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SHADOWTIMES 2013/01/17 Vol.9

《shadowtimes》 Post.5
「オート三輪に乗って」港千尋

前回、勝又さんが書いていた谷保天神はすこし懐かしい。高校の頃、国立に近かったので谷保の駅を利用するときなど、立ち寄ることもあった。その谷保天神をとおして、甲州街道の歴史が意外にも自家用車の歴史と結びついていることを知って驚いた。というわけで、今回は車つながりの話である。

12月にインドを訪れた。10年ぶりなので、さぞ大きく変わっているだろうと予想はしたが、思ったほどではなかった。ニューデリーに5日いただけだから、成長めざましい大国の変化など分かるわけもないのだが、特有の匂いのする大気汚染と朝晩のラッシュ時に起きる渋滞は、解消されるどころか深刻化しているようにも見えた。

新しい地下鉄が開通していたが、駅周辺には相変わらずオート三輪のタクシー、いわゆるオートリクショーが列をなしている。形もメーターの位置も、黄色と緑の色も、すべてそのままに縦横無尽に走っている。このオート三輪に乗りながら、その独特の加速具合と臨機応変に方向を変える動きの妙に、思ったほど変わっていないと感じたのだ。

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