選出画面の読み合いで不利になりにくい構築の作り方

どうも!
灼熱ふれあ(Twitter@Shacu_Flare)です。

今回は選出画面の読み合いで不利になりにくい構築の作り方について、自分の考えを言語化したくなったので、記事を書いてみました。
自分自身のために書いたものですが、誰かの参考になれば幸いです。

【選出画面の読み合いで不利な状況とは?】

選出って、相手のパーティ6体の中で誰を出されても安定して戦えるようにすることが基本のはずですが、実際に対戦数を重ねてみると、6体全員に対して安定を取ることが困難な時って絶対あると思うんですよね。
構築の相性とかもありますし、そもそも自分側3体で相手側6体全員を見ようとする以上、どうしても限界があります。
このように6体全員に対して安定する選出ができない場合、選出画面での読み合いを強いられるわけですが、安定を取れない以上、どうしてもこちらが不利な読み合いになってしまいます。
例えば「ポケモンAを出されるときついからAに対抗手段を持てる選出をしたい。でも、それをやるとポケモンBへの対抗手段が疎かになるんだよなあ。これ選出どうすればいいんだ!?」といった状況ですね。皆さん一度は経験あると思います。

【どうして選出画面の読み合いで不利になるの?】

これはあくまでも自分の考えですが、以下のような原因で不利になるんじゃないかなと思っています。

①そもそも使っている構築が穴だらけで弱い
②構築自体は弱くないものの、現環境に合っていない
③運悪く、やたら偏った構築とマッチングしてしまった
④選出画面でお互いに見える役割関係だけで勝負しようとしている


こんなところですかね。

もしもほとんどの試合で安定した選出ができないのであれば、①か②のパターンに当てはまるんじゃないでしょうか?
①か②どっちなのかという判断は難しそうですが、もし以前から同じ構築を使い続けていて「少し前までは勝率よかったのに最近勝てないなあ」と感じるようであれば②だと思います。どちらにせよ、構築を組みなおしたほうがよさそうです。

③はランク帯、順位帯が低いとこういうことが起きやすい気がします。偏った構築を使っている本人は勝率が悪いためにランクや順位が低いものの、逆にその偏りがこちらに対してぶっ刺さっているという状況です。
自分が高い順位帯かつこうなる頻度が少なければあまり気にしなくていいと思いますが、低い順位帯で頻発するようであれば、順位が上がるまでは一時的に別の構築を使ったほうがいいかもしれません。この場合、ある意味②に近いかもしれませんね。

④については、次の項目で詳しく説明しようと思います。

選出画面でお互いに見える役割関係だけで勝負しようとしているってどういうこと?

「選出画面でお互いに見える役割関係だけで勝負しようとしているってどういうことだ?」と思った人もいると思います。
実は筆者としても説明が難しいなと感じているところですし、難しいからこそ言語化して自分の考えを整理したいと思い、この記事を書いた次第です。

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ところで皆さん、選出画面で相手のパーティがこれだったらどう思います?
実はこれ、筆者がS13で使っていた構築なのですが、6体全員の型が不明であると仮定して考えてみてください。

・初手ガブリアスでステルスロックを撒いてからラプラス、ライコウ、ファイヤーのダイマを通してミミッキュで詰めるという対面構築かな?
・初手ダイマ+ミミッキュ+誰かで詰めるという対面構築かな?
・とりあえずランドロス投げとけば勝てそうだな
・トリックルーム+ドサイドンで楽に勝てそう

とりあえず、上記はTwitterでいただいた意見と自分の視点での考えを挙げてみたものですが、今この記事を読んでいる皆さんもこんな感じのことを思ったんじゃないでしょうか。
しかし、実際のところは、ガブリアスはステロ撒き要員ではありませんし「初手ダイマ+ミミッキュ+誰か」というのはある意味当てはまっていますが、ミミッキュは一つも攻撃技を持っていませんのでちょっと違います。
ランドロス、トリックルーム+ドサイドンに関しては、ミミッキュの後攻の尻尾トリック→鬼火(できれば)からの鉄壁瞑想テテフで起点にできます。
他にもいろいろ勝ち筋がありますが、今挙げたものは相手視点では読めないはずですし、決まれば相手の想定を覆して勝つことができます。

どうしてさっき挙げた4つのイメージと実際の結果がこんなにも食い違っているのかと言うと、それはこの構築が選出画面でお互いに見える役割関係だけで勝負しようとせず、相手視点では見えにくい部分でも勝負しているからです。

相手視点では見えにくい部分で勝負するって?

