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SHDOWTIMES 2014/04/08特別号Vol.1

「台湾で何が起きているのか」Post.1 港千尋

台湾の立法院を学生たちが占拠して3週間がたとうとしている。国の最高立法機関、つまり日本でいえば国会議事堂が長期間にわたりバリケードで封鎖されているという、非常事態だ。だが去る30日に開かれた大規模なデモも含めて、日本から数時間の国で何か重大なことが起きているにもかかわらず、マスコミの報道は十分とは思えない。今回shadowtimesの特別版としてお送りするのは、特に占拠されている立法院の内部から見た運動全体の様子である。

「立法院は日本の国会にあたる立法の最高機関。議事場の議員席側から見たところ。議長席の上には国父、孫文の肖像画が掲げられている。」

ことの発端は、昨年6月に台湾と中国が締結した「サービス貿易協定」である。医療や金融などサービス業を中心にお互いの市場を開放する協定だが、十分な説明のないままに締結されたとして、これに反対する学生が反対運動を起こした。
学生らは締結の見直しと情報開示を求めたが、現政権の馬総統が23日の記者会見でこれを一蹴したことから、学生らの怒りが爆発。24日未明に行政院に侵入した学生たちを数千人の警官を投入し強制排除、その際に多くの逮捕者やけが人が出たことから、台湾全体で現政権に対する不信感が決定的となり、反対に立法院を占拠している学生への支援が増大することになった。

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