保守党の反乱者、労働党の離脱支持者、独立した議員は明らかに強大な圧力がかかることになる。貴族院で抵抗が成功したり、法案に思いがけないことが起きたり、物事がややこしくなったりする。(訳者注:独立した議員:労働党/保守党から最近離脱し、独立議員のグループを作った議員集団。)

結局、政府の院内総務と議会のマネージャーは夏季休会中、反対派に対する策略をめぐらし、政府が持つ政治的システムのすべてを利用してきたことになる。

これは、May政権に対してBrexit延期のための最後の法案を用意していた貴族院に対して特に重要であるJohnson政権はおそらく、徹底的にこれらと戦うこととなる。これは議会議事手続きオタクにとって、クリケットファンにとってのHeadingley Test matchのようなもので、極端で、苦痛を伴うきわどい戦いとなる。

一つのありうる可能性としては、来週(?)政府のSpending reviewが阻止されることがありうる。

そして、さらに重要なのが、政府の発表のパッケージで、女王によって認可された一番最後の日に閉会が行われることである。

しかしまあ、これが私の今週の(予定されていた)要約である。

(以下、各日付ごとの要約。割愛)

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