「これってどういうこと?」と思った人もいると思います。
「相手視点では見えにくい部分で勝負する」とは言っても、変態型を使って相手の意表を突けばいいという話ではないです。
「でも、筆者の構築は変態型が多いじゃん!」というツッコミはやめてください。

それで結果を出せるのであれば変態型で意表を突いてもOKですが、そんなことをせずとも相手視点では見えにくい部分で勝負することができます。
これについての説明が難しいので、わかりやすいんじゃないかと思う例を挙げますね。

《例》
自分:呑気HBナットレイ@たべのこし やどりぎのタネ、まもる搭載
相手:意地AB252カビゴン@チョッキ 空元気、ヒートスタンプ搭載


お互い一切のダメージがない状態で、この状況だったとします。
ダイマックスを考慮しないならの話ですが、もちろん勝てませんね?
しかし、もし相手のカビゴンが火傷していた場合はどうでしょうか?
火傷で物理攻撃が弱体化したカビゴンのヒートスタンプ威力100はナットレイに対し37.5~44.1%のダメージとなるので、たべのこし+やどりぎのタネの回復でかなり相殺できますし、更にまもるを挟めば回復が追いつきます。
逆にカビゴン側は火傷、やどりぎのタネ、てつのトゲによってどんどんHPを削られていき、そのうちナットレイを突破できずに倒れることになります。

ちなみにカビゴンが習得できる一撃必殺技のじわれは考慮しません。
今回はわかりやすい例を挙げたかっただけなので。

とはいえ「ナットレイが相手を火傷にする手段ってなくね?」と皆さん思ったのではないでしょうか。
もちろんその通りです。ナットレイは鬼火、炎技はおろかトリックも投げつけるも使えません。
でも、ナットレイが相手を火傷にできないのであれば、別のポケモンで火傷にさせてしまえばいいのです。
今回はヒートロトムの鬼火で火傷させることにしましょうか。

ちなみに、ヒートロトムvs空元気搭載チョッキ持ちカビゴンはタイマンだと普通にヒートロトム側が負けます。
つまり、ナットレイもヒートロトムも、今回のカビゴンにはタイマンでは勝てないわけなんですよね。

だけど、2匹で力を合わせれば勝てる!!!!!!!1111111

もちろんヒートロトムがカビゴンの火傷空元気を食らったらめちゃくちゃ痛いですよ?
ただ、カビゴンへの交代読みで鬼火を入れることができれば対面で撃つ必要はなくなりますし、対面で撃つことになってしまったとしてもカビゴンさえ倒してしまえばナットレイで詰ませられるという状況であれば有効です。
こんな感じで、特定のポケモンを1匹で対策しようとするのではなく、2匹以上のポケモンで立ち回りを工夫して有利不利を逆転することで、相手視点では見えにくい部分で勝負することができるようになります。

ちなみに、もし特定のポケモンを1匹で対策しようとすると、下記のようなことが起きやすいです。

《例》
①「カビゴンが重いから対策したいな~」
②「格闘タイプのポケモンで瞬殺すればええやん!格闘タイプ入れよ!」
③「お、カビゴン来た!さっそく格闘タイプで殴ろう!」
④相手が飛行タイプのポケモンに交代する
⑤「格闘タイプのポケモンをダイジェットの起点にされて負けた……」


