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正しく見えた未来~取り残された人々02

ワクチンの効能は、重症化予防だったり、死亡リスク低減だったりするわけだ。

それってのはよぉ、発症した本人に与える影響だろう?

つまり、ワクチン接種証明書ってのは、「対象の感染症によっての重症化しにくい人」だったり「対象の感染症によっての死亡しにくい人」ってのを証明してるわけだ。

例えば、運転手だとか肉体労働者なら、そういう証明ってのが嬉しいこともあるだろう。

雇う側も明日突然来れなくなるよりは来れそうだってわかるし、感染症起因の事故を起こしにくくなるって考えることが可能だからな。

だが、例えば、オフィスワーカーだとかはどうだ?

1~2日突然来なくても仕事なんて回るだろ?

誰に対する何を保証するもんなんかねぇって思うわけよ。

たしか、最初の頃は感染を抑える効果があるみたいな広告を流していたりしてたんだが、そういう効果があるなら証明書の効果もあるんだろう。

だがなぁ・・・そうじゃないんだってのが分かって、徐々にやる人が減って・・・

そんなものの証明なんて、なんのためにあるんだろうってな。

そうこうしてるうちに、その証明書を持ってるかどうかでふるいにかけられていったんだ・・・。

これは何のふるいかって考えてみてほしいんだ。

俺はこう思うね・・・

国の言うことを聞いた良い子ちゃんと、そうでない悪党だってな。

もちろん、俺は悪党の方だがな。

それまでせっせと汗水垂らして働いてよぉ・・・

少ない賃金から税金を納めてよぉ・・・

医療が逼迫したっていうから、高熱出ても自力で治してたんだ・・・

そうしたら、ある日突然、証明書がないと雇用契約を続けられないようお達しが出ちまって・・・

月の中半(よみ:なかば)だったんだが、その月の給料は払えないってよ。

労働基準法に違反してるってのに、労働基準監督署に相談してみても、接種記録のない者の相談は法律で禁止されているって言われたわけよ。

しかたないから、とりあえず口座から金を下ろして凌ごうと思ったんだが、差し押さえられていてなぁ・・・

接種記録無いだけでそんな酷いことされるのかと思って、銀行に問い合わせたら、接種記録の話だけじゃなかったってことよ。

あんたの持ってるそのカード自体の話に及んでいたわけだ。

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