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聞いていいこと / 悪いこと

今週頭から膀胱炎になりました。
罹ったことのある人なら分かっていただけるであろうあの独特の痛み。そして頻尿。痛いのでできるだけしたくないんですが、15分に一回ぐらいは行きたくなります。その癖、ほとんど出やしない。膀胱炎に罹ったが最後、拳を握りしめながら排尿することになります。「ツァーーー」と情けない声をあげるしかありません。

放っておいて治るものでもないので(一度市販薬に頼ってみたことがあるんですが、結果血尿まで至りました)早々に病院へ行ってきたわけです。
受付のお姉さんに「たぶん(間違いなく)膀胱炎です」と伝えると、早速尿検査に。
コップを渡され、「出ますか?」と聞かれたんですが、実はもう漏れそう。奪い取るようにしてトイレに駆け込んだものの、ちょっとしか出ない。あの強烈な尿意は何だったんだ、蜃気楼だったのか?と呆然としながらコップの中を見ると、明らかに濁っている。例えるならうどんの茹で汁といったところでしょうか。
ただでさえ他人に見られるのは恥ずかしいのに、茹で汁…恥っず…などと思いながら、トイレから検査室へ繋がる小窓に提出しました。

診察室では、年配のおじさん先生が何やら検査結果を見ながらカルテに書き込んでいます。白血球の数値がどうのこうの言われた気がしますが、すでに次の尿意に晒されている私の頭には何も入ってきません。

「どんな症状ですか?」
「トイレに行くと痛いです。あと頻繁に行きたくなります」
「しみる感じ?」
「そうです、膀胱炎には何回か罹っているので間違い無いです」

ふんふんと頷きながらさらにカルテに記入していくおじさん先生。
大腸菌が入っちゃったりしてなるんだよね〜と話してくれますが、もうそれググったから知ってる!薬を早く!と猛烈な尿意に耐えながら引きつった笑顔で受け答えをしていました。

「症状はいつからなの?」
「今朝からです」
「今朝?昨日何か変わったことでもしたの?」
「」

実は膀胱炎になった理由には滅茶苦茶心当たりがありました。
他言できる内容では無いので伏せますが、この時の私の動揺ぶりといったら。

─ 今、『変わったこと』って言ったかこの先生。
何を指している、どこまで何を知っているんだ ─

全てを見透かしたような医者の目が恐ろしい。FFならライブラをかけられている気分。恐らく1秒にも満たない時間でしたが、私の目線は一向に定まりませんでした。

「薄着で寝たから…ですかね…?」
「…ふぅん、気をつけないとね」

無事にお薬をもらった私は足早に帰宅し、トイレで後悔に頭を抱えました。
先生のあの質問に深い意味はなかったと思いますし、適当に「いや〜分かりません」とか返せばよかったものを、妙な態度をとった私が悪いんです。

原因不明の病気でも無い限り、罹った理由を患者に聞くのはやめてくれと思った次第でした。特に膀胱炎は。

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