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創作『かざぐるま』

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2人の大学院生をめぐる、喪失と修復のモラトリアムドラマ 某大学院臨床心理学専攻に通う、颯太と春稀をめぐるお話です。 本作品はフィクションであり、実在の人物等とは一切関係ありま… もっと読む
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記事一覧

創作『かざぐるま』[最終話]

[最終話]颯太と春稀作者注)本話は性的な表現を含みますので、ご注意お願いします。  X+2…

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第19話]

[第19話]DD:25歳 女性  X+2年3月の土曜日の午後。私は1人、院生室にいた。自分の席に…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第18話]

[第18話]颯太颯太:24歳 男性  X+1年10月。深夜。公園。俺と春稀は目立たない植え込み…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第17話]

[第17話]春稀作者注)本話は性的な表現を含みますので、ご注意お願いします。 春稀:23歳 …

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第16話]

[第16話]CC:23歳 女性 大学院2年生  X+1年4月初め、もうすぐ13時になる。今日は入学…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第15話]

[第15話]颯太 X+1年1月。午後。俺は春稀の姉さんをアパートの外で見送り、彼女の車が見え…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第14話]

[第14話]颯太   春稀へ。  これを渡す頃には、文字も読めるくらい回復していると祈って、書きます。もしも…もう読めないとしても、春稀に伝えたいことを書くので、受け取ってほしいです。自分勝手で、ごめん。  まず、春稀に、何もしてあげられなくて、SOSを出していたことに気づいていたのに…何もできなくて、本当にごめんなさい。俺は逃げていました。もっと春稀に寄り添っていれば、と後悔しています。春稀のことを突き放した最低な自分が、憎いです。でもこれは今だから言えるのであって…

創作『かざぐるま』[第13話]

[第13話]春稀 空っぽの教室。僕は一番後ろの席に座っている。自分以外誰もいないので、世界…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第12話]

[第12話]AA:23歳 女性  X年12月、院生室。今年の授業はすべて終わり、もう冬休みに入っ…

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第11話]

[第11話]颯太作者注)本話は性暴力表現およびショッキングな表現を含みます。 フラッシュバ…

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第10話]

[第10話]春稀作者注)本話は性的な表現を含みますので、ご注意お願いします。  X年11月。…

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第9話]

[第9話]颯太作者注)本話は性的な表現を含みますので、ご注意お願いします。  X年11月。夜…

恵夢/M
1年前
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創作『かざぐるま』[第8話]

[第8話]D X年10月の土曜日の夕方。今日は朝から、ロールシャッハ・テストの集中講義があっ…

恵夢/M
1年前

創作『かざぐるま』[第7話]

[第7話]ユキユキ:16歳 男性 無職  春稀の交代人格   X年10月。深夜。俺はK駅前の広場にいる。もうすぐ日が変わるというのに、この街には眠りという概念がまったくない。駅直結のビルは灯りが消えているところもあるが、広場周辺はまだまだ元気な人の声でがやがやしている。路上ライブをしている人がぽつぽついて、その演奏を聴いている人たちが囲んでいる。こんな夜遅くまで熱心な奴らがいるもんだなと、俺はペデストリアンデッキの手すりにもたれかかりながら、遠目で見ている。ふと煙草が吸い