ネットで検索するだけだと頭が悪くなる話 2020/06/13

 ここ最近、SNSで同じアカウント内で30分以内に平気で矛盾したことを書き込む/RTする人間やら、ひどいものだと同じTweet内で矛盾したことを書き込む人間が出てくる始末なので、一応考察しておく。

 昔、インターネットの検索サイトというのは二種類あった。

 まず、Googleをはじめとする、単語を入力すればその単語が使われているサイトを探し出し、その中で何等かルールに従って検索結果を表示するサイト。

 もう一つが、サイトに目次があり、例えば「雑草の抜き方」を調べたい場合は、国語辞典を引くように「自然」カテゴリーから「草花」を選んで、その中で「雑草」を選ぶようなサイト。

 後者は昔のYahooがこのシステムで、もちろんカテゴリーの中から最後は単語で検索する場合もあるが、そもそも検索サイトがある程度まではサイトを選んでるのと、そのころは似たようなサイトはサイト管理人が「相互リンク」を結んでて(今のサイトはアフリエイトで金を稼ぐためだけに存在してるので、同じ内容を書くサイトはただの敵だが、昔は同じ内容を書いてるサイトは同じ趣味の同志だったので、お互い仲良く・・・とまで言うかわからないが、リンクぐらいは貼ってた。ちなみに同盟もあった)、あるサイトに書いてなかったら、リンク集からよそのサイトを見に行けばよいし、リンク集には「このサイトはどういうことに強い」とか書いてあるので、そこから調べに行けばよかった。

 後者は2010年あたりまでには完全敗北してしまって、今の単語で検索するだけのサイトしか残ってない。

 インターネット黎明期は、未来にあふれていた(笑)ので、情報技術(つまり検索技術のこと)が進めば、自分が知識を持つ必要がなく、わからないことがあればネットで検索をすればよいという、バラ色未来が描かれていた。

 が、2020年。検索技術はかなり進んだ。が、出てくるのはゴミばかり。そして、さらに悪いことが起きている。それが、一番上にあげたことでといえる。

 検索をする。検索だけじゃなくて、SNSで流れてきた情報でもよい。検索結果だから、それが正しいと思う。SNSで付き合いのある誰それが流れてきたから正しい情報だと思ってRTする。SNSの時代なので、その人が何を検索したかとか、何がSNSで流れてきたかとかがわかる。その情報は最初は自分が知らない情報だったが、知ったらそれは自分の知識(のようなもの)になるはずである。

 これが、一度ならまあよいのだが、複数回、とくにSNSももう10年近く歴史があるので、人生の一部になってしまったら、重大な問題が発生する。どこかネットで流れてきた情報が、お互いに矛盾し始めるのだ。ある話題においては、例えば公務員を増やせやら給料増やせというのをRTして、またある時は公務員がサボってるやら、公務員を減らせとか言い始めてしまう。

 で、それが染みついてしまったら、なんか・・・やっぱり頭悪くなるんじゃないだろうか。自分で情報を咀嚼(分析)出来てない。あっちではこういって、こっちではああいうだと、単に世の中の流れに流されてるだけだが、本人は情報を分析できてると思ってる異常者の誕生みたいな、そんなアレがある。

 で、本人だけがそうならよいけど、SNSみたいなのでそういうのが大量発生したら、はっきり言ってポピュリズムというか衆愚政治だよね。昼間のワイドショーが主な情報源の、テレビでやってる意見に流されるおばちゃん層より、SNSのほうがよほどたちが悪いだろね。なんせ、ついったー等のSNSは、ワイドショーの内容より自分のほうが正しい情報も集まってると思ってるどころか、複数の情報から物を判断してると思ってるわけだから。実際は単なる異常者なだけだけど。

 情報が体系だってないので、矛盾に気が付けないし、矛盾に気が付けないという事は、つまり物を分析できてないってことだろう。

 矛盾しないためには、情報を分析しないといけないが、情報が体系だってないと分析できないし、つまるところネットで探し出した情報ではなく自分の手持ちの情報で勝負するしかないってことだろう。

 まあ、はい。

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