_ソラトノカイワ_

ボイスドラマ「ソラトノカイワ」

影鴉
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男:影鴉
女:ゆうさ
オペレーター:ゆう 
MIX 影鴉 BGM:http://dova-s.jp/
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「ソラトノカイワ」

夜空を眺めながら見晴らしの良い所まで電子端末を片手に彼女は走った。

女:「さむぅ・・・。ふう・・・。」

女:「ん~・・・流れ星が・・邪魔で・・・あ!あれかな?」

そこに着信音が響く。

女:「ん!?もぉお・・。」

Skypeには彼のアカウントの表示がでている

女:「はいはい・・・ちょっとまってて・・。はい、こんばんわ」

彼女は笑顔で画面をタップすると端末に浮かび上がった、ホログラムの彼が現れた。

男:「えー、こちらステーションエア005・・感度は良好でしょうか?」

女:「もお、もうすこしで貴方の衛星を肉眼で見れそうだったのに!!」

男:「ああ・・感度はいかがですかぁ?おかしいな・・故障かぁ?」

女:「その猿芝居みるの飽きたんですけど・・・。」

男:「なんだ・・また俺を見つけられなかったかw」

女:「あと一歩っていうところでいつも先に貴方が通話かけてくるんだもん!!」

男:「ははは、そっか!お!!そっちは寒そうだねw」

女:「知ってるくせに!!こっちは真冬ですぅ!!今日、空が晴れてたから外に出てきたの!!)」

男:「あぁ、そうだったのか・・わざわざそこまでしなくてもいいのに・・・」

女:「いいじゃない!!好きにさせてもうわ!!」

男:「まあ、テキストではやり取りしてるけど・・久々に声と映像でみると嬉しくなるね♪」

女:「でも・・ホログラムじゃなく・・・本物がいい・・・。」

男:「贅沢いうなよぉwなかなかこうして通話だって難しいんだぞ?うまい具合に空が晴れてないと地上からの電波をジャック出来ないんだから!!」

女:「え?ジャック?」

男:「あ、いや・・・あまり褒められたことではないからな・・あ、それにここまでどんだけ離れてるって思ってるんだよ(苦笑)」

女:「そかな?そんなに離れてる?だって肉眼でも衛星確認できるよ?」

男:「あのなぁ、それはこの人工衛星が宇宙空間上で太陽の光に反射して少しだけの間その光が地上で見えてるだけだw」

女:「ふうぅん」

男:「わかってないだろ?」

女:「だって見えてるのは貴方の衛星から出てる光なわけでしょ?間違ってないじゃない!!」

男:「いや、距離の話をだな・・・。」

そこへ二人を割りこむようにして通信が入る。

オペ:「お楽しみの所悪いんだけど・・・。もういいかしら?」
    Um..Sorry to interrupt your fun time guys but ...Are you done?

女:「・・・あっ」

彼女は驚き静かにやり過ごそうとする・・。

男:「おい、ちょっとまってくれよ!!久しぶりの彼女との会話なんだぜ?もうすこしいいだろ?」
   Hey,come on! I haven't talked to her in a long time.  Just a little longer?


オペ:「レーダーに反応があったわ。近くに廃棄された衛星の残骸があるみたい。」
    According to the radar, we're approaching satellite debris.

男:「マジかよ・・・。」
   Seriously? Oh,crap.

オペ:「電波ジャックは目つぶってあげてるんだから感謝なさいよ。それにどうせデブリが近づけば電波も届かなくなるわ。」
    I won't tell anyone about your call but if we get too close to the debris, you won't even be able to text .

男:「はぁ・・了解。」
   OK..fine.

オペ:「残り時間を楽しんで♪あ、そうそうヤラシイことはしないでね。わかっちゃうから・・。」
    Well then enjoy the rest of your time. Mind you, I can hear everything you say even the naughty bits.

男:「うるさいw」
   Oh, be quiet

・通信が切れる
        
女:「だ、大丈夫?バレちゃった?」

男:「いや?特に問題ないw」

女:「そう・・ハックシュン!!」

男:「おい・・無理すんなよ(苦笑)」

女:「ズズー(鼻をすする)ふう・・大丈夫よ!!」

男:「鼻でてんじゃんかよ!!早く部屋にもどれって!!」

女:「嫌!」

男:「え?」

女:「いやだ!!」

男:「我慢強い女w」

女:「そうよ!!だってアタシはいつ帰ってくるか解んないオトコを待つ強い女だもん!」

男:「・・・そうだったな。」

女:「今度はいつ戻れそうなの?」

男:「あと3ヶ月かな?そしたら地上でうんと甘やかしてやるから・・・待ってろ・・。」

女:「・・・うん。」

そこへデブリの残骸の一部が彼のユニットにコツンとあたり、船内に警報ブザーが流れだす。

男:「あ!」

女:「どうしたの?」

男:「いや、近くにデブリがあるんだよ。廃棄されたスパイ衛星が近くにあるのかも・・。」

女:「デブリって宇宙ゴミの?」

男:「ああ、そうさ・・。ひと昔前のスパイ衛星でも地上からのレーダーでは確認できないのがあってね。規模は小さいけど・・。そいつらは
   俺たちみたいな宇宙空間いる衛星から飛ばす対物レーダーでしか見つけることが出来ないのさ。」

女:「そうなんだね・・・。それを見つけるのが仕事だもんね。」

男:「まあね・・。あああ、そろそろ でん ぱ が届かなくなりそう。」

女:「え!?もう!?」

男:「はははは(汗)」

女:「むうぅうう!!!じゃあ、最後に・・・。逢いたいよお・・アイシテル」

男:「ああ・・俺も・・アイs・・・。」

虚しくもSkypeが落ちる

女:「ええええええ!!!そんなああ!!もうちょっとぉお!!!」

Skype画面には『俺も愛してるよ・・待ってて。』

女:「もお・・・バカ!!」

彼は溜息をついて背もたれに寄りかかった。

男:「ふう・・・なんとか間に合ったかな・・・。」

オペ:「おめでとう♪」
    congratulations♪

男:「うるさいって!!仕事仕事!!」
   Yeah, whatever. Let's get back to work!

地上で夜空を眺める彼女・・・。ようやく彼の衛星を見つけて消えかける光に語りかける。

女:「早く降りてこい!!」

そこには空を見上げる優しい笑顔があった。

夜空が白々と明るくなっていく・・・。

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