スラム奏法を駆使してアコースティックベースで弾き語る人間

題名の通りである。
そろそろこの"アコベ叩き語り"スタイルで活動を始めてから2年が経過する。
そこで得たこの奏法に関する知識や発見をここに記していけたらと思う。
(需要が全く無いであろう)教則本+体験談のように思ってくれればいい。

まず、この表現方法に辿り着く人間(スラム奏法をベースで行って歌おうという人)は音楽的ド変態しかいないとぼくは確信している。

辿り着くと書いたのは最初からこのスタイルで音楽活動しようとする人はいないだろうからだ。
現にぼく自身、高校を卒業してから都内ライブハウスを中心に10年ほどバンドでベーシストとして活動してきた。信じられないだろうがUKFC新木場コースト公演に2014年出演している。
その中で常に自分にしか出来ないもの、最も自分に適した表現方法を探してきた。
同時に音楽の知識も溜まっていき、ある日全てが線で繋がったのだ。
その結果がルーパーを使わないアコベ叩き語りである。

しかしぼくはこの奏法を全くおすすめしない。
やるならギターでやった方がいい。
自分の中でこれだ!!と確信を持ててないのなら100%挫折するし、時間の無駄になる。
やってみると分かるのだが、ベースという楽器は他の楽器を接着剤のように繋げることが主な役割でアンサンブルで力を発揮する。
ベースのみのソロがいかに滑稽で理に適ってないのかを痛いほど痛感する。
自分の音楽人としての才能の無さをはっきりと見ることになる。
前置きが長くなって申し訳ない。

1.機材

(1)本体

条件
1.ミディアムスケール以上
2.合板
3.弦高調整機能

まずアコースティックベース事態の需要の無さに直面する。
おもちゃのようなベースか、数十万の趣味性が高いものしか見当たらない。
唯一使えるのがwarwickのものだと思う(他にも2,3あるかもしれない)

条件の1だがエレキベースを弾いていれば分かると思うが、ベースのローは楽器のスケールが短いとボヤける。
なのでミディアムスケール以上は欲しい。

次に2に関しては単純に割れ辛くなる。
そして合板によるベースの生音の質は全く心配する必要がない。
何故ならアコースティックベースの音は驚くほどローを纏っていてライブではカットしなければほぼ100%ハウる。
そしてピックアップとも関係してくるが、打撃音をリアルに聞かすための内臓コンデーサーマイクはものすごくハウリングに弱い。
以上の点から合板一択。
ライブを行わない、もしくはマイクを立てて小音量のライブを想定しているのなら単板もありだろう。

3はスラム奏法をするにあたって弦高を下げる必要が出てくるからだ。
ベースの弦は太く最小限の力で鳴るようにセッティングしなければ左手だけで複雑なフレーズが弾けなくなってしまう。

(2)ピックアップ

1.マグネティック
2.コンタクトピエゾ
3.内臓コンデンサーマイク

ライブハウスや大きな会場である程度音量を出して音楽的に聴かすためには上の3つの組み合わせが最も効率がいい。
重要なのはベース音とボディヒット音を分けて出力すること。
これが出来ないとリバーブが全体に掛かってしまって丁度いい音響を演出することが不可能になってしまう。

故に1は必須。これによって歪ませることも可能になる。そしてバンドで培ったベースの音作りの感覚も生きてくる。
色々なピックアップがあるが重要なのは和音が濁らないものを選択すること。
ベースの和音はローの量が凄まじく音程も低いところでしかも近いので簡単に音では無い何かになってしまう。


2はベース音を拾う事が目的では無くボディヒット音を拾うようにいつも叩く箇所に設置する。3点がベスト。

3はアコースティックベースならではの自然なローとリアルなアタック音をプラス出来る。これが無いとアコースティックの綺麗な音色が拾い辛く、チープなで音になってしまう。
ブレンド機能は必須。無いとハウリングして使いものに鳴らないし、マイクの音が大き過ぎると逆に中身のないチープな音に感じてしまう。

(3)エフェクター

これは好みなのだか、ハウリングする帯域をカット出来るアコースティック用のd.iがあると非常に便利である。
あとは表現したいことによって如何様にも変わってくるのでここでは触れない。
ぼくはd.iを2つとリバーブ、歪みの計4つを使用している。

機材に関して以上である。
1番の問題はやはりピックアップでこの組み合わせになるまで色々と試行錯誤した。
そしてスラム奏法用のアコベなど売っていないので、改造は必須になる。
それでやっと普通にライブをすることが出来るようになる。


活動の最初約1年、ぼくはマイクとアンダーバータイプのピエゾでライブを行っていたが、理想と音がかけ離れていてただのゲテモノと化していた。
曲もとにかく既存の邦楽とは違うこのスタイルでしか出来ないものをやろうとしていた(今も変わっていない)。
ただただ先人の音楽をもじっただけのロック擬きオルタナ擬きに1発食らわせたかった。

特にオルタナティブはその他のという意味で既存には属さない新たな可能性を切り開く音楽であるはずなのに、
それを行った先人を真似してオルタナと名乗っているのがチャンチャラ可笑しく、何1つ先人の意志を継いでいない、理解していない、そんな奴らに音楽で示したかった。
同じものに共感出来るが故に衝撃を与えて火を付けたかった。

そんな偏った考えを持つぼくです。
自分のnoteへの情熱が消えないことを願って今回は終わります。

・告知
2021-4-12 吉祥寺nepoにてライブございます。

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