こうなるんですよね。
過去のシーズンでカビゴンが流行っていたことがありますが、そんな時も筆者は頑なに格闘タイプのポケモンを採用しませんでした。
その理由がこれです。
苦手なポケモンがいるからといって安直に対策ポケモンを入れると、逆にそれを別のポケモンから起点にされて負け筋に直結するということが結構あるんですよね。
しかも、対策ポケモンがマイナーなら読まれない時もありますが、メジャーなポケモンだと相手視点でバレバレなので、選出を読まれやすいです(それを逆手に取って見せポケにするというやり方もありますが……)

逆に、1体では不利でも2~3体がかりで対処することで有利不利を逆転できるようにしておくと、相手視点ではそれが見えないので選出も読まれにくくなりますし、こちら側も選出を縛られにくくなります。
その結果、選出画面の読み合いで不利になりにくくなるというわけです。

【1体に対して2~3体も消耗させられたらまずいのでは?】

こう思った人が結構いるんじゃないでしょうか?
しかし、実際は以下のような状況であれば問題ないです。

①1体に当てた2~3体のうち後々必要なポケモンが機能停止せずに済む
②特定の1体さえ突破すればそのまま全抜き可能or相手を詰ませられる

これ以外にもあると思いますが、とりあえず試合に勝てるなら1体に対して2~3体使ってしまっても全然OKです。
むしろ1体で対策しようとしてそのポケモンが倒されて詰んだり、そもそも対策ポケモンを選出できなかったり、逆に選出したはいいものの相手が仮想敵を選出せずに腐ったりした時のほうがよっぽどまずいと思っています。

【でも、実際そういう構築組むのむずくね?】

はい、もちろん難しいです()
むしろ構築組み始めの段階でこれを意識して組める人ってなかなかいないんじゃないでしょうか?
実戦→構築のメンバー入れ替えの繰り返しでたまたまそういう構築が出来上がったというパターンのほうが圧倒的に多いのではないかなと思います。筆者もそうです。
こういう構築を組むこと自体が難しいうえ、相手視点で見えにくい=こちら側もその勝ち筋の存在に気付くまではわからないですし、気付くためにはプレイングの上手さも必要になってきます。

「では、プレイングが上手くない人にとってこの記事の内容は無意味だったのか?」と言われると、そうではないと思います。
この記事の内容である有利不利の逆転を知っておくだけでも今後のプレイングと構築の参考になるのではないでしょうか。

ちなみに、実際にこういう構築を組もうと思ったら結局のところ実戦→メンバーの入れ替えの繰り返しになるんじゃないかなと思います。
ただし、重く感じるポケモンがいたとしても勝てる時があるのであれば、安易にメンバー入れ替えをせずに使い続けることで新たに見えてくるものもありますので、重めのポケモンが相手のパーティにいる時の勝率もある程度意識したほうがいいかもしれません。
プレイングでどうあがいても勝てないことが多い時こそメンバーの入れ替え時です。

【この考え方って、対面構築とサイクル構築のどっちで特に有効?】

どちらで有効で、どちらだとあまり有効でないかは特になく、どちらでも等しく大事になってくるのではないかなと考えています。
というのも、対面構築であれば、状態異常撒き、ステロ撒き、壁張り、おきみやげ等をやるだけやって退場する起点作り役のポケモンで後続に繋ぐだけでも実は有利不利の逆転ができますし、サイクル構築でもやはり撃ち逃げを繰り返すことでそれができるからです。
極端な話、単純に殴るだけでも有利不利の逆転に繋がることが多いです。
1ダメージでも与えて襷を潰す、削りを入れることで相性の悪い技でも倒せるようにしたり、以降の受け出しをできなくする等がそうですね。

こんな感じなので、ぶっちゃけこの記事を読まなくても皆さん無意識で有利不利の逆転ができていると思います。
ただ、これを意識できているかどうかとなると人によると思いますので、もしこの記事を読んだことで有利不利の逆転を意識できるようになり、勝てるようになったよという人がいたら嬉しいです。

【構築に見せポケを入れてみるのもあり?】

有利不利の逆転とは話がずれますが、見せポケを使って相手の選出を歪ませるのも一つの手だと思っています。
例えば、特定のポケモンさえ出されなければ相当強いけれど、そのポケモンを出されてしまうと崩されやすいという構築を使っていたとします。
今回は、その特定のポケモンをウオノラゴンとしましょうか。
ウオノラゴンに対する勝率は悪いけれど、それ以外に対しては勝率が高い構築を使っている場合、ウオノラゴン1匹のために構築をガラッと変えるのってもったいない気がしませんか?

そこで見せポケの出番です。
今回はウオノラゴンに対する見せポケをラプラスとしましょう。
ラプラスは特性の一つに、ウオノラゴンの主力技であるエラがみを無効化できるちょすいがあるうえ、フリーズドライでウオノラゴンに4倍弱点を突くことができるので、ウオノラゴンに対してかなり選出圧力をかけることができます(もちろん絶対に選出されないわけではありませんが)

なので、普通はウオノラゴンが重い構築でウオノラゴンと当たったらラプラスを選出することがセオリーですが、実はここで敢えてラプラスを選出せず、ウオノラゴンが選出されないことを祈って基本選出をゴリ押すという選出の仕方も存在します。
これでウオノラゴンが選出されてしまったら負け濃厚ですが、逆に言うと選出さえされなければこちらが有利ですよね。

こんなことを言うと「選出されて負けたらどうすんだよ!」「負けたくないのに選出画面の時点でそんな思い切ったことできるわけないだろ!」と怒られるかもしれません。
ですが、どんな戦い方をしたとしても結局ランクマで100戦以上やって勝率100%の人っていないんですよね。絶対どこかで負けます。
構築の相性、プレイングの相性、運などの要因で負けることがあります。
大会だと1敗した時点でもう優勝できないとかありえるので話が変わってきますが、ランクマだと多少どこかで負けたとしても勝率さえ高ければ結果を出せるんですよね。

①ウオノラゴンとマッチングするかどうか
②ウオノラゴンとマッチングしたとして、選出されるかどうか
③ウオノラゴンを選出されたとして、負けるかどうか

まず、①の段階でウオノラゴンとマッチングしなければ、それだけでその試合でウオノラゴンに負ける確率はゼロになります。
①の段階でマッチングしてしまったとしても、②の段階でウオノラゴンを選出されなければ、その試合でウオノラゴンに負ける確率はゼロになります。
②の段階で選出されてしまい③の段階まで進んだとしても、自分側が選出したポケモンにもよりますが負ける確率100%ではないはずです。
①、②、③全部を考慮したうえでウオノラゴンに負ける確率が低いのであれば、見せポケで選出圧力をかけ、ウオノラゴンを出されないことが前提の選出をするというぶっ飛んだ戦い方をしても問題ないと思っています。
他の方の構築記事を読んでいると、苦手なポケモンへの対策方法を「当たらないことで対策とする」「選出させないことで対策とする」と記載している記事をたまに見かけるんですよね。
最初に見かけた時は「そんな馬鹿なwww」と思いましたが、最近は「理にかなっているかもなあ」と思うようになりました。
実際、筆者が構築記事を出しているS10の構築は、初手で選出させないことで対策としている苦手ポケモンが複数いました()

こんな感じで、重めのポケモンを見せポケで選出させないようにして基本選出をゴリ押すというやり方を採用するのもある意味で選出画面の読み合いで不利になりにくい構築の作り方かもしれません。

【最後に】

非常に長い記事になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
この記事は自分の考えを整理するために書きましたが、少しでも誰かの参考になれれば幸いです。

これはTwitter以外のところからこの構築記事に辿り着いて俺を知った人向けの内容となりますが、Twitterではよくポケモン配布企画ツイートをしていますので、ぜひ参加とフォローをお願いします。
また、YouTubeにて動画投稿を行っていますので、よかったらご視聴とチャンネル登録していただけると励みになります。

では、またどこかでお会いしましょう。

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